2012年4月から6月までのつぶやきです。宮城とジャワへ行きました。2日間の宮城のワークショップでは、からだで語り合った実感がありました。ジャワでは、芸術大学の西洋音楽学科の学生や先生と意気投合しました。釜ヶ崎のワークショップでは、路上で踊ってちょっとした騒ぎになりました。
つぶやき中の方はこちらでも。
http://twitter.com/#!/kasakuman
4月3日
理、優、潤、新で季節の飲み会。即興とか、演出とか、愛とか、宇宙とか、中国武道とか、アイロンがけとか、ロボットとダンスとか、雲とダンスとか。ミニスカートのような着物の女の子が時々注文を取りにくる店で。理さんのぎっくり腰が限界で解散。次はカエルの頃かな。
毛布洗って、コンロ磨いて、換気扇外して洗って、最後は洗車。バケツで水を汲んで雑巾がけ。水が気持ちいい季節になった。面倒と言えば面倒だけど、こんなに大きなものが自分のものだなんて不思議な気持ち。ワックスもかけてピッカピカ。車検証を見ると、先週で10歳10万キロ。まだまだ乗ります。
ガスコンロをひっくり返すと、熱センサーのケーブルが見えた。いつも炒めている途中で火が弱くなって悶絶しそうになるので、ハサミで切ってみた(ほんとは絶対やってはいけません)。火がつかなくなってしまった。あわてて細い銅線をなんとかつなぎなおした。火の大きさくらい自分で見させてくれ~。
フライパンから白煙が上がり、油を投入、タマゴを続けて放り込み、温めたすかさずご飯を、というところでシュポッと火が小さく、、悶絶です。タマゴが膨らみ端っこが焦げて香ばしくなったり、カンカンとフライパンを叩きながらドンドンと水分を飛ばすのも台無し。自分で鍋を遠ざけるっちゅうねん。
ブナが学童なので弁当作り。今朝は鳥の唐揚げ。色とにおいと泡と音を確かめながら菜箸で引き上げると、油が切れていく震動が伝わる。カラッと揚がったしるし。布をハサミで裁つ時に、布の目や引っぱり加減、ハサミの開け具合や歯と歯の合わさり具合などを感じて、あっ行けると思う瞬間がある。
だじゃれ連発の小学生とふたりきりのWS。僕はしゃべらないことにして、玉を投げ合う。サッカーになったり、ハンドボールになったり。フェイントしたりして互いに様子を探りながら、40分かけて徐々に間をつめて、じっくり顔を見る間合いに。今だっ、ていう瞬間に懐に飛び込んで、しばし揉み合った。
udlot2 in Berlin めっちゃ早い。木を40分叩き続けるパートがある。段々早くなりがち。それが自然なのかもしれないが、多数の前で踏みとどまりたくなる。ダンスで、共振したり自然に動くということとどう関係してるのか。ん?段々遅くなってきた。集団のリズム、カエルのような。
@daysent うちのには、ついてないみたいだなあ、その機能。ホームセンターで買った安いやつだけど。なにかと昔のシンプルな機能のんが使いやすかったりしますね。
@daysent 確かに違ったんですよ。仁和寺の時は、なんだこの曲はっていう不思議感があった。20年経って社会でのアートのありかたが変わったんだろうと思ってます。だからこそやる意味もあったのかなと。Gamelan Aid at Art-Centoを見るとまた全然違いますよ。
4月4日
風の中に飛び込んでくる~と言って学童から飛び出そうとすると、ドアがひっぺがされてバタンと開きワイヤー入りガラスがグシャッと割れた。ケガは無かったけど、破片が部屋の中の方まで飛んでいる。豊能町でガラス1枚割れる被害が出てたらこれです、お騒がせしました。家の近所の作業所も崩壊してた。
午後はインタビュー。テーマは踊れるようになるということ。話すといろいろ整理されるし、自分が考えてなかったことが見つかることも。でも、あんまり整理されすぎると踊りも分類されて整理されすぎる。少しもやもやした部分が残った方がいい。自分で自分のダンスが全部分かっている訳でもないし。
@tricotorimidas 書くことから、しゃべること、そしてもやもやを撮ることへですか。記憶、ことば、目の前の人との間の空気、ゆれる葉っぱ、ことばの響き、呼吸、リズム、動き、インタビュアーのほころぶ気持ち。ハワイの先生のように、踊るようにしゃべりたいなあ。あっ、鳥のこえ。
ことばをきっかけに記憶の旅にでて、からだの記憶がつながってくる。どうしてここにいたったのかという流れを追うことは大切なことだ。けれど、整理して引き出しにしまってはいけない。そこらに散らかしておく。手当たり次第に取れるように、時には間違って手にするように。その場で感じることから。
舞踊をする中でさまざまな気づきがうまれ始めた時期があった。それはいくつかのことと結びついていた。骨や脱力、ダンサーとの交換、ジャワ舞踊と出会った最初の直感、すとんと落ちるような理屈、手首を回すのに手首を回してはいけないみたいな。そして、その気づきは僕は興奮させ、前のめりにさせた。
つぶやき中の方はこちらでも。
http://twitter.com/#!/kasakuman
4月3日
理、優、潤、新で季節の飲み会。即興とか、演出とか、愛とか、宇宙とか、中国武道とか、アイロンがけとか、ロボットとダンスとか、雲とダンスとか。ミニスカートのような着物の女の子が時々注文を取りにくる店で。理さんのぎっくり腰が限界で解散。次はカエルの頃かな。
毛布洗って、コンロ磨いて、換気扇外して洗って、最後は洗車。バケツで水を汲んで雑巾がけ。水が気持ちいい季節になった。面倒と言えば面倒だけど、こんなに大きなものが自分のものだなんて不思議な気持ち。ワックスもかけてピッカピカ。車検証を見ると、先週で10歳10万キロ。まだまだ乗ります。
ガスコンロをひっくり返すと、熱センサーのケーブルが見えた。いつも炒めている途中で火が弱くなって悶絶しそうになるので、ハサミで切ってみた(ほんとは絶対やってはいけません)。火がつかなくなってしまった。あわてて細い銅線をなんとかつなぎなおした。火の大きさくらい自分で見させてくれ~。
フライパンから白煙が上がり、油を投入、タマゴを続けて放り込み、温めたすかさずご飯を、というところでシュポッと火が小さく、、悶絶です。タマゴが膨らみ端っこが焦げて香ばしくなったり、カンカンとフライパンを叩きながらドンドンと水分を飛ばすのも台無し。自分で鍋を遠ざけるっちゅうねん。
ブナが学童なので弁当作り。今朝は鳥の唐揚げ。色とにおいと泡と音を確かめながら菜箸で引き上げると、油が切れていく震動が伝わる。カラッと揚がったしるし。布をハサミで裁つ時に、布の目や引っぱり加減、ハサミの開け具合や歯と歯の合わさり具合などを感じて、あっ行けると思う瞬間がある。
だじゃれ連発の小学生とふたりきりのWS。僕はしゃべらないことにして、玉を投げ合う。サッカーになったり、ハンドボールになったり。フェイントしたりして互いに様子を探りながら、40分かけて徐々に間をつめて、じっくり顔を見る間合いに。今だっ、ていう瞬間に懐に飛び込んで、しばし揉み合った。
udlot2 in Berlin めっちゃ早い。木を40分叩き続けるパートがある。段々早くなりがち。それが自然なのかもしれないが、多数の前で踏みとどまりたくなる。ダンスで、共振したり自然に動くということとどう関係してるのか。ん?段々遅くなってきた。集団のリズム、カエルのような。
@daysent うちのには、ついてないみたいだなあ、その機能。ホームセンターで買った安いやつだけど。なにかと昔のシンプルな機能のんが使いやすかったりしますね。
@daysent 確かに違ったんですよ。仁和寺の時は、なんだこの曲はっていう不思議感があった。20年経って社会でのアートのありかたが変わったんだろうと思ってます。だからこそやる意味もあったのかなと。Gamelan Aid at Art-Centoを見るとまた全然違いますよ。
4月4日
風の中に飛び込んでくる~と言って学童から飛び出そうとすると、ドアがひっぺがされてバタンと開きワイヤー入りガラスがグシャッと割れた。ケガは無かったけど、破片が部屋の中の方まで飛んでいる。豊能町でガラス1枚割れる被害が出てたらこれです、お騒がせしました。家の近所の作業所も崩壊してた。
午後はインタビュー。テーマは踊れるようになるということ。話すといろいろ整理されるし、自分が考えてなかったことが見つかることも。でも、あんまり整理されすぎると踊りも分類されて整理されすぎる。少しもやもやした部分が残った方がいい。自分で自分のダンスが全部分かっている訳でもないし。
@tricotorimidas 書くことから、しゃべること、そしてもやもやを撮ることへですか。記憶、ことば、目の前の人との間の空気、ゆれる葉っぱ、ことばの響き、呼吸、リズム、動き、インタビュアーのほころぶ気持ち。ハワイの先生のように、踊るようにしゃべりたいなあ。あっ、鳥のこえ。
ことばをきっかけに記憶の旅にでて、からだの記憶がつながってくる。どうしてここにいたったのかという流れを追うことは大切なことだ。けれど、整理して引き出しにしまってはいけない。そこらに散らかしておく。手当たり次第に取れるように、時には間違って手にするように。その場で感じることから。
舞踊をする中でさまざまな気づきがうまれ始めた時期があった。それはいくつかのことと結びついていた。骨や脱力、ダンサーとの交換、ジャワ舞踊と出会った最初の直感、すとんと落ちるような理屈、手首を回すのに手首を回してはいけないみたいな。そして、その気づきは僕は興奮させ、前のめりにさせた。
4月5日
ジャワ舞踊ではまっすぐに立つことが大切、クレーンから垂れるワイヤーのように。少し後ろに倒れそうなくらい、その分少しあごを引いておく。そうすることによってうまれる心持ちや視野がある。前のめりになると見えなくなるものがある。肘を上げ、肩を下げ、あごを引く、喫茶店で立ってしゃべる。
4月6日
たんぽぽの家でWS。車いす2台、ガムラン2台、グランドピアノで即興。ささやきから絶叫まで声もたくさん使う。Yさんとはタイミングも声色もほんとに息のあったやり取りになる。僕は彼女の気配を感じるし、彼女は僕をよく観察している。「私もふたりで舞台をやりたい。」と即興の後で言ってくれた。
鉄平さんとトンカツ屋へ。どうして踊るようになったかという20年前の話しを、20年ぶりに行った店でする。いつもはしない当時の女の子の話しも。2月の「うまれる」公演の後、牛丼屋でひとりで盛り上がり、その後、1週間職場でも熱血施設長になったと感想を聞かせてくれた。誰かに話したかったと。
仕事と生活を分けることは出来ないと、施設長を辞めた彼は、自分の哲学を貫ける施設を準備中。介護する側とされる側という二項対立を作らない施設。シンプルな施設で関係性を大切にするということかな。でも、奥さんとは対立中とか、焼きそばの作り方で。介護って、生きているとみんな関わることよね。
もがれたバッタの足のようなメガネのつるが食卓の上に。おとといブナに四の字固めをしようと外してじゅうたんに置いたところへイウィンさんが洗濯物を持ってやった。そうです、置いた方が悪いんですけど、足の裏に感じた瞬間に力を抜いて・・・、とは思うけど、そんなことで怒ることはできない。
持ってやってきた、です。今日は世界が傾いている。ついてくるかと言うとうんと言うのでのんびりしていると、真っ赤になって怒りだして、弁当はまだかと。しょうがないのパパッと作ると、あっコロッケや、と。昨晩のWSでいつものようにYさんが雄叫びを上げて体当たりをしてきた。そこからのダンス。
傾いたメガネがよくないことは、メガネが商標のKジマさんでなくても分かる。輪ゴムで留めてるとまたいつもおしゃれなNビルさんに怒られる。あきらめて新調するか。昨晩の映像、YさんはWSに毎回お金を払って参加している。 http://youtu.be/gMqcQDuQpug @youtubeさんから
@kaigobon 今度はカエルナイトかな。ああ、もちろん木曜ナイトもいつでもどうぞ!愛の深い奥様にもよろしく、僕も肉は、もちろん最後に切ります。
農協で精米すると出てきた米が減っているような気がした。こっちの勘違いかもしれないけど、と窓口へ。測ると22キロ、8キロも減っている。さては妖怪クスネタロウの仕業か。と思ったが、どうやら近所の農家の倉庫から僕が取り間違えたみたい。ふたつあった小さい方を取ったのだ。昔話のせいだろう。
@kaigobon いい時間でした。からだを張って、止める必要があることもある。からだを合わせ続けているうちに、僕も段々とYさんのからだの声が聞こえるようになってきた気がします。関係するダンス、自分を超えるダンス、限界は無い。
4月7日
流れる時間が手からこぼれ落ちて砂の上で乾いてしまうのではなく、流れの手触りを味わいながら、伸びた帯をたぐり寄せるようなダンスでした。@tricotorimidas 昨晩は不思議だった。そこで起きていることすべてが音楽に聴こえ、それに身を沿わせること以外、なにもすることがないかのよ
ありがとう。昨日は、僕もいつもよりそんな風に運転した気がする。@tricotorimidas 行き帰りの佐久間新さんの運転もなんともいえない心地よさだった。彼のダンスのように無駄がなく流暢で、それでいて遊び心に溢れ、偶然を楽しみ、そして流れる。彼はダンサーに生まれ変わる前からライ
20代前半に3年くらいバイク便をしていた。500キロ以上や、阪神高速に10回以上乗る日もあれば、船場のオフィス街を100件以上回る日もあった。無数に走る道路にメッセージが見えるようになってきた。街にデッサンするような気分でバイクを走らせた。いくつかある選択肢を常にキープしながら。
大きく移動する時は伸びのある線を引くように幹線道を使ったが、単純な線は美しくなかった。川や線路や高架は街を分断していたが抜け道の隠し場所だった。いけずな一方通行や信号をどう欺き返すか、抜け道を行く車のずる賢い顔、轍に刻まれた近道の答え、関所のような必ず止まる交差点、そこから、
次の到達地点などを瞬時に判断しながら、トラックの動きを潜望鏡にして渋滞の流れを読み、タンクの上の地図や無線も参考にし即興のデッサンをする。頭には幹線道路と蒲生4とか緑3とかの結節点、自動的に行ける主要な行き先のルートが入っている。無線で仕事が入ると、荷受け場所まで最短ルートと時間
を計算する。朝から走りっぱなしのこともあったが、時には木陰で背中の箱にもたれて缶コーヒーで煙草をぷかり。休憩場所探しの名人のBは箱にウサギを連れて帰ってきたこともあった。アメリカ領事館前から青信号スタートでどこまで行けるかなんてバカな競争もした。疾走し続けるしかない日々だった。
シートの下に歯ブラシとタオルを入れたベチャ引きのように、僕らもひとりで街を流したが、週末競馬新聞の工場には鳩のように集まった。群れて走る時は戦闘機の飛行機雲をトレースするようにコーナーを曲がっていった。今でもバックミラーに映るのがバイク便ライダーかそうでないかはすぐ分かる。力が
抜けてるのだ。きっと寝ながら乗ってたBはカーブに張り付いていた。Nはミズスマシのようだったし、ギタリストのMの肘使いはかっこよかった。どんな単車もハーレーになった。自分じゃなくバイクを走らせる。膝や足首や足の裏でバイクに話しかける。慣性、遠心力が作る見えないベクトルを感じながら。
ブナとブタのヒコーキ乗りの映画を見た。空中を飛ぶ姿に刺激を受けた。美しかったが、何か整理されすぎている気がした。絵にすることで抽象化するからだろうか。いつかどこかで見たシーンが心地よさを作るけれど。上空の一筋の白い線が飛行機であることは、8歳のブナでも予感した、整理、典型、抽象。
4月8日
セミにかき消されるユリウスの作品のボリュームは上げられない、確かにそうだろう。しかし、その場に作家がいれば少しは調節したかもしれない。また、なんとか聞きたいと受け取りの耳が開いてくれば、その耳に答えたり、じらしたりするダンスを、僕だったらしたくなる、と質問をした女性に声をかけた。
あなたはダンスをするからそう思うんですね、と女性は言った。目の前にあるからだ、目の前にいなくてもなにかが沸き起こったからだと関わりたい。間にゆらぐもやもやによりそって、かるくゆすったり、ゆすられたり。その彼女もダンサーだった。目の前の花にどう接すべきかと、ユリウスも言っていた。
4月10日
曲がったままの腰がゆっくりと階段と反対方向へ倒れ出した。スローモーションに見えたが、駆けつけたときには地面に仰向けになっていた。幸い頭は打っていなかったが、宙をつかんだ手からは血がにじんでいた。数段とはいえ横につくべきだった。警察の入り口の階段でのこと。免許の更新は無事すんだ。
診療所からの帰り、歩道でブナがジャンパーを脱いでいた。学童へ行かず歩いて帰ってきたようだ。おじいさん、おばあさんに挨拶して後部座席に乗り込んだ。天気がよかったので、家の前の庇の下で持って帰ってきた弁当を広げた。トンカツが半分になっている。腹が減ったので、途中でつまんだと言う。
ふかふかの斜面に横座りしてNばあさんが畑を耕している。横にお邪魔して寝転がった。「トンボ返りして。」というリクエストに応えて、ブナが片手側転ロンダードを決める。棒を放り投げて行き先を決めて、散歩に出た。泉に着くと、オレンジや青のネットがいくつか水の底に沈んでいた。米のようだった。
発芽させようとしているんだろうか。これだけで田んぼ何枚分になるんだろう。大切な時間が流れている気がした。枯れた檜の枝先がバサッと落ちてきた。ブナが濡れた椿の葉を浮かべようとすると、ゆっくりと揺れながら静かな泉の底へと落ちて行った。トラクターがあちこちで黒い土をひっくり返していた。
4月12日
今日は2時からかまがさきでのWSシリーズ「体を動かす」の3回目。にこにこプラザですが、13時30分にココルームに来てもらってもOK。どなたでも大歓迎です。4月のイベント欄に詳細があります。
前回のWSのことを日記に書いています。かまがさきの街をダンスの種を探してピクニックしたり・・・。僕のWSはこれで最終回。今日は天気が良さそうだし、桜も咲いてるし、気持ち良さそうだなあ。外で踊りますかね・・・。
バリ舞踊家の芳野未央さんが、僕がたんぽぽの家でやっているWSの映像を紹介してくれている。彼女とはじめて会ったのは、15年前のバリの芸大、ふたりとも留学中だった。ウブドの近くの下宿へも遊びにいった。まさかこんなダンスをするようになるなんて。
4月14日
一日中したたかに濡れた水曜日は、雨が煙になる池の中から聞こえはじめました。吐く息が白くなる今晩は、黒いシルエットの山の下の見えない田んぼから、くるるるくるるるとカエルがささやいています。すこし先に目覚めたメンバーによる絶妙のアンサンブルです。
少し遅れてサッカーチームに入ったブナが練習に行きたくないと言ってしばらくになる。他では何でもうまくこなす彼にとって、みんなよりできないのがくやしいんだろうなあ。リフティングって最初は誰でも苦労する。小4の時入院して遅れて入った野球チームで最初にもらった背番号が31だった話をした。
ニュータウンには子供がたくさんいて一学年31人がチームに入った。5年では11番になり、背は低かったけどピッチャーもやった。が、Bチームだった。6年になりやっとAチームに入った。しかし1番から10番までは指定席だった。今でも31番と11番は気になる。当時はなんといっても掛布だった。
4月15日
3倍努力して1番に、というよく出来た話より、守備位置の土をなめたり、四球の後にそっとバットを置いたり、3塁線の横っ飛びから体をくの字にして投げたりする姿や、目標を聞かれて優勝や打率よりまず一本ヒットが打てるかが不安だと答える発言が野球少年の心をくすぐった。4番を打つ前の話。
カクンと膝を曲げると腰から上はそのまま沈み込んだが、肩や腕はふわりと舞い上がった。顎でバランスを取ると、丹田に蓄えられた力が引き絞られていく。引き金が引かれると塊が一気に全身に伝わる、しなやかな手からは快速球が、頭からは帽子が飛び散った。小林と掛布の姿は少年の体を突き動かした。
脱線の話はしなかった。リフティングも大事やけど、だあ~とラインの向こうまで走ったり、すりむけてもスライディングしたり、え~いと思い切ってヘディングしたりするのは得意だろう・・・。真面目な顔で聞いていた、今度の練習はどうするかな。今晩は、じいさんの家で寝ています。
4月19日
4月20、21日に仙台の演劇工房10BOXで、ARC>T主催のワークショップを行います。ゆっくり、じっくりからだを動かす予定です。座談会では、映像も見ようと思います。桜が見られるかなあ。
えずこホールにも寄ってみるつもり。近くにある白石川のひとめ千本桜を見るために、電車が徐行運転をするとか。3月には愛媛で咲きかけの桜も見たし・・・。我が家の前もほぼ満開。窓の外がピンクに光ってまぶしいくらい。モニターが桜の逆光になってます。
隣の一人暮らしのおばあさんが呼んでいる。タケノコが出だしたので、取りにきはったらええわ、と。イノシシがめちゃくちゃにする前に。ツルハシみたいなもう少しちっこい道具も貸してくれます。若いのは、朝掘ったらそのままみそ汁に入れたらおいしい。明日の朝、探してみよう、飛行場に行く前に。
4月21日
昨日のひとめ千本は三分咲きだから300本分?おとな二人でも抱えきれない桜の大木がゴロゴロ、自分で支えきれないくらい伸びるってどうよ。愛媛の運ちゃんが言うように、あんなの西日本には無いなあ。もはや怪物のような異形の桜。えずこにも無事寄れました。ピアノ振り子奏法がうまれた地です。
4月22日
10BOXでは八巻さんが満面の笑みで案内してくれる。最高の施設だなあ、24時間使えるなんて。2階の鉄の扉に落書きしてきました。去年の2月に奈良で会った時の最初の一言が「あなたこんなことしてちゃ、食べられないでしょ。」だった。僕はシンポジウムの壇上で頭上にペットボトルをのせていた。
WSは、自然に即興の流れになった。みんなどんどん自由に動いていく。感覚が開いて涙があふれた人も。感覚を研ぎすますと、つらくなることがある。繊細さの中にしなやかな強さを持つには?安心させる佇まいがあるとみかささんは言った。パサパサしてなくて湿り気があるとAさんが言った。
朝はしおかぜ園でWS、午後は10BOXでWS、夜も座談会。仙台の兄ホリコシさんが子連れで参加。顔だけでじゃなくて動きや考えも似ている。どころかこどもも似ている。養護学校の事務職だが、こどもを喜ばせるのが彼の仕事だそうだ。元気がよくて変な動きが好きでずっと遊んでいるすばらしい兄弟。
公園でダンスして、うまれるの映像を見た。この映像を簡単に真似てはいけないとみかささんが言った。教育用じゃないよね、確かに。仲良くなれば少しくらいいけずしたっていいよね。そんなこと言わず少し踊らない、とからだで誘いかけるところからダンスが始まる。それでも始まらないこともあるけれど。
明日は、ずっと世話をしてくれたミキさんと振り返り、午後はメディアテークに行って、広瀬川流れるき~しべ、かな。まだ、仙台でおいしいものは食べてません。ずっと車中とか、打ち合わせ中とか、コンビニとか。明日のランチでなんとか。今日通った海の方は、まだまだ大変そうだった、まだまだだ。
4月23日
昨日仙台でタルトを食べながらミキさんと、アウトリーチより作品作りを志向するベテラン、WSの現場でのアイデアに悩む若者たちといった話を。みかささん達も加わって牛タンを食べながら、ジョグジャやホンジュラスやモロッコのコミュニケーションの話に。花見の宴を聞きながら新緑前の並木道を散歩。
緊張しない・させない佇まいが気になった、塀の上をひょいと歩けなくなった、帰宅するとPCを開いてカエルの声を聞いてなかった、木に久しぶりに抱きついた、ダンスのWSになんて出るつもりはなかった、など座談会にて。僕のしゃべり方は、声と息が混じっていると、俳優のとりさんが教えてくれた。
昼ご飯:サンバル・ゴレン・テンペ(イウィンさん作)テンペとピーナツを素揚げ。ニンニク、唐辛子、ダウンジュルック(こぶみかんの葉)、ヤシ砂糖(無ければ黒砂糖)とともに、テンペとピーナツと一緒に少量の油で炒める。あれば、小魚を加えても。しっかり炒めれば出来上がり。ご飯に合います。
4月24日
1日目のWSは長い即興になり、最後はいい時間が流れました。 2日目は沿岸部で津波被害を受けた施設にも行きました。WSでは外にも出てみました。10BOXの近くにも仮設住居がありました。ARC>Tの活動ブログ タムラミキさんが書いてくれました。
4月25日
お世話になりました。ああ、ビールだったんですね、いえお仕事だったんですね。また、行く機会をなんとか作りたいと思います。@jaga0721 肉体労働のあとのビールは格別かな。
濃い2日間でしたね。みかさんさんの木とのダンスは印象的でした。今度はジャワで?再会しましょうか。@MikasaChida 佐久間新さんとまる2日半一緒に過ごした。人とも人じゃないものとも繋がる面白さ。
深夜に帰ってくると、桜の香りがふわっとかぶさってきた。向かいの谷の黒い土の棚田からは、深くて澄んだカエルの声が。尾引さんに知らせようかと思ったが、2時を回っていたからね。
4月27日
骨折くらいはどうってことないと、親父はほっておいてくれた。木曜の彼はどんと向かってきて、殴ってくることもある。壁に打ち付けられるのをなんとかやわらげ、腹筋に力入れたり、抜いたりしてパンチを受ける。そういえば、クレムスではしたたかに殴られて血が流れた。ただただ踊りたいというメール。
学生時代の女友達が通っていた焼鳥屋で不良中年4人で飲んでいると、なぜか音の専門家の女性があらわれた。ダイビングの集まりだと。岸壁でダンスをしていると、海の底が見える時がある。綱渡りには綱があるとKさんがアドバイスをくれた。命綱はあるのか、ないのか。でも、空は飛べない。飛べるのか?
5月5日
ボルネオ島のようなスマルのような雲の上にスーパームーン。カエルが鳴いている、こころがざわざわしている。こころが鳴いている、カエルがざわざわしている。手前の田んぼからはアブクのような叫びのような響きが。ガスで滲んだ小さな蛍光灯が旋律になって並んでいる。全部とまったのか42年ぶりに。
5月6日
ワカサのミミ神社で王の舞を見た。男性が一生に一度だけ一人で踊る。二日間に渡って50分の舞を4回。赤鼻の面、赤い襦袢、赤いふんどし、大きな矛。天を仰ぎ見たかと思えば、膝を割って前屈みになる。そして、そこから内股なっていき、のけぞると女の姿が現れる。面を取った男性の顔は穏やかだった。
Hさんおすすめの民宿でおかみさんとしゃべっていると、親父が3月にカニを食べにきたことが判明。Hさんと親父にはなんのつながりも無い。どんな確率やねん。ダンスと自閉症というかすかな線が見えるが・・・。原発銀座のど真ん中。建設中の高架道路の巨大橋脚がミミ神社のど真ん中を突っ切っていた。
5月8日
家庭訪問。先日あった参観後の懇談で「おうちでお子さんはどうですか?」と聞くので、苦し紛れに「マリモにエサをあげてます。」と答えました。我が家に来るなり「マリモちゃんは?マリモちゃんは?」と女の担任の先生。小さいビンに入ったマリモと水のようなエサとエサやり用の注射器を見せました。
ワカサで入った温泉でブナの背中をマッサージした。毎朝50分の登校。歩くのはしれてるが、荷物が重い。最近は、もむともみ返してくれる。ああ、僕もこっていたのか。少しだけど。肩こりはしないと思い込んでいた。先生の夢は、退職後に絵本をつくることらしい。そんなに話すことはないみたい。
5月12日
今日は、大阪の空掘商店街で踊ります。僕はジャワ舞踊を、イウィンさんはブタウィ舞踊。「Cantik」という店の前。路上舞踊ですので、タダです。インドネシア語を習いにきているチャーリーさんに頼まれたんです。商店街のお祭りで、僕らは14時30分頃からです。
5月13日
坂になってて面白かったです。さすが上町台地。坂でジャワ舞踊するのはめずらしい。明日も空掘商店街のイベントは続きます。落語もあります。町家カフェとか昔ながらのおもちゃ屋とかいろいろ楽しいですよ。@swimmy_y 谷町六丁目近くの方ぜひ!
天の柄杓からこぼれた銀の玉が遠心力に乗って水の上をすべっていく。音は途切れること無くやや宙に浮かんでる。時折腹が鳴るような、咳を払うような、つぶやくようなのが混じる。昨日は半分の月が出る頃に帰宅すると、きんとした冷たい水の中ですぼめた口から浮かび出る泡のような響きだったのに。
19日にカエルオールナイトピクニックをしようと思います。飲んだり食べたりしながら、時々外へ出て、夜の田んぼをピクニック。朝方には、奇跡のアンサンブルが聞こえるか。2年連続で雨だったけど、今年は晴れますように。
5月16日
帰ってくると食卓に、anak9, cucu49, cicit70, canggah22と学級通信の裏にメモ。やしゃ孫が22人。この間92歳で亡くなったイウィンさんのおばあさんのこと。ウォノサリの山奥でトウモロコシやキャッサバと暮らしていた。日本人と結婚するのを反対していたなあ。
今日はデワスギさんと練習。奥さんのキョーコさんは、卒業旅行でバリへ行って以来、それからずっとバリで暮らしている。こどもが日本の中学で勉強したいと言うので、今年からは行ったり来たりの生活とのこと。デワスギ、大西由希子、住吉能枝、野村誠、佐久間新で6月9日に豊中で公演をします。
ひいばあさんが91歳までキャベツを切っていたお好み焼き屋は、今はばあさんの妹が切り盛りしている。ガンの手術をするので店は火曜から休業。焼きそばを混ぜる手つきの柔らかさ、メリケン粉に水を混ぜていく時の真剣な顔。天気によって同じ分量で混ぜてもうまくいかないそうだ。復活して欲しいなあ?
5月23日
ブナと登校中に観測。豊能町はちょうど限界線が横切っていた。結局光は、髪の毛一本分で輪にならなかった。燃えたぎる光はそのわずかな隙間を飛び越えられなかった。僕らが南へ走ったらつながったのだろう。影は近づくとひっつくのにね。黒い月を、いつもは見えない月の裏側を見てたことになるのか。
5月24日
指でも、中指と親指で輪っかを作ると、つながった瞬間に何かが流れはじめる。太陽の場合は、もちろんものすごく離れた月の影になっているだけ。それでもつながった瞬間に何かが流れはじめる。見ている人の中にも。何千人もの人の。あっ月は、裏側じゃないですね。新月だって、ほんとは空にいるのよね。
「うちのはは」というのはジャワのイブ(お母さん)のこと、「おかーさん」というのはあなたののイブのこと、とイウィンさん。おかあさんの「あ」にすこし念押しのようなためとアクセントと、気持ちの含みが込められる。パートのおばさんたちにもまれてるからねえ。
6月17日
時折風が吹くと瓦の間から土がパラパラ落ち、家がミシッと揺れる。土壁のにおいが漂う。葉っぱだらけの木が根っこごと震わされる。オレンジの光が滲んだ靄の底でカエルの声が響いている。山が鳴り続けている。靄が晴れてくる。
6月18日
隣のおばあさんに頼まれて、庭のタマネギの収穫に。100個ほど引いて20個ほどもらった。ついでに屋根の上に1本だけ伸びていたイタドリも抜いた。植物が動物のように蠢いている。防火水槽の上の桜と柿の木にモリアオガエルの卵。緑に覆われていく、包まれていく、爪の先からは土が忍び込んでくる。
今日の第1ポイント ひっそりした田んぼの畦にみっつよっつつつましく飛び交っててる。第2ポイント もう少し大きな川沿いの大きな木の木陰に鈴なり。時折一斉に瞬いたりしている。土曜日にピクニック第2弾をしようかと思っているんだけど、台風が来るし、どうなりますか?
6月21日
緑のオイルと10円玉を持ってイウィンさんが呼んでいる。背中に塗ってコインでこするkerokanという民間療法。背中を触るとその日に効果があるか無いかは大体分かる。真っ赤になる時は効果があって、暖まってうっ血がすっと取れる。マッサージと組み合わせてやったので、今はすーすー寝ている。
6月22日
@swimmy_y ありがとう。すっかりすっきりしたみたいです。引きはじめが肝心ですね。このオイルは香りもいいし、すぐれものです。
ジャワ舞踊ではまっすぐに立つことが大切、クレーンから垂れるワイヤーのように。少し後ろに倒れそうなくらい、その分少しあごを引いておく。そうすることによってうまれる心持ちや視野がある。前のめりになると見えなくなるものがある。肘を上げ、肩を下げ、あごを引く、喫茶店で立ってしゃべる。
4月6日
たんぽぽの家でWS。車いす2台、ガムラン2台、グランドピアノで即興。ささやきから絶叫まで声もたくさん使う。Yさんとはタイミングも声色もほんとに息のあったやり取りになる。僕は彼女の気配を感じるし、彼女は僕をよく観察している。「私もふたりで舞台をやりたい。」と即興の後で言ってくれた。
鉄平さんとトンカツ屋へ。どうして踊るようになったかという20年前の話しを、20年ぶりに行った店でする。いつもはしない当時の女の子の話しも。2月の「うまれる」公演の後、牛丼屋でひとりで盛り上がり、その後、1週間職場でも熱血施設長になったと感想を聞かせてくれた。誰かに話したかったと。
仕事と生活を分けることは出来ないと、施設長を辞めた彼は、自分の哲学を貫ける施設を準備中。介護する側とされる側という二項対立を作らない施設。シンプルな施設で関係性を大切にするということかな。でも、奥さんとは対立中とか、焼きそばの作り方で。介護って、生きているとみんな関わることよね。
もがれたバッタの足のようなメガネのつるが食卓の上に。おとといブナに四の字固めをしようと外してじゅうたんに置いたところへイウィンさんが洗濯物を持ってやった。そうです、置いた方が悪いんですけど、足の裏に感じた瞬間に力を抜いて・・・、とは思うけど、そんなことで怒ることはできない。
持ってやってきた、です。今日は世界が傾いている。ついてくるかと言うとうんと言うのでのんびりしていると、真っ赤になって怒りだして、弁当はまだかと。しょうがないのパパッと作ると、あっコロッケや、と。昨晩のWSでいつものようにYさんが雄叫びを上げて体当たりをしてきた。そこからのダンス。
傾いたメガネがよくないことは、メガネが商標のKジマさんでなくても分かる。輪ゴムで留めてるとまたいつもおしゃれなNビルさんに怒られる。あきらめて新調するか。昨晩の映像、YさんはWSに毎回お金を払って参加している。 http://youtu.be/gMqcQDuQpug @youtubeさんから
@kaigobon 今度はカエルナイトかな。ああ、もちろん木曜ナイトもいつでもどうぞ!愛の深い奥様にもよろしく、僕も肉は、もちろん最後に切ります。
農協で精米すると出てきた米が減っているような気がした。こっちの勘違いかもしれないけど、と窓口へ。測ると22キロ、8キロも減っている。さては妖怪クスネタロウの仕業か。と思ったが、どうやら近所の農家の倉庫から僕が取り間違えたみたい。ふたつあった小さい方を取ったのだ。昔話のせいだろう。
@kaigobon いい時間でした。からだを張って、止める必要があることもある。からだを合わせ続けているうちに、僕も段々とYさんのからだの声が聞こえるようになってきた気がします。関係するダンス、自分を超えるダンス、限界は無い。
4月7日
流れる時間が手からこぼれ落ちて砂の上で乾いてしまうのではなく、流れの手触りを味わいながら、伸びた帯をたぐり寄せるようなダンスでした。@tricotorimidas 昨晩は不思議だった。そこで起きていることすべてが音楽に聴こえ、それに身を沿わせること以外、なにもすることがないかのよ
ありがとう。昨日は、僕もいつもよりそんな風に運転した気がする。@tricotorimidas 行き帰りの佐久間新さんの運転もなんともいえない心地よさだった。彼のダンスのように無駄がなく流暢で、それでいて遊び心に溢れ、偶然を楽しみ、そして流れる。彼はダンサーに生まれ変わる前からライ
20代前半に3年くらいバイク便をしていた。500キロ以上や、阪神高速に10回以上乗る日もあれば、船場のオフィス街を100件以上回る日もあった。無数に走る道路にメッセージが見えるようになってきた。街にデッサンするような気分でバイクを走らせた。いくつかある選択肢を常にキープしながら。
大きく移動する時は伸びのある線を引くように幹線道を使ったが、単純な線は美しくなかった。川や線路や高架は街を分断していたが抜け道の隠し場所だった。いけずな一方通行や信号をどう欺き返すか、抜け道を行く車のずる賢い顔、轍に刻まれた近道の答え、関所のような必ず止まる交差点、そこから、
次の到達地点などを瞬時に判断しながら、トラックの動きを潜望鏡にして渋滞の流れを読み、タンクの上の地図や無線も参考にし即興のデッサンをする。頭には幹線道路と蒲生4とか緑3とかの結節点、自動的に行ける主要な行き先のルートが入っている。無線で仕事が入ると、荷受け場所まで最短ルートと時間
を計算する。朝から走りっぱなしのこともあったが、時には木陰で背中の箱にもたれて缶コーヒーで煙草をぷかり。休憩場所探しの名人のBは箱にウサギを連れて帰ってきたこともあった。アメリカ領事館前から青信号スタートでどこまで行けるかなんてバカな競争もした。疾走し続けるしかない日々だった。
シートの下に歯ブラシとタオルを入れたベチャ引きのように、僕らもひとりで街を流したが、週末競馬新聞の工場には鳩のように集まった。群れて走る時は戦闘機の飛行機雲をトレースするようにコーナーを曲がっていった。今でもバックミラーに映るのがバイク便ライダーかそうでないかはすぐ分かる。力が
抜けてるのだ。きっと寝ながら乗ってたBはカーブに張り付いていた。Nはミズスマシのようだったし、ギタリストのMの肘使いはかっこよかった。どんな単車もハーレーになった。自分じゃなくバイクを走らせる。膝や足首や足の裏でバイクに話しかける。慣性、遠心力が作る見えないベクトルを感じながら。
ブナとブタのヒコーキ乗りの映画を見た。空中を飛ぶ姿に刺激を受けた。美しかったが、何か整理されすぎている気がした。絵にすることで抽象化するからだろうか。いつかどこかで見たシーンが心地よさを作るけれど。上空の一筋の白い線が飛行機であることは、8歳のブナでも予感した、整理、典型、抽象。
4月8日
セミにかき消されるユリウスの作品のボリュームは上げられない、確かにそうだろう。しかし、その場に作家がいれば少しは調節したかもしれない。また、なんとか聞きたいと受け取りの耳が開いてくれば、その耳に答えたり、じらしたりするダンスを、僕だったらしたくなる、と質問をした女性に声をかけた。
あなたはダンスをするからそう思うんですね、と女性は言った。目の前にあるからだ、目の前にいなくてもなにかが沸き起こったからだと関わりたい。間にゆらぐもやもやによりそって、かるくゆすったり、ゆすられたり。その彼女もダンサーだった。目の前の花にどう接すべきかと、ユリウスも言っていた。
4月10日
曲がったままの腰がゆっくりと階段と反対方向へ倒れ出した。スローモーションに見えたが、駆けつけたときには地面に仰向けになっていた。幸い頭は打っていなかったが、宙をつかんだ手からは血がにじんでいた。数段とはいえ横につくべきだった。警察の入り口の階段でのこと。免許の更新は無事すんだ。
診療所からの帰り、歩道でブナがジャンパーを脱いでいた。学童へ行かず歩いて帰ってきたようだ。おじいさん、おばあさんに挨拶して後部座席に乗り込んだ。天気がよかったので、家の前の庇の下で持って帰ってきた弁当を広げた。トンカツが半分になっている。腹が減ったので、途中でつまんだと言う。
ふかふかの斜面に横座りしてNばあさんが畑を耕している。横にお邪魔して寝転がった。「トンボ返りして。」というリクエストに応えて、ブナが片手側転ロンダードを決める。棒を放り投げて行き先を決めて、散歩に出た。泉に着くと、オレンジや青のネットがいくつか水の底に沈んでいた。米のようだった。
発芽させようとしているんだろうか。これだけで田んぼ何枚分になるんだろう。大切な時間が流れている気がした。枯れた檜の枝先がバサッと落ちてきた。ブナが濡れた椿の葉を浮かべようとすると、ゆっくりと揺れながら静かな泉の底へと落ちて行った。トラクターがあちこちで黒い土をひっくり返していた。
4月12日
今日は2時からかまがさきでのWSシリーズ「体を動かす」の3回目。にこにこプラザですが、13時30分にココルームに来てもらってもOK。どなたでも大歓迎です。4月のイベント欄に詳細があります。
前回のWSのことを日記に書いています。かまがさきの街をダンスの種を探してピクニックしたり・・・。僕のWSはこれで最終回。今日は天気が良さそうだし、桜も咲いてるし、気持ち良さそうだなあ。外で踊りますかね・・・。
バリ舞踊家の芳野未央さんが、僕がたんぽぽの家でやっているWSの映像を紹介してくれている。彼女とはじめて会ったのは、15年前のバリの芸大、ふたりとも留学中だった。ウブドの近くの下宿へも遊びにいった。まさかこんなダンスをするようになるなんて。
4月14日
一日中したたかに濡れた水曜日は、雨が煙になる池の中から聞こえはじめました。吐く息が白くなる今晩は、黒いシルエットの山の下の見えない田んぼから、くるるるくるるるとカエルがささやいています。すこし先に目覚めたメンバーによる絶妙のアンサンブルです。
少し遅れてサッカーチームに入ったブナが練習に行きたくないと言ってしばらくになる。他では何でもうまくこなす彼にとって、みんなよりできないのがくやしいんだろうなあ。リフティングって最初は誰でも苦労する。小4の時入院して遅れて入った野球チームで最初にもらった背番号が31だった話をした。
ニュータウンには子供がたくさんいて一学年31人がチームに入った。5年では11番になり、背は低かったけどピッチャーもやった。が、Bチームだった。6年になりやっとAチームに入った。しかし1番から10番までは指定席だった。今でも31番と11番は気になる。当時はなんといっても掛布だった。
4月15日
3倍努力して1番に、というよく出来た話より、守備位置の土をなめたり、四球の後にそっとバットを置いたり、3塁線の横っ飛びから体をくの字にして投げたりする姿や、目標を聞かれて優勝や打率よりまず一本ヒットが打てるかが不安だと答える発言が野球少年の心をくすぐった。4番を打つ前の話。
カクンと膝を曲げると腰から上はそのまま沈み込んだが、肩や腕はふわりと舞い上がった。顎でバランスを取ると、丹田に蓄えられた力が引き絞られていく。引き金が引かれると塊が一気に全身に伝わる、しなやかな手からは快速球が、頭からは帽子が飛び散った。小林と掛布の姿は少年の体を突き動かした。
脱線の話はしなかった。リフティングも大事やけど、だあ~とラインの向こうまで走ったり、すりむけてもスライディングしたり、え~いと思い切ってヘディングしたりするのは得意だろう・・・。真面目な顔で聞いていた、今度の練習はどうするかな。今晩は、じいさんの家で寝ています。
4月19日
4月20、21日に仙台の演劇工房10BOXで、ARC>T主催のワークショップを行います。ゆっくり、じっくりからだを動かす予定です。座談会では、映像も見ようと思います。桜が見られるかなあ。
えずこホールにも寄ってみるつもり。近くにある白石川のひとめ千本桜を見るために、電車が徐行運転をするとか。3月には愛媛で咲きかけの桜も見たし・・・。我が家の前もほぼ満開。窓の外がピンクに光ってまぶしいくらい。モニターが桜の逆光になってます。
隣の一人暮らしのおばあさんが呼んでいる。タケノコが出だしたので、取りにきはったらええわ、と。イノシシがめちゃくちゃにする前に。ツルハシみたいなもう少しちっこい道具も貸してくれます。若いのは、朝掘ったらそのままみそ汁に入れたらおいしい。明日の朝、探してみよう、飛行場に行く前に。
4月21日
昨日のひとめ千本は三分咲きだから300本分?おとな二人でも抱えきれない桜の大木がゴロゴロ、自分で支えきれないくらい伸びるってどうよ。愛媛の運ちゃんが言うように、あんなの西日本には無いなあ。もはや怪物のような異形の桜。えずこにも無事寄れました。ピアノ振り子奏法がうまれた地です。
4月22日
10BOXでは八巻さんが満面の笑みで案内してくれる。最高の施設だなあ、24時間使えるなんて。2階の鉄の扉に落書きしてきました。去年の2月に奈良で会った時の最初の一言が「あなたこんなことしてちゃ、食べられないでしょ。」だった。僕はシンポジウムの壇上で頭上にペットボトルをのせていた。
WSは、自然に即興の流れになった。みんなどんどん自由に動いていく。感覚が開いて涙があふれた人も。感覚を研ぎすますと、つらくなることがある。繊細さの中にしなやかな強さを持つには?安心させる佇まいがあるとみかささんは言った。パサパサしてなくて湿り気があるとAさんが言った。
朝はしおかぜ園でWS、午後は10BOXでWS、夜も座談会。仙台の兄ホリコシさんが子連れで参加。顔だけでじゃなくて動きや考えも似ている。どころかこどもも似ている。養護学校の事務職だが、こどもを喜ばせるのが彼の仕事だそうだ。元気がよくて変な動きが好きでずっと遊んでいるすばらしい兄弟。
公園でダンスして、うまれるの映像を見た。この映像を簡単に真似てはいけないとみかささんが言った。教育用じゃないよね、確かに。仲良くなれば少しくらいいけずしたっていいよね。そんなこと言わず少し踊らない、とからだで誘いかけるところからダンスが始まる。それでも始まらないこともあるけれど。
明日は、ずっと世話をしてくれたミキさんと振り返り、午後はメディアテークに行って、広瀬川流れるき~しべ、かな。まだ、仙台でおいしいものは食べてません。ずっと車中とか、打ち合わせ中とか、コンビニとか。明日のランチでなんとか。今日通った海の方は、まだまだ大変そうだった、まだまだだ。
4月23日
昨日仙台でタルトを食べながらミキさんと、アウトリーチより作品作りを志向するベテラン、WSの現場でのアイデアに悩む若者たちといった話を。みかささん達も加わって牛タンを食べながら、ジョグジャやホンジュラスやモロッコのコミュニケーションの話に。花見の宴を聞きながら新緑前の並木道を散歩。
緊張しない・させない佇まいが気になった、塀の上をひょいと歩けなくなった、帰宅するとPCを開いてカエルの声を聞いてなかった、木に久しぶりに抱きついた、ダンスのWSになんて出るつもりはなかった、など座談会にて。僕のしゃべり方は、声と息が混じっていると、俳優のとりさんが教えてくれた。
昼ご飯:サンバル・ゴレン・テンペ(イウィンさん作)テンペとピーナツを素揚げ。ニンニク、唐辛子、ダウンジュルック(こぶみかんの葉)、ヤシ砂糖(無ければ黒砂糖)とともに、テンペとピーナツと一緒に少量の油で炒める。あれば、小魚を加えても。しっかり炒めれば出来上がり。ご飯に合います。
4月24日
1日目のWSは長い即興になり、最後はいい時間が流れました。 2日目は沿岸部で津波被害を受けた施設にも行きました。WSでは外にも出てみました。10BOXの近くにも仮設住居がありました。ARC>Tの活動ブログ タムラミキさんが書いてくれました。
4月25日
お世話になりました。ああ、ビールだったんですね、いえお仕事だったんですね。また、行く機会をなんとか作りたいと思います。@jaga0721 肉体労働のあとのビールは格別かな。
濃い2日間でしたね。みかさんさんの木とのダンスは印象的でした。今度はジャワで?再会しましょうか。@MikasaChida 佐久間新さんとまる2日半一緒に過ごした。人とも人じゃないものとも繋がる面白さ。
深夜に帰ってくると、桜の香りがふわっとかぶさってきた。向かいの谷の黒い土の棚田からは、深くて澄んだカエルの声が。尾引さんに知らせようかと思ったが、2時を回っていたからね。
4月27日
骨折くらいはどうってことないと、親父はほっておいてくれた。木曜の彼はどんと向かってきて、殴ってくることもある。壁に打ち付けられるのをなんとかやわらげ、腹筋に力入れたり、抜いたりしてパンチを受ける。そういえば、クレムスではしたたかに殴られて血が流れた。ただただ踊りたいというメール。
学生時代の女友達が通っていた焼鳥屋で不良中年4人で飲んでいると、なぜか音の専門家の女性があらわれた。ダイビングの集まりだと。岸壁でダンスをしていると、海の底が見える時がある。綱渡りには綱があるとKさんがアドバイスをくれた。命綱はあるのか、ないのか。でも、空は飛べない。飛べるのか?
5月5日
ボルネオ島のようなスマルのような雲の上にスーパームーン。カエルが鳴いている、こころがざわざわしている。こころが鳴いている、カエルがざわざわしている。手前の田んぼからはアブクのような叫びのような響きが。ガスで滲んだ小さな蛍光灯が旋律になって並んでいる。全部とまったのか42年ぶりに。
5月6日
ワカサのミミ神社で王の舞を見た。男性が一生に一度だけ一人で踊る。二日間に渡って50分の舞を4回。赤鼻の面、赤い襦袢、赤いふんどし、大きな矛。天を仰ぎ見たかと思えば、膝を割って前屈みになる。そして、そこから内股なっていき、のけぞると女の姿が現れる。面を取った男性の顔は穏やかだった。
Hさんおすすめの民宿でおかみさんとしゃべっていると、親父が3月にカニを食べにきたことが判明。Hさんと親父にはなんのつながりも無い。どんな確率やねん。ダンスと自閉症というかすかな線が見えるが・・・。原発銀座のど真ん中。建設中の高架道路の巨大橋脚がミミ神社のど真ん中を突っ切っていた。
5月8日
家庭訪問。先日あった参観後の懇談で「おうちでお子さんはどうですか?」と聞くので、苦し紛れに「マリモにエサをあげてます。」と答えました。我が家に来るなり「マリモちゃんは?マリモちゃんは?」と女の担任の先生。小さいビンに入ったマリモと水のようなエサとエサやり用の注射器を見せました。
ワカサで入った温泉でブナの背中をマッサージした。毎朝50分の登校。歩くのはしれてるが、荷物が重い。最近は、もむともみ返してくれる。ああ、僕もこっていたのか。少しだけど。肩こりはしないと思い込んでいた。先生の夢は、退職後に絵本をつくることらしい。そんなに話すことはないみたい。
5月12日
今日は、大阪の空掘商店街で踊ります。僕はジャワ舞踊を、イウィンさんはブタウィ舞踊。「Cantik」という店の前。路上舞踊ですので、タダです。インドネシア語を習いにきているチャーリーさんに頼まれたんです。商店街のお祭りで、僕らは14時30分頃からです。
5月13日
坂になってて面白かったです。さすが上町台地。坂でジャワ舞踊するのはめずらしい。明日も空掘商店街のイベントは続きます。落語もあります。町家カフェとか昔ながらのおもちゃ屋とかいろいろ楽しいですよ。@swimmy_y 谷町六丁目近くの方ぜひ!
天の柄杓からこぼれた銀の玉が遠心力に乗って水の上をすべっていく。音は途切れること無くやや宙に浮かんでる。時折腹が鳴るような、咳を払うような、つぶやくようなのが混じる。昨日は半分の月が出る頃に帰宅すると、きんとした冷たい水の中ですぼめた口から浮かび出る泡のような響きだったのに。
19日にカエルオールナイトピクニックをしようと思います。飲んだり食べたりしながら、時々外へ出て、夜の田んぼをピクニック。朝方には、奇跡のアンサンブルが聞こえるか。2年連続で雨だったけど、今年は晴れますように。
5月16日
帰ってくると食卓に、anak9, cucu49, cicit70, canggah22と学級通信の裏にメモ。やしゃ孫が22人。この間92歳で亡くなったイウィンさんのおばあさんのこと。ウォノサリの山奥でトウモロコシやキャッサバと暮らしていた。日本人と結婚するのを反対していたなあ。
今日はデワスギさんと練習。奥さんのキョーコさんは、卒業旅行でバリへ行って以来、それからずっとバリで暮らしている。こどもが日本の中学で勉強したいと言うので、今年からは行ったり来たりの生活とのこと。デワスギ、大西由希子、住吉能枝、野村誠、佐久間新で6月9日に豊中で公演をします。
ひいばあさんが91歳までキャベツを切っていたお好み焼き屋は、今はばあさんの妹が切り盛りしている。ガンの手術をするので店は火曜から休業。焼きそばを混ぜる手つきの柔らかさ、メリケン粉に水を混ぜていく時の真剣な顔。天気によって同じ分量で混ぜてもうまくいかないそうだ。復活して欲しいなあ?
5月23日
ブナと登校中に観測。豊能町はちょうど限界線が横切っていた。結局光は、髪の毛一本分で輪にならなかった。燃えたぎる光はそのわずかな隙間を飛び越えられなかった。僕らが南へ走ったらつながったのだろう。影は近づくとひっつくのにね。黒い月を、いつもは見えない月の裏側を見てたことになるのか。
5月24日
指でも、中指と親指で輪っかを作ると、つながった瞬間に何かが流れはじめる。太陽の場合は、もちろんものすごく離れた月の影になっているだけ。それでもつながった瞬間に何かが流れはじめる。見ている人の中にも。何千人もの人の。あっ月は、裏側じゃないですね。新月だって、ほんとは空にいるのよね。
「うちのはは」というのはジャワのイブ(お母さん)のこと、「おかーさん」というのはあなたののイブのこと、とイウィンさん。おかあさんの「あ」にすこし念押しのようなためとアクセントと、気持ちの含みが込められる。パートのおばさんたちにもまれてるからねえ。
6月17日
時折風が吹くと瓦の間から土がパラパラ落ち、家がミシッと揺れる。土壁のにおいが漂う。葉っぱだらけの木が根っこごと震わされる。オレンジの光が滲んだ靄の底でカエルの声が響いている。山が鳴り続けている。靄が晴れてくる。
6月18日
隣のおばあさんに頼まれて、庭のタマネギの収穫に。100個ほど引いて20個ほどもらった。ついでに屋根の上に1本だけ伸びていたイタドリも抜いた。植物が動物のように蠢いている。防火水槽の上の桜と柿の木にモリアオガエルの卵。緑に覆われていく、包まれていく、爪の先からは土が忍び込んでくる。
今日の第1ポイント ひっそりした田んぼの畦にみっつよっつつつましく飛び交っててる。第2ポイント もう少し大きな川沿いの大きな木の木陰に鈴なり。時折一斉に瞬いたりしている。土曜日にピクニック第2弾をしようかと思っているんだけど、台風が来るし、どうなりますか?
6月21日
緑のオイルと10円玉を持ってイウィンさんが呼んでいる。背中に塗ってコインでこするkerokanという民間療法。背中を触るとその日に効果があるか無いかは大体分かる。真っ赤になる時は効果があって、暖まってうっ血がすっと取れる。マッサージと組み合わせてやったので、今はすーすー寝ている。
6月22日
@swimmy_y ありがとう。すっかりすっきりしたみたいです。引きはじめが肝心ですね。このオイルは香りもいいし、すぐれものです。
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