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即興の場@芦屋美術博物館
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神戸新聞2011年8月7日

8月6日
芦屋市立美術博物館で即興パフォーマンス「うまれる」。
ダンス:佐久間新、奥谷晴美。音楽:ジェリー・ゴードン。衣装:堀井拓也。制作:たんぽぽの家。

大変な公演になった。バルコニーで、ジェリーさんの音に合わせて、ゆっくりと舞い、優雅にカーブする階段を下りて行った。車いすの晴美さんに近づいて、ダンスで誘いかけるが、反応が薄い。車いすを押したり引いたり、晴美さんにもたれかかったり、離れてみたりするが、あまり反応がない。おとといのような。

一瞬、バルコニーの上から見た様子が頭をよぎる。たんぽぽのスタッフのふたりが車いすに駆け寄っていた。何かあったか?なんてことも冷静には考えられない。なにしろ三方どころか、2階の回廊からもお客さんが見つめている。じっと見つめている。でも、あるところで、ああ、今日はおとといとは違うんだ。とにかく晴美さんに、一緒に踊りたいってことをもっと真剣に伝えないとダメなんだと、思うようになった。

どう見せたいとか、どう踊りたいとか、スカートがどうだとか考えるのを止めた。コミュニケーションがしたい、関わりたい、つながりたい、ただそれだけを思って踊った。晴美さんの手が、すこし動いた。指と手首が少し。そして、腕がすこし上がった。このまま踊りスイッチが入ったかに思えたが、まだかすかな感じ。少しずつ行くしかない。そして、ついには、晴美さんが笑い出した。僕もおかしくなった。お客さんも笑った。

終わったと同時に、晴美さんはすっきりとした顔をしていた。何人もが晴美さんのところに駆け寄っている。みんないい顔をしている。僕のところには、緑色の服を来た男の子が近づいてきた。「おにいちゃん、かっこよかったよ。」と握手を求められた。「この子、こんなことを言うんだ。」って、お母さんがびっくりしていた。


二日前に、たんぽぽの家で最後のリハを行った。衣装をつけて、ジェリーさんも一緒に。晴美さんは、絶好調だった。踊り、笑い、演奏もし、歌も歌った。最後には、立ち上がって車いすに乗った僕を押してくれた。思わず、衣装の堀井さんが涙ぐんでしまうくらいのパフォーマンスになった。僕とジェリーさんは、「このイメージにすこし引っ張られたよね。」と感想を言いあった。即興パフォーマンスの難しいところ。いいイメージを持つのはいいけど、トレースするのはよくない。無限の選択肢を、一瞬一瞬に感じながら、結果的にそのイメージにいたるのはいいんだけれど、追っかけてはいけない。

そういう意味では、トレースしようとしていた僕らに対して、晴美さんは正直だった。その場を生きていた。大勢の観客の前で、純白のドレスを着て、「いって」しまったのだ。何度も一緒に舞台を踏んだとはいえ、デュオは始めてだった。僕が、もっと気を使うべきだったと、反省している。もっと他のはじまり方があったはずだ。今後も、晴美さんとはパフォーマンスする機会があるので、次に生かしたい。でも、晴美さんのことだから、きっとまた僕の予想を超えたなにかをしてくれるんだろうけど・・・。

満員の聴衆の前で、予想外の状況に立たされるのは、とても苦しいことだ。これまでも、何度かそんな場に立たされて、死ぬ思いをしてきた。それでも、そんな切羽詰まった状態で、からだと直感と経験を最大限に使ってやるのが、僕のスタイルなのかもしれないと思いはじめている。そんな場が立ちあらわれるような場を作ることが、パフォーマンスにとっては大切なのかもしれない。あんまり言い過ぎると、また自分で自分の首を絞めてしまうなあ・・・。
(佐久間新)
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