Gamelan Marga Sari -Blog-

*ガムラン マルガサリ*のメンバーによるブログです.
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寄せ場と原発もつながっている
3月14日
14時30分、大阪市立大学でコンサートの打ち合わせ。スペース天から楽器を運ぶので、軽ワゴンで本間さんと移動。18時30分、西成ブラザへ楽器の搬入。ラッパーのシンゴ☆西成さんも来る予定だが、連絡の行き違いがあって、彼は船場アートカフェへ。釜ヶ崎ダンサーズのマエダさんとマッちゃんは来ている。マッちゃんは、前回の練習に参加できなかったので参加をあきらめていたが、どうやら踊りたいらしい。シンゴさんがだいぶ遅れて到着。いろいろあってなんだか重たい雰囲気。

シンゴさんとのセッションの部分を練習するが、「こんなんだったら、 僕は入らん方が・・・」と、彼はノッてこない。練習時間はタイムオーバーだし、空気は重たいし・・・。あと1回だけやろうって言って、 最後のセッションをもう一度。僕は、意識的にダンスで分かりやすく音楽に合図を送った。音楽が少し流れ始め、ダンスと一体化し始めた。気づくと、シンゴさんがラップをはじめ、マッちゃんがインドネシアのタンバリン片手に踊り始めていた。上田カナヨさんとイタリアの劇団チームも部屋に
入ってきた。なんとかいい感じで練習終了。即興やコラボって、ほんとスリリング。ドキドキヒヤヒヤですが、大興奮です。

3月16日
10時にココルームでマサオさんと待ち合わせ。少し早く着いたマサオさんが携帯電話で「もう着いてます。」と連絡してくれる。僕も早く着いて新今宮の駐車場にいたので、すぐ合流。ココルームからすぐの西成プラザへ移動。大きい方の部屋では、イタリアから来ている劇団のマッシモさんたちが練習しているので、小さい方の部屋へ。まずは、机と椅子を移動して掃き掃除。

イタリアの即興仮面喜劇コンメディア・デッラルテの流れを汲むフラテルナル劇団のマッシモさんのワークショップが始まった。練習を中断して、マサオさんと見学。まじめな労働者、怠け者の市民、エッチな権力者(ベルルスコー二みたいだとマッシモさん)、無責任な知識人といったキャラクターを、皮でできた精巧な仮面を付け替えてマッシモさんが演じ分けて行く。下半身の重心の落とし方や力の入れ具合でキャラクターが変わるのがおもしろい。

マサオさんと小さい部屋へ移動。前回は、組合のさらに小さな部屋で立ったままからだを動かすワークだったので、今回は、もっと動こうとやってみた。でも、ふたりともダンスを意識しすぎてちょっとぎこちない感じになった。しばらくやっているうちに、少し思い切って、マサオさんのからだに僕のからだを沿わせてみた。それがしっくりきた。すこしずつ体重をかけたり、おんぶをしてみたりした。ふたりのからだが会話をはじめた。マサオさんのからだは、開いている感じがしたが、一方
で確固たる自分のペースを持っている感じもした。だんだんと、マサオさんも乗ってきた。いい感じ、いい感じ。

ココルームからスタッフのみんながランチのケータリングを運んでくれる。ハヤシライスとサラダ。イタリアチーム、釜ヶ崎ダンサーチーム、みんなでご飯。マエダさんとマッちゃんも来ている。4人で、衣装の話し合い。僕が家から持ってきた服をいろいろ合わせてみる。衣装以外でも気に入ったのがあれば持って帰ってもらおうと思って、いっぱい持ってきた。そして、そ
のまま、西成の街へ買い物に出かける。職人の店で、靴やズボンを買う。

マエダさんは、マッシモさんとの練習が楽しかったようだ。パントマイムや芝居を少ししたことのある彼は、意味やストーリーを伝えることに興味があるようだった。父親に障碍があったせいで、小学校の頃にできないというレッテルを張られ、自信を失ったそうだ。おとなになって、クレーン免許を取ることができ、そのコンプレックスから少し解放されたという。今は、手仕事が好きで縫製の小さなお店で働いている。しかし、貧しいドヤ生活では、寝ているときに盗難にあったりするせいで、大事なものを始終腹に巻き付けて生活をしている。なので、風呂や着替えもままならない。当然、においもする。舞台衣装に着替える前に、銭湯に行こうとすすめたら、鍵の着く部屋で着替えることができるならという条件付きで賛成してくれた。マッちゃんもマサオさんも喜んで、4人でコンサート前日に銭湯へ行くことになった。

マッちゃんは、障害者手帳を持っている。普通にしゃべっていると、何の障碍なのかはよくわからない。平成3年に釜ヶ崎へ来たらしいので、もう20年選手。そのせいか路上を歩くと、よく声をかけられる。酒場へ繰り出すまっきっきの頭のにいちゃんにも、「なんかあんのん?一 緒に行けへんか?」と、僕があまりしゃべりかけられたくないような人にも声をかけられている。この日は、やや色の抜けた紺の職人ズボン。職人ズボンというのは、僕が勝手に言っているだけだが、横にポッケの着いたズボンで、裾をしぼることができるタイプもある。マッちゃんのは、やや丈が短い裾をしぼらないタイプの職人ズボン。1000円くらいなので、釜ヶ崎の多くの人がはいている。黒のTシャツ、黒のフードの付いたトレーナーに、アディダスの黒のフードの付いたジャンパー。長髪をまとめて黒のキャップに入れている。顔はおばちゃんみたい。そしてマスク、それに白の軍手。カッコイイ!まさにラッパーではないか!

一方、マサオさんと言えば、長目で裾をしぼった濃紺の職人ズボンに、黒のハイネックの薄手のトレーナー、そして頭に白のタオル。ヘソがぐっと下がって、ややガニ股になっていて、仕事ができるって言う感じで、こっちもほんとにカッコイイ!白髪の無精髭の顔が、時折にやっと笑うと鼻の上にしわがいっぱいできて、シブいのだ。

マエダさんは、職人ズボンは似合わない。丸い敏捷な体で、分厚い器用な手をしている。もっと文系の感じ。大事なもんが詰まったメッシュのチョッキの上に、ネルのチェックのシャツ、そしてジャンパー。白髪で、やや垂れ下がった眉とやや離れ気味の目が、なんとも温かでかつ知的な風貌を作っている。風呂に入って、すっきりとしたシャツとセーターでも着れば、クラフトマンって感じでほんとにすてきだろうなあ。

衣装のイメージが決まった。それにしても、全然違う個性を持った3人が集まったものだ。ココルームへ戻って、こもれびカフェオレを飲みながら、前日と当日の打ち合わせをした。

3月18日
ブナの誕生日。家族でランチを食べて、プレゼントも渡してココルームへ。プレゼントはサッカー関係、最近サッカーの練習に通っているのだ。マサオさんは来ているけど、マエダさんとマッちゃんがいない。あれだけ確認したのに・・・。西成ブラザへ行くと、しばらくしてやってきた。なんでこっちへ来るの?マッシモさんと練習があるという。「あれっ!一緒にお風呂に行く
んじゃ・・・。」マッシモさんとマエダさんとマッちゃんと僕と4人でい ろいろ話し合って、マエダさんは仮面劇、マッちゃんはダンスをすることになった。マサオさんは、もちろんはじめからダンスのみ。

しょうがないので、そもそものきっかけだったマエダさん抜きで3人で銭湯へ。女風呂のない銭湯。女性客が少ないので、壁を取っ払ったらしい。釜ヶ崎は男社会、ひとつ道路挟めば飛田新地は女の世界。普通の2倍広々とした浴室でのんびり風呂につかる。いろんなからだのおっさんが入ってくる。はだかには個性があるなあ、誰と踊っても面白そうだなあ。

18時30分に大阪市立大学到着。楽器の搬入が終わって、これからリハというタイミング。照明さんと音響さんと舞台監督もいるので、進行中心のリハ。中でも、今回の公演では、映像を使うことにしていたので、その調整にも時間がかかった。本間さんと僕が映像の担当だった。「アートと生活」をテーマに、メンバー相互に担当を決めて、取材を行った。例えば、僕は自宅とその周辺で、家高さんにインタビューを受けた。4時間以上のロングインタビュー。そして、僕はバミオこと西岡美緒さんの取材を、彼女の自宅のグランドピアノがある居間で行った。ピアノの下には、グンデルやガンバンがあるのだ。メンバーの人数分×数時間=何十時間 のインタビューを、ひとり2分程度に編集して、3、4人分ごとの映像に分けて、冒頭、中頃、終盤で上映した。

冒頭の映像の後、マサオさんと僕とのデュオダンス。赤い袴ズボンと黒のタンクトップに着替えたマサオさんは立派な舞踏家のよう。舞台上でも、確固たる自分のペースを保っている。舞台や客席ではじめて見たメンバーたちはちょっとびっくりしていた。中盤の映像、声とガムランの部分。終盤の映像、声とガムランとダンスの部分。なんとかかんとか21時の完全退出に間に合った。

3月19日
14時からコンサート開始。インドネシア総領事や中川真さんの挨拶があったので、終了は16時頃。マルガサリにとっては、なかなかチャレンジの多い公演だった。この公演はDVDが作られるらしいので、詳しくはそちらで。また、イタリアチームの公演も含めた全体のテーマであるソーシャル・インクルージョン・オンステージでも冊子が作られるそうだ。

公演に見に来てくれた和田佳子さんの感想を載せておきます。和田さん、ありがとう。

・・・ ・・・

あと、ガムラン・クリスタルの印象、さきほど言い忘れた感じのすること、書きます。

音とコトバと踊りとウタと、全部が共存していて、しかも動いていく、波のように連なって、何もこぼさず、ほったらかしにしていない感じ。ぐわーっと押してくる波の勢い、それを真正面からかぶって骨抜きにされたままふらふら帰っていたら、自分はなんてガードが固いのだろう、というところに思い至りました。もっと強くなりたいなあと思いました。押し上げようとする力、がいっぱいこもっていたこと、すごくすごく伝わってきました。
何回も言いますが、よかったです、喝采喝采、みなさまに。

・・・ ・・・

そうそう、原発では釜ヶ崎などの寄せ場の労働者が数多く働いているそうです。
(佐久間新)
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