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Gamelan Marga Sari -Blog-

*ガムラン マルガサリ*のメンバーによるブログです.
警戒するからだ 油断するからだ
2月19日
臨床するアートというフォーラムを見に、たんぽぽの家へ。まずは、可児市文化創造センターの衛紀生さんが文化行政についての迫力ある演説。前に浜松で会った北川フラムさんもそうだったけど、おじさんたちは存在感があるなあ。
衛さんの公共ホールの使命などに関する考えが読める「館長の部屋」
http://www.kpac.or.jp/kantyou/index.html

続いて、小児病棟がミュージアムになる。病院と文化施設がどうアクセスできるか。大阪市大病院の丹後幾子さん、京大病院に入院するこどもの親たちの会「にこにこトマト」の神田美子さん、博物館から骨を借りてイベントをしたり、標本収集ボランティアをしている「なにわホネホネ団」の西澤真樹子さん、山梨大学病院小児病棟でも活動を行っている山梨県立科学館の高橋真理子さん、といった元気な女の人たちのパワフルな発表とディスカッション。

病院 病気のこども 骨 プラネタリウム

生と死に近い場所 からだと必死でつきあっているこども 生命の長い歴史が刻まれたもの そして 宇宙!

ああ、どれも刺激的です。骨を抱いて、星の下で踊ったりしたら!そこへどうやってこどもたちがアクセスしたらいいんだろう。そんなことを考えて、フォーラムの最後に感想を言ってみた、踊り付きで。ダンスでいろいろ結びつけられそう。

翌日は、「ケアに役立つ!? ダンサーはなぜ福祉施設に向かうのか」というタイトルでしゃべることになっていた。なぜ向かうのか、と問われても、困ってしまう。誘われたのだから・・・。でも、なにか気になる場所であることは確かだ。そう思って、自分自身がこころ踊らせてダンスをした場面を思い返して拾い上げてみた。そのいくつかは、当日の冊子に載せたのだけれども、なにか共通点がありそうだった。コミュニケーションが切実な場所。

その場、その時、そこに関わる人や場所と、なんとかしてコミュニケーションを取りたいっていうのが、僕の場合はダンスの出発点になるのかもしれない。関わってみたい、話をしてみたい、一緒に動いてみたい、一体化してみたい、と思ったときがダンスの始まりなのかな。

フォーラム終了後は、アートセンターHANAで交流会。春巻き、のり巻き、肉料理など、いつもながらのおいしい食事を食べながら、いろんな方とおしゃべり。楽しい時間だなあ。ひょんなことで再会した高校の同級生、僕にとっては陸上部の村田さん、今は鳥と海というダンスのような名前になった鳥海直美さんと山梨県立科学館の高橋真理子さんが親しい友達っていうことも分かったり、次々と縁がつながって行く。ジャワ舞踊は月や太陽や星とも関連があるんですよ、ブドヨっていう女性9人の舞踊は星座とも関係があるかもしれないんですよ。その謎解きをする企画ができるかもしれませんね・・・、などとおおいに盛り上がった。高橋さんからは、今日になってメールも届いた。プラネタリウムでとても興味深い活動をされている。
プラネタリウム番組 「オーロラストーリー ?星野道夫 宙との対話?」というのを制作したそうだ。
http://malicosmos.exblog.jp/15046611/

2月20日
8時すぎに、JR茨木市駅で砂連尾理さんと待ち合わせ。9時にたんぽぽの家に着いて控え室の和室へ行くと、西川勝さんと細川鉄平さんがすでにくつろいでいた。どうやら昨晩は二人で飲んでいた模様。すこし打ち合わせ。

細川さん、砂連尾さんに続いて僕という順番に。順番を待っていると、僕の伝えたいことは、言葉だけじゃなくってダンスで伝えた方がいいんじゃないかという気がふつふつと湧いて来て、この会場の空気をゆっくりと味わいながら、緊張感とすこし肌寒い感じとをからだにたずさえてゆっくりダンスしながら壇上へあがった。ほとんど動かないダンスにも見えないだろうダンスをしていることを言葉でも自分で実況中継しながら、しばらく会場の空気を味わうダンスをした。即興とコミュニケーションが、僕のダンスにとっては一番大事で、それが感じられる場所でダンスしたい、ということを伝えたかった。その後で、2007年に京都文化博物館でやった伊藤愛子さんとウォン・ジクスーさんとの即興パフォーマンスの映像を上映した。

壇上から戻ってくると、仙台の演劇の中心地10―BOXの八巻寿文さんが、「佐久間さん、生活やっていけるの?」といきなり聞いてきた。「それが問題なんですよ。」とすかさず返すと、なにも言わずに笑って消えて行った。

昼休みは、宮城教育大学の先生で即興ダンスをしている里見まり子さんとアーティストとこどもの出会いの場を作るARDAの理事長の並河恵美子さんとたんぽぽの家の中にある食堂でおしゃべり。里見さんの名前は、2年前にオーストリアのクレムスのフェスティバルで一緒になった赤間涼子さんから聞いていたので、やっと会えましたね、と。インプットの即興とアウトプットの即興があるんだというドイツで学んだお話を聞く。

午後から、八巻さん、女子美術大学の梅田亜由美さん、埼玉県の障害者芸術担当の役人に見えない役人の渡邉和貴さんが公共施設のアクセスのしやすさに関する発表をし、エイブルアートの太田好泰さんの司会でディスカッション。最後には、衛さんがすこし吠えた。

すべてのプログラムが終わって、カフェで名残惜しく、談笑。フェルデンクライスや即興をしている小林みゆきさん、即興で絵を書いているユイ・ステファニーさん、九州大学で演劇ボランティアをやっている森山淳子さんたちと。八巻さんと教員や海外ボランティアを経て演劇やっている千田みかささんが最後にやってきた。

八巻さんは、現代美術家なんだけど、それで食えないので、照明なんかをやるようになり、今では10BOXの工房長になっている。千田さんから、「壇上での佐久間さんは、障がいある人のたたずまいのようでしたよ。警戒感を抱かせず、すっと他人に入り込んだり、入り込ませたりする感じ・・・。」と言われた。でも一方で、午前中のディスカッションのときは、鉄平さんがしきりに、「佐久間さんは危ないですよ、何をするか分からないから、警戒するんですよ。」と繰り返した。

この二つのことは、僕の中では矛盾しない。でも、そのことをなんとか言葉にしてください、と千田さんに頼まれた。3月は、「言葉から身振りへ」というフォーラムがある。それに向けて、ダンスと言葉について考え始めている。

この後、奈良から船場へと向かった、けれど夜のピクニックのことはまた次回。
(佐久間新)
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