Gamelan Marga Sari -Blog-

*ガムラン マルガサリ*のメンバーによるブログです.
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音の力,そして、聴衆の力
7月11日
みんぱくでマルガサリのコンサート。ゲストはたんぽぽの家のメンバーとYangjahさん、特別出演にロフィットさん。

プログラム
・SANZUI 前編 (監修:佐久間新
・ドン・テ・シペシ (即興パフォーマンス)

休憩

・ロンドン・アリッ (ジャワ古典曲)
・For Gender (作曲:David Kotlowy)
・スカル・プディアストゥティ (ジャワ舞踊 佐久間ウィヤンタリ)
・SANZUI 後編 (監修:佐久間新)

最初のSANZUIでは、階段落ちをやった。からだが水のようになり、階段を滑り落ちていく。完全に水にはなりきれなかったので,すねに少し血がにじんだ。舞台の平面まで落ちていって,生き返って,ドン・テ・シペシへつなげた。即興パフォーマンスだけど、ここだけは決めていた。たんぽぽのナリミさんがいい感じで客席から登場した。その後,たんぽぽの晴美さんが車いすで出て来て、存在感を示した。と、すぐに虫さんが晴美さんのぬいぐるみを取り上げた。ここのところ、こころに悩みを抱えて苦しんでいる虫さんのパフォーマンスは混乱をもたらした。虫さんはほとんど練習に参加していなかったこともあり,やや想定外な展開に、舞台がねじれていく。しかし、即興は即興、なにもかも受け入れなければならない。しかし、虫さんがあくまでもマルガサリのメンバーとして登場したので,観客にはその混乱が分かりにくかったかもしれない。

中村のびるさんの公開日記のコピーです。

・・・ ・・・

7月11日、大阪・千里の国立民族学博物館(通称みんぱく)で、「侵蝕するガムラン」という企画イベントがあった。ジャワ島中部のガムランを「メディア」として活動を展開するグループ・マルガサリが、ジャワの伝統曲、現代作品などを演奏。さらに、障がいを個性としてとらえてアートの分野で活動している奈良の「たんぽぽの家・アートセンターHANA」とのコラボレーションによるパフォーマンスを紹介する――とチラシに書かれている。

会場に着くと、大人から子どもまで、ざっと300人くらいの観客が詰めかけている。たぶんこれまでにも何度か書いていると思うけれど、ぼくはマルガサリというグループがやってきたことに注目していて、ずいぶん刺激も受けてきた。それが、ほとんど何も生かされていないのが情けないくらいの気持ちでいる。でも、世の中そんな人ばかりじゃないし、特にこの日は観覧無料で、外も雨だし、みんぱくや万国公園に遊びにきたついでに、珍しい民族音楽でも聴いて、ちよっと癒されたりしてみるかというお客さんも、ずいぶん混じっているような気がした。
ジャワの特徴的なゆっくりしたテンポの古典曲で始めるのが常道だと思っていたら、最初の出し物は演奏者たちが頭の上に水の入ったボトルを載せて、2階からゆっくり降りてきて、楽器に触れる「SANZUI」というパフォーマンスだった。身体の芯を意識しながら歩き、水の波動のように身体を揺らし、その力だけで楽器を鳴らして音を出す。頭の上にボトルがあるから行動が制約されている。そう受け取れば、このひどく現代的なパフォーマンスも特異なものには見えてこない。正直に言えば、いわゆる民族音楽を期待してきた少なからぬお客さんが途中でいなくなるかと思っていたのだが、そうでもなかったのは頭上のボトルの効果なのかもしれない。小さな楽器の音に、みな聞き入っているようにも見える。

ところが、マルガサリの過激さはこれだけでは終わらなかった。続いて登場したのが、障がいのあるパフォーマー。ジャワで舞踊の修業をしてきた佐久間新さんは、そのナリミさんの巧まざる動きを引き出しながら、踊りとも遊びともいえない独特な表現を見せる。次に車椅子に乗ったパフォーマーが舞台に上がる。晴美さんにはマイクがつけられ、思いついた言葉を舞台で自由に喋る役が与えられている。その言葉に合わせて楽器の音を鳴らしたり、演奏者が自分の声で言葉を増幅させたりする。そこに、御中虫さん、Yangjahさんという舞踏家がからんでくるのだが、悪女のように振舞う虫さんは、晴美さんが大事にしている人形をむしり取り、さらに晴美さんを車椅子から引きずりおろして、それまで持ち去ってしまう。「痛いよ」と叫ぶ晴美さんの足を全員でマッサージすると、本人の機嫌が直ったので、見ているほうがちょっと安心する。その後、ひたすら楽器を叩いて音を出し続ける人が出てきて、どんどん音や動きの幅が膨らんでいって、ある瞬間にシュッとパフォーマンスが終わる。40分くらいあったかもしれない。
マルガサリは、障がい者の巧まざる動きや演奏から、奏者として身体表現者として学ぶものがあるはずだという考えで、5?6年前からたんぽぽの家に通い、「さあ、トーマス!」という即興的で魅力的な作品を作り出し、大阪や東京で公演している。今回のパフォーマンスもそのときと同じで、始めから終わりまで段取りらしい段取りも決めずにやった即興的なもの。ここで15分の休憩。

さて後半、どれだけの人が残るのかと思っていたら、減ったのは2?3割。そのまま残った人のほうが、はるかに多い。マルガサリ代表の中川真さんと、たんぽぽの家の岡部太郎さんによるコラボレーションについてのトークに続いて、ようやく伝統的な曲、伝統的な舞踊を見せる。最後はまた「SANZUI」の続き。無料コンサートとは思えない、約3時間半の濃いプログラムを見て、もう少しお客さんを信じてみようかなと、素直に思った。わかりやすかったり見栄えがよければ、それでいいというものではない。
一方で、この日の観客が何を感じ取ったのか、ぼくもちょっと話を聞いてみたいと思った。ヘビーな無料コンサートを企画したみんぱくも、面白い施設だ。イベントを企画したみんぱくの福岡正太さんも、スンダ地方(西部ジャワ)のガムランの研究者で、一見大人しそうに見えるけれど、実はそうでもなさそうだ。

この晩、大阪と京都との県境にある山奥の谷に住む佐久間さんの家に泊めてもらって、特にたんぽぽの家の人たちとのコラボレーションについて、さらにいろいろと話を聞いた。奥さんのウィヤンタリさん(やはりジャワ舞踊の踊り手として、この日も出演)は、朝方、南アフリカでの決勝を見るのだと、早々に寝てしまった。決勝ゴールの興奮は、翌朝のウィヤンタリさんの言葉で十分すぎるほどに伝わってきた。

・・・ ・・・

そういえば、つかこうへいさんが亡くなった。直接影響を受けたりはしてないけど、相当パワフルな人で,現場主義だったということを聞くと親近感がわく。役者のからだをもってすれば,階段くらい転げ落ちられるだろう。ダンサーのからだをもってしても,階段くらいは転げ落ちられる。落ち方はちょっと違うかもしれないが。

さてさて、なんとかかんとか前半終了。それにしても大変なプログラムである。ここまでで1時間近く。300人くらいの観客の多くが席を立つかもしれないな,と心配したが,ほとんどの人が残った。そして、後半へと続く。最後の最後にいいシーンが生まれた。SANZUIの終わり近くで、指に載せた菜箸で茶碗をちーんと鳴らすくらいの小さな音があらわれる。これだけの空間で、聴き取れるだろうかと心配したが,会場にいた全員が耳をすまし、この小さな小さな音を味わった。

野村誠さんのブログにも書かれている。
http://d.hatena.ne.jp/makotonomura/20100711#p2

音の力,そして、聴衆の力を再確認。見に来てくださったみなさま,ありがとうございました。
(佐久間新)

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