Gamelan Marga Sari -Blog-

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まるで綾取り
3月9日、シンポジウム終了後、「照明の音楽」と題するコンサートがあった。

第22回幻聴音楽会
「照明の音楽」
企画・構成・演出:野村幸弘
作曲:坂野嘉彦、鷲見祐司、長谷部雅彦
出演:片岡祐介、片岡由紀、永吉真弓、正木恵子、浜松ブラスバンド、ヴォア・ヴェール(合唱)、他

野村さんの幻想工房が主催する幻聴音楽会のシリーズが、この鴨江別館を舞台にして、フォーラムの一環として行われた。建物全体が作品なので、観客は向かいの旧銀行協会から見るのだ。道を挟んだビルの一室をのぞき見るような感じ。しかし、マイクで拾われた音は間近のスピーカーからも聞こえてくる。演奏家は、蛍光灯が点滅するビルの各部屋で演奏し、やがて姿を消す。最後は、演奏家たちが正面入り口からあらわれ、横断歩道を渡って、観客のいる旧銀行協会の狭い吹き抜けのロビーに入ってくる。観客と演奏家が集まった狭い吹き抜けのロビーに、コーラスとブラスバンドの響きが太い柱になって立ち上がった。

野村さんとは、I-Picnicで一緒に活動している。作曲の坂野さんは、岐阜のガムラングループ「スカルムラティ」にもガムランの新作を書いている。片岡夫妻とは何度も共演したことがある。今回の浜松アートフォーラムでは、いろんな関係の綾がつながっている。

演奏会終了後、旧銀行協会の1階で交流会。おいしい料理を食べながら、シンポジウムで僕のダンスに興味を持ってくれた方々と、腕をブラブラさせるミニワークショップの場になった。その後、近くの居酒屋で出演者とスタッフの打ち上げになった。

隣の席になった臨床心理士の笹田さんと話をした。野村さんが主催する岐阜大学芸術フォーラムにしばしば参加しているとのことだった。笹田さんは、障がいのあるM君と仲が良く、漢字に関するユニークなエピソードを聞かせてくれた。障がいのある人の持っている際だった個性は、関わる相手、時、場所によって、煩わしい問題にもなれば、新しい価値観を与えてくれるヒントにもなるし、とびっきり楽しい遊び相手になったりもする。今回の浜松アートフォーラムを主催する久保田さんも、障がいを持つ長男が実はユニークなアートの表現者であると、発想の転換をすることによって、すごく救われたそうだ。彼のユニークな音楽性を発見したのは、片岡祐介さんだった。

僕の父は、障がいのある子供と関わる仕事をしている。その話をすると笹田さんが反応した。
「わたし知っています。佐久間さんのお父さんを。」
ここでも、関係がつながった。笹田さんの先生は、僕の父に習っていたのだ。

月曜日の朝、ホテルのカフェの窓際で朝食を食べていると、突然ひょうが降ってきた。雨が上がった後、浜松楽器博物館へ行き、昼過ぎの新幹線で大阪へ戻った。夕方からは、マルガサリの練習があった。「桃太郎」のリハーサルである。野村誠さんと林加奈さんもやって来た。鬼と桃太郎一行が闘うシーンの再確認をした。このシーンは、あくまでも全編即興を貫いた方がいいだろう。即興し続けなければ死んでしまう戦場のようなシーンにしなければならない。そして、壮絶な戦いの後に立ち現れる最後は、

音の一生:音が生まれてから消えるまでをしっかり聞く 
聞くように演奏する音楽

そんな音の一生と音楽が生まれるシーンになればいいと、話し合った。

家へ戻ると、笹田さんからメールが来ていた。笹田さんの先生の奥田さんが、以前授業でこんな話をしていたという。

=====
佐久間先生は同じ話を何度もした。
しかも、いつも同じところで終わる。
同じ話を何度も何度も聞いていることも大事で、
あるとき、ふっとその意味がわかる。

「自分にピストルを突きつけられて“横にいるやつを刺せ”とナイフを渡されたときに、ナイフで刺す少年と刺さない少年のちがいは、どこにあるのか?」

「ナイフで人を刺す少年は小さい頃が勝負。わしは戦争ごっこがすきだったなぁ」

佐久間先生はいつもここまでしか言わない。
これはどういう意味かと自分で考えるしかない。
結果的に、先生のいわんとしていることは「まったく行動療法そのものや」と
自分は理解した…。
===================

どんな意味なのかは分からないが、こちらも戦いの話なのだった。
(佐久間新)
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