2.野村誠さんとマルガサリ?楽譜のない音楽
『桃太郎』の音楽監修をつとめるのは、作曲家の野村誠さんです。『桃太郎』の音楽は、すべて野村さんとマルガサリの協働創作によって生まれました。楽譜はいっさいなく、演奏者の記憶と身体のみに音楽が書き込まれています。こうした音楽の作りかたについては、野村さんとガムランとの最初の出会いにまで遡ります。
『桃太郎』の音楽監修をつとめるのは、作曲家の野村誠さんです。『桃太郎』の音楽は、すべて野村さんとマルガサリの協働創作によって生まれました。楽譜はいっさいなく、演奏者の記憶と身体のみに音楽が書き込まれています。こうした音楽の作りかたについては、野村さんとガムランとの最初の出会いにまで遡ります。
野村さんが初めてガムランを用いて作品を生み出したのは1996年。彼の初のガムラン作品『踊れ! ベートーヴェン』は、ガムランの本場インドネシアで行われた日本人によるコンサートツアーで演奏され、成功をおさめました。マルガサリのメンバーの一部が、この時に初めて演奏者として野村さんの音楽に出会ったのです。
野村さんの音楽の作りかたは、それまでガムランの現代作品に取り組んでいた私たちが親しんでいたものとは全く異なっていました。『踊れ!ベートーヴェン』は、野村さんが楽譜を作成し、それを演奏者が演奏するというスタイルではあったのですが、練習中に演奏者の意見が大胆に取り入れられ、どんどん姿を変えていきました。それはメンバーの一人一人にとって、作曲家の書いた譜面をただただ一生懸命に再現するだけでは味わえなかった、ガムランという楽器を用いた創作の楽しさを思う存分に味わうことができた経験でした。
マルガサリが発足した後、メンバーは2000年に『せみ』という作品を通じて、野村さんと再会を果たします。このとき私たちは彼に「楽譜を使わない作曲」を依頼しました。つまり、口頭伝承ならぬ口頭創作による曲作りをしようという提案です。それは、楽譜を見るという行為を省略し、できるだけ直接作曲者の感じていることを演奏者が受け取りたいという発想に基づいています。その結果として創作の方法をさらに変化させることになるため、作曲を作曲家まかせにしないで、演奏者一人一人も責任を背負うということにもなります。野村さんはマルガサリのメンバーともに即興演奏を繰り返しながら、その天才的な音のセンスをもって、音楽の種を発見していきました。そして機も熟し、いよいよ2001年から野村さんとマルガサリは、マルガサリ版『桃太郎』を作ることになるのです。
マルガサリ版「桃太郎」全5場
2007年8月21(火)?22日(水) 19:00開演(18:30開場)
@一心寺シアター倶楽
チケットご予約は コチラ
野村さんの音楽の作りかたは、それまでガムランの現代作品に取り組んでいた私たちが親しんでいたものとは全く異なっていました。『踊れ!ベートーヴェン』は、野村さんが楽譜を作成し、それを演奏者が演奏するというスタイルではあったのですが、練習中に演奏者の意見が大胆に取り入れられ、どんどん姿を変えていきました。それはメンバーの一人一人にとって、作曲家の書いた譜面をただただ一生懸命に再現するだけでは味わえなかった、ガムランという楽器を用いた創作の楽しさを思う存分に味わうことができた経験でした。
マルガサリが発足した後、メンバーは2000年に『せみ』という作品を通じて、野村さんと再会を果たします。このとき私たちは彼に「楽譜を使わない作曲」を依頼しました。つまり、口頭伝承ならぬ口頭創作による曲作りをしようという提案です。それは、楽譜を見るという行為を省略し、できるだけ直接作曲者の感じていることを演奏者が受け取りたいという発想に基づいています。その結果として創作の方法をさらに変化させることになるため、作曲を作曲家まかせにしないで、演奏者一人一人も責任を背負うということにもなります。野村さんはマルガサリのメンバーともに即興演奏を繰り返しながら、その天才的な音のセンスをもって、音楽の種を発見していきました。そして機も熟し、いよいよ2001年から野村さんとマルガサリは、マルガサリ版『桃太郎』を作ることになるのです。
…つづく…
マルガサリ版「桃太郎」全5場
2007年8月21(火)?22日(水) 19:00開演(18:30開場)
@一心寺シアター倶楽
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