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大卵焼き
 僕は卵焼きが好きだ。卵焼きでなくとも、オムライスや親子丼、タマゴかけご飯だって、ジョグジャの名物グドゥッの煮タマゴだって、大好きである。食べるだけでなく、作るのも大好きだ。中でも、卵焼き作りが一番のお気に入りだ。ダシを入れてもいいし、そのままでも、とにかくおおきなのを作るのが楽しい。

 僕は、毎年夏に、奈良県の十津川村へ盆踊りを踊りに行く。もうかれこれ、18年ぐらいになる。日本にいれば、必ず行くことにしている。それはそれは、すばらしい盆踊りがものすごい山奥の村、十津川村武蔵にあるのだ。今年は、NHKの取材班が来て盆踊りを撮影し、番組にもなった。その盆踊りに参加しないかと、中川真さんに誘われた(そそのかされた)若者や若くはない面々が村の青年会館に雑魚寝で泊まり込む。盆踊り合宿。早い人は、8月の最初から練習へ参加しにやって来る。12日頃から、付近の集落で盆踊りが始まるので、盆踊りのハシゴをしようと、日に日に青年会館の人口が増えてくる。温泉もあるし、川でも泳げるし、すごく楽しいのだ。

 そして、武蔵の盆踊りの当日である8月14日には、多い年は40人以上の中川組が村外からやってくるのだ。当日は、朝から櫓やノボリの設営、提灯の吊り下げなどが行われ、夕方には温泉へ行き、本番に備える。8時頃からゆるゆると盆踊りが始まり、12時頃には「大踊り」という無形文化財の踊りがある。そこで一旦中入りし、ビールやお酒を飲んで、そして、もう一踊りと言うことになる。年によっては、明け方までわいわいすることもある。
 そして、翌日の朝食である。僕は、十津川へ行くと炊事班に入る。この15日の朝食に、大卵焼きを作るのが恒例になっている。というか、勝手に恒例にしている。こんなに人が集まって、朝食が待望されている機会というのはあまりない。

 この時に僕は、タマゴをドーンと20個使って、大卵焼きを作る。

 5個6個目なんか、ものの量ではない。10個だって、全然余裕余裕。15個を越えた辺りで、いよいよ本気モードである。重量も大変なものだし、フライパン自体の大きさも限界に迫ってくる。

僕の卵焼きを作る手順

油を敷く
タマゴを投入する
奥のタマゴの下へ滑りこませる
奥のタマゴの下へ箸を入れ
フライパンを手前に返す
奥に油を敷く
タマゴを再び奥へ寄せる
手前に油を敷く 

 これを順番にくり返すだけだ。原理的に言うと、フライパンの半分以上の大きさの卵焼きは作れない。1回のタマゴ投入はタマゴ2個程度である。ラスト1,2回の時には、卵焼きはすでにフライパンの半分の大きさを軽く超えている。ここで、しくじることはできない。卵焼きは、途中で多少失敗しても、やり直しはきく。普通は、最後で失敗しても、卵を割り足して、仕上げればいい。しかし、20個卵焼きではそうもいかない。

 ラスト1回は、真剣勝負である。

 膝と足首のバネをきかせて、丹田を中心として、全身を軽く前後に揺する。タマゴの下に入れた右手の箸とフライパンを握る左手は、手前からこちらへ円運動を描くようにイメージする。何度か身体を揺すりながら、身体の振幅、右手左手の回転速度、タマゴの重量に対する力のいれ具合、タマゴの落下を柔らかに受け止める左手のイメージ、万が一の場合に修正を加えるためにいつでも動けるようにしておく右手のイメージ、などを無意識のうちに意識しながら、集中し、研ぎ澄ます。

 エイッ、フワッ、着地成功である。

 たまには、その一部が崩壊することもあるが、まあ、大体は成功する。およそティッシュの箱ぐらいの大きさになる。サクサクと横へ切っていき、縦一文字に包丁を入れると、自らの重さで卵焼きがぱっくりと口を開ける。

 卵焼きもまた、踊りの修行である。
(佐久間新)
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