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Gamelan Marga Sari -Blog-

*ガムラン マルガサリ*のメンバーによるブログです.
27年ぶり
中学の同窓会があった。豊中市立第14中学校。僕らの代は何期生だったか?途中で校歌や校則や生徒手帳が出来たので、まだまだ新設校の香りが漂っていた。卒業したのが、1984年だから、27年ぶり。

会場の場所をネットでチェックしたんだけど、うろ覚えで、千里中央をウロウロ。まあ行けば分かるだろうと思ったが、どこかわからない。唯一携帯電話番号を知っている元ラグビー部のしもじに電話するがつながらない。なんとなく会うのも気まずいし、帰ろうかな、と半ば本気で思う。が、1時間近くさまよった末、なんとか到着。居酒屋の奥の座敷へ入って行くと、4、50人程が座っていた。

みんなが、一瞬、こっちを向く。しもじがいる。彼とは、夏前に元ラグビー部6人で飲んだのだ。真ん中のテーブルに進んでいくと、態度のでかいのが、振り向いて、「俺、誰か分かるか?」と大きな声で聞いてくる。わからない。顔が間延びしているようだ。膨らんでいるのだ。「桂や、桂や。」と自己申告してくれる。ああああ、カツラか・・・。確かに、桂だ。仲の良かった桂くんだ、ひとりおとなみたいでガリガリで七三分けのしていた桂だ、二十歳を越えてからも何度か飲みに行ったことのある桂憲司だ。フルネームでごめん。

しかし、まわりは誰もわからない。四面楚歌、という言葉のごとく。ほんとに誰もわからない。向こうは当たり前のように、「佐久間くん、あんまり変わらへんなあ・・・。」とか、親しげに話してくるんだけど、全くわからない。背中合わせのテーブルへ振り返ると、にこやかな、穏やかな顔がある。「俺なあ、佐久間のブログ読んでんねんで。」なんでや、でも俄然、親近感が沸く。

んんん、このたれ目で、にこやかなのは、もしかして・・・。「ふじ」という字が、頭に浮かんでくる。藤原、藤田、藤山・・・、あああ、ふじっこだ。ふじっこ。名前は思い出せないが、あだ名が出てきた。しかしである、ふじっこは小柄だったから、フジッコのおマメさんで、ふじっこだったはずなのに、今僕の目の前にいるふじっこは、僕と同じくらい背が高くて、目は垂れているけど、しわがいっぱいあって、無精髭が浮かんでいて、すこし人生の苦渋が浮かんでいる中年男なのだ。中学ではなく、僕が肉体労働のバイト先か、自動車の修理屋か、消防団か、どこかでよく会うような人と同じ種類の中年男だった。

ふじっこの横のもうひとりが、「僕のことはわかるか?」と聞いてくる。目が小さくて、すこしおちょぼ口で、ほくろがある。荒木くんだ、ふじっことの並びでわかった。20数年前も、ふたりは隣り合っていたのだ。僕の脳の中でも、きっと隣にいたんだろう。前のテーブルには、女子がずらずらと並んでいた。

料理にほとんど手をつけないまま、みんな、近況や昔話をしている。ため口になったかと思うと、「上海に支店がありまして・・・。」とか、仕事の話になると、どうしても敬語が交じってしまう。みんなの脳みそも混乱しているようだ。それでも、1時間程座っていると、すこしずつ27年前の顔と、今目の前にある顔の間にあるミッシングリングが埋まってきた。ああ、こう変化するのか!と、ものすごく、脳が活性化している。

目の前に、マキちゃんが座っている。かわいくて目立っていたが、スカートはくるぶしまであって、かなりグレていた子。当時の僕は、桂みたいに、女子を下の名前でなんか呼べなかった。名字の呼び捨て。マキちゃんは、相変わらずかわいかったが、間に挟まっている何十枚もの写真を呼び出す必要があった。なんと元ヤンキー娘には、大学4年の就職活動をしている息子がいるとのことで、悩みを聞かせてくれた。自分は散々グレていたのに、こどもにはなかなか厳しいので、ちょっと息子の味方になってあげた。

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1次会が終了し、2次会へ。なんとカラオケボックス。こんな時間の千里中央には、他に空いているところも無いし・・・。ほぼ全員が参加した。二部屋とったのに、狭い狭い部屋に全員で入った。みんなが一緒にいたいのかと思うと、なんだか笑いと涙がこみ上げてきた。突然、さささっと、狭い狭い部屋の隙間を縫って、女子が数名出て行った。しばらくすると、ひとりが戻ってきて、「佐久間くん、ちょっと。」と、手招きをしている。わかんが、「メーちゃんが帰るねん。佐久間くん、まだ話してないやろ?」って。別に、つきあってた訳でも、好きだった訳でもないけど・・・。メーちゃんは、相変わらずというか、当時にも増してきれいになっていた。ちょっと研ぎすまされたような顔だった。東京で広告の仕事をしているとのことだった。僕は、笑い出したくなった。なんやねん、中学のママやないか。わかんが世話を焼いて、男子を廊下へ呼び出して・・・。

そういえば、僕は小学6年の途中で隣の校区へ引っ越したんだけど、卒業までの半年間、前の学校へ越境して自転車で通った。なので、中学には友達がひとりもいなかった。確か、入学式前に、団地の隣の棟に住んでいたわかんともうひとり女の子がやって来て、「サクマくん、サクマくんいますか?」と、団地の下から呼んでいたのを思い出した。

他にも、いろんなことを思い出した。というか記憶のふたが開きはじめた。卒業以来、ほとんどの人と交流が無くなっていたし、インドネシアへ留学してからは誰とも連絡がなかった。僕は、やくざな商売だし、みんなと会うのも、なんとなく気が引けていたこともある。中学って、こどもからおとなへ急激に変化するから、なんとなく自分でもその変化が怖くて思い出したくなかったのかもしれない。でも、もっとたまには会ってもいい気がする。この時、カラオケボックスにいた顔に、僕の中には、なんともいえない感情がわき上がり、からだが反応してた。ここにいる人は、自分の一部なのだ。大げさにいえば、この人たちの誰が欠けても、今の自分はありえないのだ、という事実が、僕をクラクラさせていた。
(佐久間新)

一昨年の正月に、高校の大同窓会があって、そこで踊った。それもすごい体験だった。
http://margasari01.blog63.fc2.com/blog-date-20100105.html

次は、小学校の同窓会かな?だれか企画しないかな?


この曲は、中学の何の時間だろう、掃除の時間か、昼休みにかかっていたような気がする。BGMにどうぞ!

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