Gamelan Marga Sari -Blog-

*ガムラン マルガサリ*のメンバーによるブログです.
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神様とセカバー
高速を飛ばして、駐車場に放り込んで、鳥居をくぐっていくと、提灯と焚き火に照らされて、たくさんの人だかりが見えた。拡声器から、「神様が通られたら・・・、みなさん・・・。」と聞こえてくる。そうだ神様なんだ。幸い一段高いところの正面のいい位置を確保できた。焚き火が消されて白い煙が上がる。白装束が動く。静寂の闇に笙の音が流れ出す。太鼓が空気とからだを震わせる。男たちの声が神様を取り巻く。音は筋になって、夜の森へ遠ざかっていく。

ところどころに落とされた松明の燃えかすを目印に、砂の道を進んでいく。わずかにざわめく人の川が流れていく。ネコ目の月の明かりに、コートやジャンパーのシルエットが浮かび上がる。夜の行進。小学校の高野山での林間学校、儀式の後のバリのバトゥカル山、ワヤンを探し求めて歩いたジャワのあぜ道・・・。そういえば、この間、近所のスーパーオアシスが停電していた時の店内。みんなでいるのに、静かで、いろいろ妄想が広がる。でも、まわりのみんなも妄想を広げているんだろう、と気づいた時の不思議。

何度か小休止をした後、森の奥の神社に到着。神様は、もう帰ってしまったようだ。ピチャッとおでこに水滴が落ちたかと思うと、雲が切れて月がのぞく。ちょうど舞が終わって、見上げると、オリオン座が見えた。毎年、この場所に上がっているのだろうか。今年で、875回目の儀式だと、神官が説明している。12月17日の0時に出かけた神様は24時間以内に戻らなければならないという。もうすぐ日が変わると僕の誕生日。42年前に生まれた僕は、最近、何度目かの誕生を迎えているような気がしている。セカバー、セカンド・バース!

帰りの高速では、カーラジオから大友良英さんのラジオが流れてくる。KBS京都、なつかしいなあ。中学生の頃、KBSの深夜ラジオをよく聞いてたなあ。ちょうどその頃の1984年に、ドイツ人ミュージシャンが舞台上で京劇のオープンリールテープを切り刻みながら、いっぱい並べた楽器を好き放題演奏するという曲が流れはじめた。なんと16分!こんなのを聞いている中学生がいるんだろうなあ。飛ばしすぎないように飛ばして、なんとか帰宅。少し、興奮している、いい1年がはじまる予感。
(佐久間新)
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白菜大4玉のしあわせ
12月13日
ブナを送り出した後、キムチ作りの下準備。ここ数年、イウィンさんは、干し柿を作っている。去年は、100個以上作った。今年は、柿の成りが悪く、30個ほど。そして、それを冬の間中、お昼ご飯の後に食べるのだ。冬ごもりする動物が栄養を蓄えるみたいな感じで、実においしそうに食べている。それに張り合うわけではないが、かねてからHIROSさんが誘ってくれていたキムチ作りをすることにした。彼はインドの笛吹きだが、ホームページにはおいしそうなレシピがたくさん並んでいるのだ

http://sound.jp/tengaku/index.html

日曜日の朝市で買った白菜大4株を切る。風呂場で、白菜の葉っぱ1枚1枚に塩を擦り込んで、漬け物バケツに並べていく。家の前から、大きめの石を拾ってきて、載せる。アミや韓国産の唐辛子は、HIROSさんが神戸の朝鮮食材店で買ってきてくれるとのことなので、野菜や薬味などを買い出しにいく。夕方、つけ込んで10時間経ったので、バケツの白菜を上下入れかえる。水がたくさん出るとのことだったが、やや少ない。イマイチ漬かり具合が浅いのかも・・・。少し塩を足して、再度石を載せる。

マルガサリの練習を抜け出して、京都での非常勤講師の授業を終えたHIROSさんを、亀岡駅まで迎えに行く。天へ戻って、ガムランの練習を見学。西田ゆりちゃんの提案で、ジャワ語の歌詞を適当な日本語へ置き換えて歌ってみる、というのをやっていたのだけどなかなか面白い。また次のコンサートで発表すると思います。練習後、家へ戻って、「最近は、お酒をあまり飲まない・・・。」とかふたりで言いながら、中国の岩茶を飲みつつチョコレートをつまんで、おじさんふたりで遅くまでおしゃべり。

12月14日
とても暖かい朝。おそるおそるバケツを覗き込むと水が結構たまっている。なんとか漬かったかな。でも、不安だったので、もう一度、塩をふって上下をひっくり返す。HIROSさんがようやく起きてきた。目覚めのコーヒーを入れ、白菜を吊るす作業にかかる。水を切るために、干すのだ。家の前の物干にずらっと白菜が並ぶ。一緒に漬け込む大根を切っていると、「まだ早い、早い。」とキムチの師匠。焦りは禁物、じっくりと干さなければならない、ここが一番大事だぞ、と言うことで、ぬるま湯ダンスのグヌン・ランギット・ラウト温泉へ出かけることにした。午前中だったからか、おじいさんがいっぱいだった。

温泉帰りに近所のタマゴ屋さんで、ニンニクと昼ご飯用に厚揚げとかつお菜を買って帰宅。ようやく、白菜はいい感じになっているが、まだまだ焦らない。ちょうどイウィンさんもパートから帰っていたので、3人で昼食。それから、ようやく漬けダレのヤンニョム作り。「秤はどこ?」「ないんですけど・・・。」「えっ、」師匠に怒られました。「材料の配合が絶妙なのに・・・。」反省です。次回までに買っておきます!ここに越して以来10年間、我が家では秤も計量カップも使ったことがなかったのだ・・・。気を取り直して、ニンニク、ショウガをすりおろす。ネギ、ニラ、タマネギを切る。いりこ出汁を取る。餅粉と唐辛子を混ぜ、アミを加え、しんなりした大根に絡める。そして、それら全てを混ぜ合わせる。そしてついでに、食べていた干し柿やリンゴも投入し、ヤンニョム完成。おお、これだけでもおいしそうだ。

居間に新聞紙を敷いて作業場を作る。白菜の葉っぱ1枚1枚に、ヤンニョムを擦り込んでいく。最後は、外側の葉っぱで巻いて、バケツに並べていく。ふたりでやったので、意外とすぐに完成。落としぶたをして、ちょっと軽めの石がいいというので、ジャワからもって帰ってきたチョベック(石製のすり鉢)を載せる。5日ほどして、水の中から泡が浮いてきたら、発酵がすすんでおいしくなっているとのこと。段々酸っぱくなっていくが、一冬食べられるという。ああ、楽しみ楽しみ。


HIROSさんは今年還暦、僕より18歳年上だけど、二十歳の頃から仲良くしてもらっている。プロの笛吹きだけど、料理の師匠になったり、音楽プロデューサーになったりしながら、貧乏絶暇状態!とかいいながら、結構優雅に暮らしている。僕もダンスをしながら、奇跡の連続で毎日綱渡りの生活していて不安になる時もあるけれど、HIROSさんの存在が灯台のように感じられる。まあ、18年先まではなんとかなるだろうと。人生これアートである。キムチ作りも、お金がなくても優雅に、アートやダンスにあふれて暮らせるコツのひとつだろう。
(佐久間新)
ぬるま湯のダンス
12月10日
未明に、イウィンさんの弟アンバルの奥さんネニーが出産した。女の子で母子とも健康とのこと。まずは、一安心。アンバルに、こどもの名前をつけるように頼まれていた、日本語で。あれこれ考えたんだけど、ナラにした。奈良ではなくて、楢、木のナラ。ブナ科だし、ちょうどいいかなと。ブナのいとこだし。フルネームは、Zeeba Nara Neaとのこと。ナラちゃんと呼ぼう。

こんにちは、ようこそ!ナラちゃん!

今日は、これといった用事もなく、イウィンさんも午後から暇だったので、近所の温泉へ出かけた。前から気になっていたちょっと怪しい、というか不思議な温泉。我が家から妙見山を越えて西へ車で15分。道沿いに、さりげなく温泉マークの看板がかかっている。名前は一応インドネシア語にしておきます。グヌンGunung・ランギットLanggit・ラウトLautという意味の漢字3文字。駐車場に車を停めて、看板の指示通りに、川沿いの杉木立を歩いていくと、寂れたプレハブ風の建物が数棟建っている。小さな食堂のおばさんに声をかけると、自販機でチケットを買えとのこと。700円、いい値段。湯治客用らしきプレハブを越ると、いよいよ温泉の棟に到着。ここもあくまでもプレハブ風、服を脱いでプラスチックのかごへ入れて、中に入ると先客は3名。いずれも5、60代か。

湯船はふたつ。40?43度と32?36度。どちらも3人入るといっぱい。まずは、熱い方へ入る。ううう、気持ちがいい。昼間の温泉は最高だ。窓からは、葉が落ちはじめてすっきりした山と小川が見える。温泉の管がむき出しでめぐり、浴槽はコンクリート、必要なものはあるし、必要でないものはない。よく言えばシンプルで、ちょっとジャワの安宿みたいな感じ。ふたりずつ浴槽に入って、ちょうどいい大きさ。ぬるい方のふたりは、コンクリートの浴槽にあたまをもたせかけて、完全に寝ている。いびきをかいて、こくりと揺れると口に水が入りそうになって、起きる。なかなかの温泉達人。これぐらいリラックスしたいなあ、と思いながら入っていると。熱い方のひとりが、からだを洗いに上がった。

僕は、長方形の長い方の辺に平行になるようにポジションをチェンジした。達人に習って、首をコンクリートにもたせかけた。足先までからだを伸ばして、ゆっくり寝返りを打ってみた。あああ、気持ちがいい。浴槽に沈める用のイスがあったので、今度はそれに座って、静かに首を浴槽の縁から外してみた。口と目のラインギリギリに喫水線がきた。仰向けに浮かぶ感じ。息をするとからだが上下する。水中に沈んだ耳には、ドクドクドクッと心臓の音が響いている。

ぬるい方の達人がむっくりと起きて、からだを洗い出したので、そちらへ移動。おおお、このぬるま湯感!!からだが溶けていく。自分のからだとお湯との境界線が無くなっていく。筋肉や骨に一切ストレスがかからない姿勢を探りながら、お湯と一体化する。死体のように、すこし関節を曲げた状態でふわふわと漂う。時折、隣の達人がわずかに動くと、お湯が対流するのが感じられる。昨日のコンサートの時に、ジャワの古典舞踊を踊る際、静かな鏡のような湖面に、水滴が落ちて波紋が広がるように舞踊をはじめると話したんだけど、このぬるま湯感は、水面ではなく、水中の感覚だ。からだの細胞の水がゆれる感じ。

ジャワ舞踊、特に女性4人で踊るスリンピを踊ったり、演奏したりしていると、ぬるま湯に浸っているように感じることがある。よだれが流れ出て、からだが溶け出していき、間接のあいだにグリセリンが入り込み、からだが滑っていく感じ。息とともに流れ出る嗚咽が歌になる感じ。気持ちよすぎて、もうそこからは帰って来れない感じ。ぬるま湯の心地よさと恐怖。だれも何も話さない浴槽で、隣の達人の頭にはどんな世界が広がっているのだろう、とふと思う。んんん、イウィンさんが待ちくたびれているだろう、とようやくこちらの世界へ戻って来れた。
ケアは即興ダンス
11月30日
本間直樹さんと滋賀県立大学へ。名神を彦根で下りて、琵琶湖のほとりへ。大学のバスロータリーで、ダンスの志賀玲子さん、演劇の岩橋由莉さん、たんぽぽの家の森下静香さんと井尻貴子さんが待っていた。井尻さんの呼びかけでやっている「言語から身振りへ」プロジェクトの集まりで、細馬宏通さんの研究室にやって来たのだ。このプロジェクトは半年ほど前にはじまったんだけど、どんな目的で何を目指すについて、メンバーで意見を戦わせている最中である。僕は、ケアの現場に行ってみたかったので、とりあえず老人ホームへ出かけてダンスワークショップをしたいと手を挙げた。高齢者や障がい者のケアの現場が、もしかしたら即興ダンスと似ているんじゃないか、ケアの人がダンスワークショップを受けたら、なにかいい変化が起きるんじゃないか、というのが今のところ僕が理解しているこのプログラムの意味や価値である。直感だけど。

この日は、僕がしたワークショップの映像をあらかじめ細馬さんが分析をして、それをみんなで見ることになっていた。細馬さんは、元々京大で動物や昆虫の生態観察をしていたんだけど、最近は人間も観察しているそう。10数人の車座になったおばあさんに僕がひとりずつダンスで絡んでいくシーンから、2、3分の2ヶ所のシーンが選ばれていた。どちらのシーンもよく覚えている。ひとつ目は、ややもの静かで控えめなおばあさんとのダンス。ふたつ目は、ものすごく表情豊かで積極的なおばあさんとのダンス。ふたつのシーンに関して、細馬さんから解説があった。スローで再生したり、とても細かな観察である。僕自身が気づかなかったこともあるし、逆に映像には映りにくいこともある。呼吸やほんのわずかな目の表情など。それでも、なにが起こるか分からない、ときに微細であり、またときにダイナミックな即興のダンスや表現を、こうやって映像で何度も見て振り返るのは、とてもおもしろくて、たくさんの発見がある。

細馬さんは、授業では、「きらきらアフロ」という笑福亭鶴瓶と松島尚美の即興トークも分析しているとのことで、その一部も見せてもらった。そういえば、「さあトーマス」という障がいある人との舞台作品をしていた頃、僕は鶴瓶さんをゲストに呼びたいとしきりに言っていたのだ。このプロジェクトは、現在進行中であり、次回の集まりは12月21日である。

12月1日
早朝から肉体系バイトがあり、夕方その足で本間直樹さんと西村ユミさんを阪大でひろって、堺にある老人ケア施設「祥の郷」へ。これは、大阪大学コミュニケーションデザインセンターの西川勝さんのプロジェクト。こっちは、もう少しおおらかで、しばらくは佐久間さんの好きにやっといてくださいって感じ。一緒に行っているのは、他に理学療法の玉地雅浩さん、そして西川勝さんご本人、それから井尻貴子さんも見学にやって来た。

玉地さんが「身体をねじる、ひねってみる」というテーマでワークショップを始めた。ペアになって、お互いの足の裏や指をほぐす。ほぐしてもらった足で歩いてみると、歩き心地が全然違う。足の接地面積がとても広くなるのだ。そこから思いついて、すこしダンスへと誘ってみた。気づいたらダンスになっている、というのが面白い。

本間直樹さんが、例のごとく無編集のまま10分間を切り取ってyou tubeにアップしてくれている。

Clap Your Feet !


DANCE FLOOR


祥の郷のスタッフはみんなとてもおもしろい。なかでも兄貴分の細川鉄平さんはユニークで、西川さんと本を出したり、映画にも出ているらしい。ブログに、この時のダンスワークショップの様子や本と映画についても書かれているので、ぜひご覧下さい。
http://ameblo.jp/syounosato/
(佐久間新)
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