10月17日 大阪ピクニック03「地下から空へ」 2日目 梅田界隈
13時前に梅田ビッグマン集合。2階のバルコニーから、こっそり集合しているのを眺める。
待ちながら、ペットボトルを頭や肩に乗せて、遊ぶ。これだけでも、待ち合わせや通行している人の目をかなり引く。今回の参加者は、高岡さん、本間さん、垣尾さん、井筒さん、木村さん、樋口さん、寺岡さん、檜垣さん、そして途中合流の谷川さんと斉藤さん、それから僕で、総勢11人。

まずは、雑踏を味わおうと、ヨドバシカメラへ。中までずんずん入っていく。エスカレーターがすごい、天井も壁も360度文字と色に覆われている。覚悟を決めて消費の世界へいらっしゃっいって感じ。活字や配色が統一されているので、電気屋さんのゴテゴテした感じが無いのが違和感。テレビやステレオのコーナーの大音量を煙のようにからだに浴びせてみる。すぐ隣にあるファッションエリアへの境界がおもしろい。ああ、それにしても刺激がきつすぎて、麻痺していくよう。最上階からエレベーターに乗って脱出。JR北ヤードには、クレーンが大集合、だけど今日は就寝中。駅ビルは、大改装中。僕が中学2年くらいの時に、新しい駅ビルが出来て公募でアクティ大阪と名付けられた。オープン早々にやって来て、満員のエレベーターに乗ったなあ。


地下へ下って阪神の方へ。宝くじ売り場の横に、一瞬昔の空気が流れていたのは、コインロッカー。そこだけ遺跡がむき出しているような床と壁。まっすぐ行くと円形の広場へ出た。音の反射が変わる。パンパンと拍手して遊ぶ。警備員の重心が移動しそうにピクピクしていたので、早めに切り上げて前進。マルビルの地下の横あたりで、おじさんがいい機嫌で歌っている。ゆっくり近づいていくと、脇の出入り口へ引っ込んだ。「昼間からね、往来の迷惑です・・・、」とブツブツ言っている。「いやいや、なかなか良かったです。」と言うが、まだ警戒している。「足のステップが特に・・・、」と突っ込むと、表情が変わった。「突っ立ていると歌えないですよ・・・、」とサントリー角ハイボール缶片手のおじさん。


駅前ビルの地下を越えて左折。空気が変わる、電車の匂い。北新地駅からか。超分厚い洪水用の扉を越えて、しばらくまっすぐ行くと、地下街の盲腸のようなところに出る。水音が遠くから響いている。誰も通らない、不思議な一角。噴水で遊んでみようと思ったが、警備員もいないし、誰も来ないし、少し物足りない?短いエレベーターを上がると、外からの光が感じられる。カーブを描いた階段を半ばまで上がると、まぶしい青空をバックに、ビルがまっすぐ空に伸びて光っている。地下から空へ、からだがロケットになって飛んでいけそう。ニッセイ同和ビル前の歩道橋を上がる。ちょっとみんなで揺らしてみる。1号線と2号線が出会うところなのか?薄い鉄板に薄いコンクリートが張り付いていて軽やかにステップできる感じ。下りの階段を、タカタンタカタンタカタンとリズムを刻んでみんなで下りてみる。

真新しいビルの真ん中には穴が空いて,お初天神がのぞいている。空洞に風が通っている。帽子を投げてみるとブーメランになって帰って来る。上着を脱いで風とたわむれる。コンテンポラリーダンサーの井筒さんがスカーフを外して、さあ、というところで警備員があらわれた。「何をしているんですか?」。思わず「遊んでるんですよ!!」と答えると、一瞬若い彼の口元が緩んだ。「そんなことされると、困るんです・・・、」と言うので、さらに前進。天井には、監視カメラが光っている。隣のお初天神へ。すこし休憩、斉藤さんがここで合流。僕が近所で聞いた神社の鈴の音の話などをする。静かな山里だと、金属の音がほんとに新鮮に聞こえるんだけど、都会の真ん中ではどんな力を持ちえるのか。本間さんに頼んで、ミュージシャンが鳴らす鈴の音をみんなで聞いた。
新御堂を横切り、ホテル街へ。看板だけはよく見るが実物がなかなか見れないというウワサのホテル関西の前を通って、太融寺へ。鉄筋コンクリートの味気ない建物だが、ひっそりとした雰囲気はいい感じ。枯れた蓮の葉があったので、手に取って井筒さんに渡してみる。踊ってみたら、とすすめてみた。すこし遠慮がちだったが、葉を確かめるように動く感じが良かった。井筒さんが大きな枯れ葉を僕の頭にかぶせてくれたので、少し踊ってみた。枯山水の飛び石の上を渡りながら。小さな鐘が鳴りはじめると、僕の手の平から粉々になった枯れ葉が風に乗って少しずつ飛んでいった。お坊さんは横目で見ながら通り過ぎ、参拝客たちは終わった後、会釈をしてくれた。

冬、いづれあなたは大きな黒い影になる
落葉、落葉、生まれたときから滅びてゐる
という二句が、谷川さんがメールで写真を送った御中虫さんからすぐに送られてきた。大阪ピクニックのスタッフなのだけど、今回は東京へ行っていて出席できなかったのだ。太融寺の東門を出て北上。ペンション風のラブホテルのある路地を抜けて都島通りへ出る。参加メンバーが歩きたいと行っていた中崎町界隈へ。昔ながらの雑貨屋の薄暗い店内でおばちゃん3人が井戸端会議、あちらこちらに町家を改造したおしゃれな店、味のある集合アパートには「ここは観光地ではありません」という張り紙。済美公園で休憩。鬼ごっこする小学生、ベンチでラブシーン中の中学生、あやしく遊ぶわれわれ一行。4時の時報は、けたたましい小鳥のさえずりだった。

豊崎の長屋にあっためずらしい土の路地を愛で西へ進むと、JR東海道本線の巨大な壁に出る。無数の野球ボールの痕。線路下のトンネルを抜けて、新御堂まで100メートル。男子4人でかけっこ、よーいドン!僕は一番おっさんだったけど、なかなか早かったでしょ?巨大タコ足滑り台の公園を行き過ぎて、中津でJR貨物線沿いに左折。幅100メートル以上に渡って線路が並んでる横を歩く。阪急の高架と交差するところで、電車が通り過ぎる。赤錆びた線路とアズキ色の電車が奏でるヘビーメタルでダンス。線路脇のへいの上を進む、牛丼をほおばる夫婦を通り過ぎる。ゴールは近い。広大な北ヤードの白い囲いの横を駆け抜ける。

三番街の喫茶店で打ち上げ、バナナパフェやあんみつを食べるメンバーたち。10月28日18時30分から、大阪ピクニック03の第3日目の集まりがあります。この日の映像や写真を見たり、垣尾優さんのからだワークショップをしたりする予定。I-Picnicの映像も見てみようかな。どなたでも自由参加ですので、お気楽にどうぞ!!

http://art-cafe.ur-plaza.osaka-cu.ac.jp/main_picnic03.html
13時前に梅田ビッグマン集合。2階のバルコニーから、こっそり集合しているのを眺める。
待ちながら、ペットボトルを頭や肩に乗せて、遊ぶ。これだけでも、待ち合わせや通行している人の目をかなり引く。今回の参加者は、高岡さん、本間さん、垣尾さん、井筒さん、木村さん、樋口さん、寺岡さん、檜垣さん、そして途中合流の谷川さんと斉藤さん、それから僕で、総勢11人。

まずは、雑踏を味わおうと、ヨドバシカメラへ。中までずんずん入っていく。エスカレーターがすごい、天井も壁も360度文字と色に覆われている。覚悟を決めて消費の世界へいらっしゃっいって感じ。活字や配色が統一されているので、電気屋さんのゴテゴテした感じが無いのが違和感。テレビやステレオのコーナーの大音量を煙のようにからだに浴びせてみる。すぐ隣にあるファッションエリアへの境界がおもしろい。ああ、それにしても刺激がきつすぎて、麻痺していくよう。最上階からエレベーターに乗って脱出。JR北ヤードには、クレーンが大集合、だけど今日は就寝中。駅ビルは、大改装中。僕が中学2年くらいの時に、新しい駅ビルが出来て公募でアクティ大阪と名付けられた。オープン早々にやって来て、満員のエレベーターに乗ったなあ。


地下へ下って阪神の方へ。宝くじ売り場の横に、一瞬昔の空気が流れていたのは、コインロッカー。そこだけ遺跡がむき出しているような床と壁。まっすぐ行くと円形の広場へ出た。音の反射が変わる。パンパンと拍手して遊ぶ。警備員の重心が移動しそうにピクピクしていたので、早めに切り上げて前進。マルビルの地下の横あたりで、おじさんがいい機嫌で歌っている。ゆっくり近づいていくと、脇の出入り口へ引っ込んだ。「昼間からね、往来の迷惑です・・・、」とブツブツ言っている。「いやいや、なかなか良かったです。」と言うが、まだ警戒している。「足のステップが特に・・・、」と突っ込むと、表情が変わった。「突っ立ていると歌えないですよ・・・、」とサントリー角ハイボール缶片手のおじさん。


駅前ビルの地下を越えて左折。空気が変わる、電車の匂い。北新地駅からか。超分厚い洪水用の扉を越えて、しばらくまっすぐ行くと、地下街の盲腸のようなところに出る。水音が遠くから響いている。誰も通らない、不思議な一角。噴水で遊んでみようと思ったが、警備員もいないし、誰も来ないし、少し物足りない?短いエレベーターを上がると、外からの光が感じられる。カーブを描いた階段を半ばまで上がると、まぶしい青空をバックに、ビルがまっすぐ空に伸びて光っている。地下から空へ、からだがロケットになって飛んでいけそう。ニッセイ同和ビル前の歩道橋を上がる。ちょっとみんなで揺らしてみる。1号線と2号線が出会うところなのか?薄い鉄板に薄いコンクリートが張り付いていて軽やかにステップできる感じ。下りの階段を、タカタンタカタンタカタンとリズムを刻んでみんなで下りてみる。

真新しいビルの真ん中には穴が空いて,お初天神がのぞいている。空洞に風が通っている。帽子を投げてみるとブーメランになって帰って来る。上着を脱いで風とたわむれる。コンテンポラリーダンサーの井筒さんがスカーフを外して、さあ、というところで警備員があらわれた。「何をしているんですか?」。思わず「遊んでるんですよ!!」と答えると、一瞬若い彼の口元が緩んだ。「そんなことされると、困るんです・・・、」と言うので、さらに前進。天井には、監視カメラが光っている。隣のお初天神へ。すこし休憩、斉藤さんがここで合流。僕が近所で聞いた神社の鈴の音の話などをする。静かな山里だと、金属の音がほんとに新鮮に聞こえるんだけど、都会の真ん中ではどんな力を持ちえるのか。本間さんに頼んで、ミュージシャンが鳴らす鈴の音をみんなで聞いた。
新御堂を横切り、ホテル街へ。看板だけはよく見るが実物がなかなか見れないというウワサのホテル関西の前を通って、太融寺へ。鉄筋コンクリートの味気ない建物だが、ひっそりとした雰囲気はいい感じ。枯れた蓮の葉があったので、手に取って井筒さんに渡してみる。踊ってみたら、とすすめてみた。すこし遠慮がちだったが、葉を確かめるように動く感じが良かった。井筒さんが大きな枯れ葉を僕の頭にかぶせてくれたので、少し踊ってみた。枯山水の飛び石の上を渡りながら。小さな鐘が鳴りはじめると、僕の手の平から粉々になった枯れ葉が風に乗って少しずつ飛んでいった。お坊さんは横目で見ながら通り過ぎ、参拝客たちは終わった後、会釈をしてくれた。

冬、いづれあなたは大きな黒い影になる
落葉、落葉、生まれたときから滅びてゐる
という二句が、谷川さんがメールで写真を送った御中虫さんからすぐに送られてきた。大阪ピクニックのスタッフなのだけど、今回は東京へ行っていて出席できなかったのだ。太融寺の東門を出て北上。ペンション風のラブホテルのある路地を抜けて都島通りへ出る。参加メンバーが歩きたいと行っていた中崎町界隈へ。昔ながらの雑貨屋の薄暗い店内でおばちゃん3人が井戸端会議、あちらこちらに町家を改造したおしゃれな店、味のある集合アパートには「ここは観光地ではありません」という張り紙。済美公園で休憩。鬼ごっこする小学生、ベンチでラブシーン中の中学生、あやしく遊ぶわれわれ一行。4時の時報は、けたたましい小鳥のさえずりだった。

豊崎の長屋にあっためずらしい土の路地を愛で西へ進むと、JR東海道本線の巨大な壁に出る。無数の野球ボールの痕。線路下のトンネルを抜けて、新御堂まで100メートル。男子4人でかけっこ、よーいドン!僕は一番おっさんだったけど、なかなか早かったでしょ?巨大タコ足滑り台の公園を行き過ぎて、中津でJR貨物線沿いに左折。幅100メートル以上に渡って線路が並んでる横を歩く。阪急の高架と交差するところで、電車が通り過ぎる。赤錆びた線路とアズキ色の電車が奏でるヘビーメタルでダンス。線路脇のへいの上を進む、牛丼をほおばる夫婦を通り過ぎる。ゴールは近い。広大な北ヤードの白い囲いの横を駆け抜ける。

三番街の喫茶店で打ち上げ、バナナパフェやあんみつを食べるメンバーたち。10月28日18時30分から、大阪ピクニック03の第3日目の集まりがあります。この日の映像や写真を見たり、垣尾優さんのからだワークショップをしたりする予定。I-Picnicの映像も見てみようかな。どなたでも自由参加ですので、お気楽にどうぞ!!

http://art-cafe.ur-plaza.osaka-cu.ac.jp/main_picnic03.html
(佐久間新)
スポンサーサイト
| HOME |