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Gamelan Marga Sari -Blog-

*ガムラン マルガサリ*のメンバーによるブログです.
ウロコ通信 96 書きました
今日の朝。濡れた道,青い空,ヒンヤリとした風、ああ、気持ちがいい。ヒキガエルの声,鳥の声。シラサギが田んぼで何かを探している。ツバメが低空飛行。おなかが黄色い小さな鳥が土手に挟まれた畦に沿って、リズムを刻んで飛んでいく。小さな棚田に張られた水の上にはアメンボウ。1年に何日かの贈り物のような朝でした。ブナが小学校へ通い出して以来,6時起床になりました。7時過ぎには家を出て,3キロ50分の道のりを歩いて通っています。

さて、公演・ワークショップ情報と秋の公演に向けて集まりの情報です。

目次
・ツアーエキスポ 2010年5月1日 インテックス大阪 ジャワ舞踊とインドネシア舞踊
・インドネシア・フェア 2010年5月5日 つかしん ジャワ舞踊とインドネシア舞踊
・「1000人で音楽をする日。」に向けての集まり 2010年5月15日 千里万博記念公園 ウドロッ・ウドロッ他
・からだトーク/水のダンス 2010年5月24日 大阪大学オレンジショップ 水のダンス・ワークショップ

ーコンテンツー

1件目。
インドネシア領事館から声をかけていただいたイベントです。

ツアーエキスポ2010
http://www.fair.or.jp/gogointex/member/tour.html
イベントは3日間ですが,僕とイウィンさんが踊るのは、下記の日時です。
日時:2010年5月1日 11:00?11:15  12:00?12:15 2回公演
場所:インテックス大阪2号館 (大阪 南港)
    http://www.fair.or.jp/gogointex/ac_info/index.html
出演:佐久間新、佐久間ウィヤンタリ、他
入場料:大人1000円(当日) 800円(前売り 4月30日まで)
    子ども500円(当日) 400円(前売り 4月30日まで)
    http://www.fair.or.jp/gogointex/ticket/index.html
主催:社団法人 大阪国際見本市委員会

2件目。
こちらもインドネシア領事館から声をかけていただいたイベントです。

インドネシア・フェア
http://www.tsukashin.com/view/event/2010/5/4/
イベントは2日間ですが,僕とイウィンさんが踊るのは,下記の日時です。
日時:2010年5月5日 13:00?13:15 
   (ウェブサイトでは違う時間になっていますが,領事館からはこの時間で聞いています。お越し下さる方は,このメールにご返信ください。最新情報をお伝えします。)
場所:つかしん ロマチック広場 (兵庫 尼崎市)
   http://www.tsukashin.com/access/
出演:佐久間新、佐久間ウィヤンタリ、他
入場無料
主催:インドネシア共和国総領事館、インドネシア貿易振興センター、ガルーダインドネシア航空

3件目
秋に、千里万博記念公園で、「1000人で音楽をする日。」というイベントをします。フィリピンの作曲家ホセ・マセダが作った1000人のための作品「UDLOT-UDLOT」を演奏します。さらに、小島剛さんと僕のアイデアでも、1000人で何かしてみたいと思っています。それに向けて,毎月1回,民族学博物館の周辺で集まりを持つことになりました。「UDLOT-UDLOT」や小島さん企画の「ビッグビッグバンド」、佐久間企画の「さんずい」などを練習する予定です。どなたでも参加できます。音楽やダンス経験を不問です。5月の集まりは下記の通りです。公園内はとても気持ちがいいので,ピクニック気分でお気軽にご参加ください。ご返信をくださった方には、みんぱくの入場券をプレゼントいたします!!

日時:2010年5月15日 13:00?14:00
場所:民族学博物館地下展示室前 (大阪 吹田 千里万博記念公園)
   http://www.minpaku.ac.jp/museum/information/access.html
主催:千里文化財団
制作:ウドロ組

4件目
からだトーク/水のダンス
(紹介文 引用)大阪大学コミュニケーションデザインセンターと行っているワークショップシリーズです。今回の「からだトーク」では、ジャワ舞踊家の佐久間さん、理学療法士の玉地さんと一緒に,水 の重さ,温度,浮力などを感じたり,実験したりして,からだを動かします。ジャワ舞踊の神髄は、「水のように流れる」です。水を感じることか ら,ダンスに迫ってみませんか。
http://cscd.osaka-u.ac.jp/activity/view/508?mode=0&page=1&discipline=&activity=&staff=&keyword=

前回は「湯気」をテーマにしました。映像が見られますので,ぜひご覧下さい。
湯気ダンス
http://www.youtube.com/watch?v=WYDz95UZkS8&feature=related
影ダンス
http://www.youtube.com/watch?v=Ko-LdXAp46c&feature=related

日時:2010年5月24日 18:00?21:00
場所:大阪大学オレンジショップ (大阪 豊中 大阪大学豊中キャンパス)
   http://www.cscd.osaka-u.ac.jp/about/access.html
ゲスト 佐久間新(ジャワ舞踊家)、玉地雅浩(藍野大学)
マスター 西村ユミ、本間直樹
参加費無料
主催:大阪大学コミュニケーションデザインセンター

新緑が光っています。ぜひ、外の空気を一緒におもいっきり吸い込みましょう。
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グッド・モーニング いい朝
4月28日
6時、ふとんの中で3回大きく伸びをして,思い切って起きる。イウィンさんはもう起きているよう。カエルの音が控えめに響いている。相変わらず机の下で寝ているブナもガバッと起きる。キッチンのストーブに火をつける。水を入れたやかんをのせる。コップ1杯の水を飲む。AMラジオのスイッチを入れる。だしじゃこを入れておいた鍋をコンロにかける。ネギを小口切りにする。なるべく細く一定になるように、そしてリズミカルに。朝の手と腕の調整。炊飯器からは湯気が上がる。湯気のダンス。小さなフライパンもコンロにかける。油を敷く。たまごをふたつ割って入れる。ワカメを水に戻す。タケノコを切る。ワカメをざるにあげて切る。鍋がわいたら,タケノコを投入。納豆を粘りが出るまで混ぜる。匂いが立ってくる。たまごに塩とこしょうを振る。ネギと醤油を入れて、納豆をさらに混ぜる。たまごがだいぶいい感じ。炊飯器が歌ったら、濡らしたしゃもじで切るように混ぜる。湯気が踊る。鍋にワカメとネギを投入。味噌で味を整える。目玉焼きも完成。やかんもシュウシュウ。紅茶を入れる。

いっただきま?す!みそ汁がからだに染みわたる。シンプルな朝飯だが、近所のものばっかりなので、とてもおいしい。米は,イウィンさんのパート先のKおばあさんの田んぼから。味噌は,ブナと一緒に登校するHさん姉妹のおばあさんの手作り。タケノコは、裏の竹やぶで取ったもの。たまごは、近所の直売たまご屋さんのおいしいたまご。野菜は,日曜日の朝市で買った地元の野菜。贅沢だなあ。これがおいしいっていうのが分かるのに,10年かかったなあ。2000年のゴールデンウィークに引っ越してきたので丸10年の田舎暮らし。

ブナを送って,田んぼのあぜ道の途中まで行った。いってらっしゃい。3人は振り向かない。僕も、今日はあっさりときびすを返す。濡れた道,青い空,ヒンヤリした風。ああ、気持ちがいい。ヒキガエルの声,鳥の声。シラサギが田んぼで何かを探している。ツバメが低空飛行。おなかが黄色い小さな鳥が土手に挟まれた畦に沿って、リズムを刻んで飛んでいく。小さな棚田に張られた水の上にはアメンボウ。坂道に、桜の花の軸が並んでいる。防火水槽の手前でカーブした溝には、花びらが貯まっている。手ですくい出すと,パイプから防火水槽へと水が流れ始め、花びらのアメンボウを水中へ沈めた。

毎日がこんなにのんびりしているわけじゃないんだけど,今日は、ほんとに気持ちいい天気。1年に何回かの贈り物のような朝だった。
(佐久間新)

田んぼはつながっている
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雨上がり。家の前の溝に、勢いよく山からの水が流れている。防水槽の手前で水があふれている。桜の花びらがたくさん集まっている。ブナの登校につきあって、Hさん姉妹との合流地点へ。桜の樹が濡れて苔が浮かび上がっている。妹のチアキちゃんが、おばあさんと一緒にやってきた。「ブナくん、おはよう。」といつもの低い声。「おはよう。」とブナ。お姉ちゃんのミユキちゃんが少し遅れてやってくる。今日は、途中までついていこう。

二本の大きな杉が立つ神社の参道の前で,みんなでパンパン。Hさんのおばあさんが、「お地蔵さんがあって,となりの集落の人が毎日花とお水をかえてくれるんですよ。」と教えてくれる。今日は紫の花。田んぼの間の道を下っていく。おばあさんが畦にスコップを置いた。ワレモコウの葉っぱが茂っている。まあるい柔らかい葉っぱ。家へ持って帰って植えるそうだ。赤というか茶色というかたくさんの花が咲くんだって。僕は,ここで引き返す。おばあさんはスコップを畦に置いたまま、1キロ先の隣の集落の合流地点まで送って行くという。

坂道を戻る。小さな道の両側から水音が聞こえてくる。斜面に並んだ田んぼには,土が固められた堤が築かれている。鍬一つでするんだろうが,左官屋さんのように見事な表面を作り、エッジをだしている田んぼもあれば,もう少しおおらかな堤もある。かまぼこ型のビニールの中には苗が育っているのだろう。田んぼの水はゆっくり動いて、堤の切れ目から流れ出していく。田んぼの脇の水路に出ると勢いを増す。石垣を組んだ田んぼの脇をどんどん流れていく。土管や塩ビ管を使ったジョイント部分もある。電車の線路の切り替えのような古い板や鉄板で、水の流れを変えるスイッチ部分もある。田から田へと水路が巡っている。道の下を通っているところもある。新しくコンクリートのマスが埋め込まれたところもある。水は下りながら,段々と集まって,小川ができはじめる。この辺りは,余野川の水源なのだ。

足下の地面が、張り巡らされた血管のような水路と水でつながっているのを感じる。生きものの中を歩いているようだ。田んぼと田んぼはつながっている。川は流れ流れて、大阪湾へ注ぐ。海はインドネシアともつながっている。ジャワのパラントゥリティス海岸に注ぐオパッ川をさかのぼれば,ジャワの田んぼとだってつながっている、と妄想が膨らむ。
(今日はカメラを持って出なかったので,写真は1週間前のもの)
(佐久間新)
4つの話 先生の家へ遊びに行く、の巻
4月12日
野村誠さんと藪公美子さんを迎えにJR亀岡駅へ。前日に、京都の下鴨神社で結婚式をしたそうだ。やぶちゃんは、結婚してもやぶちゃんでいくらしい。車で我が家まで20分。ソト・アヤム(ジャワ風鶏肉の酸っぱいスープ)を食べて,我が家からすぐのスペース天であるマルガサリの練習へ。ガムランの伝統音楽をしたり、即興パフォーマンスをしたり。天のまわりには,オーナーの黒田さんが植えた300本あまりの桜があって満開だったが,残念ながら雨模様。

やぶちゃんは夏からジャワへガムラン留学することになっている。去年までは,イギリスのヨーク大学に留学して,コミュニティ音楽で修士を取ったばかり。ヨーク大学でガムランに出会ったのだ。イギリスはジャワのガムランが盛んなのだ。僕と野村さんも,エジンバラ大学でジャワガムランを使った創作のための講義をやった。野村さんとやぶちゃんは、その時に出会ったのだ。イギリスからジャワへ行くと、かなりのカルチャーショックだろう、ということで、ジャワのエピソードをいくつか紹介することにした。

先生の家へ遊びに行く、の巻

僕は舞踊やガムランの先生の家へ遊びにいくとき,アポは取らない。いきなり行くのだ。その方が,いさぎよい気がする。無駄足を踏む覚悟。そもそも僕が留学当時,ジャワにも日本にも携帯電話はまだなかったし、ジャワの多くの家には、固定電話もなかった。何人かの先生の家には、電話があったが,それでもたいがいはアポなしで行った。ただ、先生の邪魔にならないように,先生や家族の行動やスケジュールを予測して,曜日や時間の狙いを定めた。月曜日の夜8時頃だったら間違いない、とか。空振りすることもあったが,出直せばいい。ジョグジャは狭いんだし・・・。で、だいたいは外れなかった。ジャワの普通の人たちもこんな感覚だったんじゃないだろうか。先生の家に着くと,子どもやお手伝いさんが出迎えてくれ,入り口近くの応接間や椅子で待つことになる。甘いお茶やお菓子,時には揚げ物や果物が出てくる。でも、それには手を付けない。3回くらいはすすめられないとね・・・,なんだか日本人みたい。

たとえば、こんなことが何度かあった。男性舞踊の名手のP先生を訪ねると、まずは奥さんが出てきた。お茶をだしてくれて,応接間で待つことに。家族の写真などを眺める。しかし、P先生がなかなか出てこない。中にいるのは、気配で分かるんだけど・・・。途中でバシャーン,バシャーンと水音が聞こえたりもする。2、30分すると,ようやく濡れた髪にくしを当て,ぱりっとしたYシャツに着替えた先生が登場するのだ。よくやってきたと言って,握手をする。いい香りが漂ってくる。

何年か経って,P先生とかなり仲良くなってきたあるとき、こんな話をしてくれた。あのね、僕はほんとは丘の上の大きな家に住みたいんだよ。で、家の前のベンチに腰をかけて,ゆっくりとくつろいでいると,マス・シン(マスはジャワの敬称)がバイクに乗ってくるのが,遠くから見えるんだよ。そうすると、僕はマンディ(水浴び)をする。ゆっくり着替えていると,マス・シンがちょうどやってくるんだ。小さくても一国一城の主が客人を迎える、そんなのが理想なんだよ,と小さな家の小さな応接間で語ってくれた。P先生の舞踊には、なんともいえない風格が漂っている。いつもこころの中に、ワヤン(影絵芝居)に出てくるヒーローが住んでいるのだ。

女性舞踊の大御所のT先生を訪ねる時はこんな感じ。お宅は、貴族の屋敷の敷地内にある。熱帯の陽が少し傾くと、子どもたちは鳩を空に放つ,尾っぽの笛がブーンブーンと青空に旋回し始める。僕は,約束していたレッスンの時間に、先生の家を訪れる。こんな場合は、もちろんアポあり。お手伝いの女の子に、僕が来ていることだけを伝言して,練習をする貴族の屋敷の一部であるプンドポ(ジャワの東屋)へ行く。待てど暮らせど、先生は来ない。1時間くらいはざらである。でも、この時間がなんともいいのだ。プンドポの天井の中心部には、繊細な彫刻が施されていて、1900という数字も読み取れる。100年間,何千人もの舞踊家が汗を流した舞台なのだ。その端っこに腰を下ろして本を読んでもいいし,ストレッチをしてもいいし,ただただボーっとするのもいい。たゆたう風を感じ,床や柱の感触を感じ,過去の舞踊に思いを馳せる時間。ジャワ舞踊には,1演目が2時間を越えるものもある。そんな舞踊を踊るには、それなりの時間感覚をからだに染み込ませる必要があるだろう。そんなことを知ってか知らずか,T先生は、サンプル(踊り用のスカーフ)を片手に,なにくわぬ顔でゆったりと登場するのだ。僕の経験上,ジャワの先生たちは直感的に,必要なことが分かっているのだ。マス・シンには、こんな時間が必要なのだと。

つづく。
(佐久間新)

千のひと、千の響き、千人が作る音の雲
4月10日
みんぱくで「Udlot-Udlot」の第1回目のリハーサル。フィリピンの作曲家ホセ・マセダの作品で、1000人が竹や声を使って演奏する。10月に、太陽の塔の下でやろうと準備中。マセダの弟子のアルセニオ・ニコラスさんが研究員として,みんぱくに来ているので,講師としてきてもらった。この日に集まったのは、イベントを主催する千里文化財団の織田さんと西澤さん、制作チームウドロ組(仮称)のHIROSさん、小島剛さん、岩淵拓郎さん、僕、それから、声をかけた友人たちで、総勢30名ほど。子どもたちも数名。

まずは、竹を切るところから始める。楽器作りが終わったら,楽譜の説明,パート分け、パート練習。そして、リハーサル。曲は40分間。僕は拍子木のパートに入った。

トントン トン トントン トン トントン トン

延々と繰り返す。歩きながらでもいいし,踊りながらでもいい。みんなで気を合わせて,早くならないように気をつけながら。でも、40分もやっていれば,だんだん考えることもできなくなっていく。次第に,音や動きに身をまかせるようになっていく境地。

竹や声のパートは、もう少し忙しい。今日は30名だったが,本番は1000人、30倍である。どんな音が立ちあらわれるだろうか。

本番へ向けて,当面、毎月1回練習をします。練習に参加しなくて,本番だけの参加も可能ですが,万博公園はとても気持ちがいいので,ぜひ遊びがてら練習もお越し下さい。練習というよりピクニック、ウドロ・ウドロ ピクニック。毎回が、ピクニックのような練習です。練習に来た人が,友達を誘って,またピクニックにやってくる。増えるとますます音が面白くなって,もっとたくさんの音の雲が聞きたくなって,また友達を誘う。そんな連鎖が生まれるようになればいいなあ。


次回の練習、いえ、ウドロ・ウドロ ピクニックは、
5月15日 14時?16時 万博公園 民族学博物館(みんぱく)特別展示室前集合
参加費は無料です。連絡をいただけると、みんぱくの入場券を先着順でプレゼントいたします。
http://www.minpaku.ac.jp/museum/information/access.html


長いですが,以下に、企画書の一部を載せます。
制作チームのウドロ組(仮称)は、HIROS、小島剛、岩淵拓郎、佐久間新。主催は,千里文化財団。

以下引用文

・・・ ・・・

千のひと、千の響き,千人が作る音の雲

ひとりひとりの作り出す音は単純だが、みんな集まると想像を超えた音の雲ができる。それは音を通した新しい経験、新しい音楽のかたち。

わたしたちは下記の要領で、「ウドゥロッ・ウドゥロッ Udlot-Udlot」公演を計画しています。多数(目標1000人)の演奏者が必要なため一般の人々の参加者を募集したいと考えています。企画主旨をご理解いただき、参加者募集活動にご協力いただければ幸いてす。

■公演名/みんなの音楽(仮)
■演奏曲/ウドゥロッ・ウドゥロッ Udlot-Udlot (ホセ・マセダ Jose MACEDA、1975)
■日時(候補日)/2010年10月23日(土)、24日(日)、30日(土)、31日(日)
午後13:00?16:00(本番40分、リハーサル)
■会場/万博公園お祭り広場
■出演者/1000名
■使用楽器
カルタン(打ち合わせ棒)・・・300セット(径30×長さ400~500mm/5種サイズ)
トンガトン(搗き棒)・・・400セット(径45mm~55×300~400mm)
ウンギヨン(通気孔つきフルート/ギロを兼ねる)・・・400セット(径15~17mm×150~200mm)
声・・・300

■企画主旨
 フィリピン人の現代音楽作曲家、ホセ・マセダ(1917~2004)によって1975年に作曲された「ウドゥロッ・ウドゥロッ Udlot-Udlot」には、「30人から数千人にいたる演奏者のための音楽」と付記されていま すが、この曲は専門的な音楽訓練のない人々でも演奏に参加することを当初から想定して作られたものです。
 現代のわたしたちは、長い歴史をもつ伝統音楽はかろうじて残っているものの、ほとんどが西洋的システムに基づいて作られた音楽に取り囲まれています。また、音楽は他の生産物と同様に「商品」として生産され流通しています。しかし音楽は、専門家だけに委ねられるものではなく、本来、誰でも作ったり歌ったり楽しむことのできる人間の基本的な表現行為であり、人間のあらゆる活動と環境に密接なつながりをもつものです。東南アジア各地に広がる部族の音楽を調査したマセダは、そうした音楽の本来的意味と、西洋的システムとは異なる「東南アジア固有の音楽のアイデアを見いだし、それを基盤・出発点として新しい音楽をつくろうとしたのである。決してヨーロッパの模倣ではない、自前の音楽をつくることが彼の目的であった」(中川真)。その一つが今回の作品「ウドゥロッ・ウドゥロッ」です。マセダのこうした姿勢は、欧米のいわゆる現代音楽作曲家やアートに関心のある人々にも評価され、作曲された1975年にマニラで初演されたあと、日本(1991)、ドイツ(1995)、ブラジルなどでも演奏されました。
 今回わたしたちが「ウドゥロッ・ウドゥロッ」を計画したのは、
1.多くの人びとが一つの目的を共有し祭り空間を味わう。
2.東南アジア固有の音楽思想を演奏を通して体験し、異文化の理解を深める。
3.千人の作り出す濃密な音の響きを楽しむ。
4.新しい音楽芸術のあり方を、聴衆としてではなく演奏することを通して体験する。
5.公演本番までのワークショップの積み重ねを通して恊働の意味を考え直す。
6.壁を取り除く-障害者、外国人など
 以下は、作曲者自身がこの作品について述べたものです。
-----この音楽は単に無数の人びとが一つのメロディーを演奏したりうたう国歌のようなものではなく、むしろ多くの人びとにそれぞれ異なる音を演奏してもらうことによって、その音を拡大したり音量を大きくしたりしないで音を屋外でばらばらに散乱させるような音楽なのだこの音楽をこれだけ多人数に分担してもらうためには、演奏するものが単純な音で、しかも音楽が単純すぎて魅力のないありきたりのものにならないようにしなければならない。・・・ここでの重要な音楽要素は音の反復あるいは連続の原理の使用であり、これがこの作品の基本構造をなす。・・・この音楽を楽聖に演奏させることには、新しい境域的な価値がある。『ウドゥロッ・ウドゥロッ』のなかで一対の棒によって演奏されるリズム・パターンは、連続した三音、休止一つに続く一音で、全体では五拍のリズム・フレーズになる。五の単位で数えることは東南アジアの多くの音楽でも、また大部分の西洋音楽でもなじみのうすいものである。五拍リズムの意識は演奏者にも聴衆にもひとしく時間の別な尺度を紹介し、そこから物事の新しい秩序、あるいは人びとの別な思想や秩序にみちびくような新しい考え方を知らせることになる。楽器による「ピッチのない」音(あるいはうたえない音)や、音楽をするのに安価な地元の楽器をつかうこと、一音だけのメロディーという概念、リズムのない音楽や、音符のかわりに数字と記号の組による楽譜をよむことにも、教育的な価値がある----『ドローンとメロディー 東南アジアの音楽思想』(ホセ・マセダ著/高橋悠治編・訳、新宿書房、1989)
【ホセ・マセダ José MACEDA(1917~2004)】
 マニラに生まれる。パリのエコール・ノルマル音楽院でピアノ、作曲理論、アナリーゼを学び、その後フィリピンでピアニストとして活動。コロンビア大学で音楽学、ノースウェスタン大学で人類学を学ぶ。1952年頃よりフィリピンの民族音楽のフィールドワーク。1954年頃にミュジーク・コンクレートを手がけ、1958年にパリ国立放送局のミュジーク・コンクレート・スタジオにて制作、ここでピエール・ブーレーズ、カールハインツ・シュトックハウゼン、イアニス・クセナキスらと知り合う。1963年にカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)にて民族音楽学の博士号を取得、同じくこの頃より作曲活動を本格化、マニラにて、エドガー・ヴァレーズやブーレーズ、クセナキスなどの作品を指揮・演奏するコンサートを1969年まで開催。
 民族音楽学者として、東南アジアの音楽のフィールドワークを行い、多数の論文を発表する一方、東南アジアの楽器を用いた作曲を手がける。主な作品に、116人の楽器演奏者、100人の合唱と25人の男声のための「パクサンバ」(Pagsamba, 1968年)、100台のカセットプレイヤーのための「カセット100」(Cassettes 100, 1971年)、20のラジオ局のための「ウグナヤン」(Ugnayan, 1974年)、数百人から数千人のための「ウドゥロッ・ウドゥロッ」(Udlot-Udlot, 1975年)、10のフルート、10のバリンビン、10の平面ゴングのための「スリン・スリン」(Suling-Suling, 1985年)など。1990年代以降は管弦楽のための「ディステンペラメント」(Distemperament, 1992年)、管弦楽のための「リズムのない色」(Colors without Rhythm, 1999年)など、管弦楽やピアノのためにも作曲した。(Wikipediaより)

・・・ ・・・

(佐久間新)
桜、そしてSakura
今日は,ブナの小学校入学式。いよいよ学校。桜がなんとか間に合った。天気も快晴。
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大きな窓のある明るい体育館、歯切れのいい女の先生の司会で式が始まった。なんと第135回の入学式とのこと。校長先生のお話。
・友達と仲良くしよう。
・挨拶をしよう。
・自分でできることは自分でやろう。
式が終わってクラスルームへ、1年1組。1組しかないんです。担任は僕と同年代のやさしそうな男の先生。教科書をもらったそのあとは,運動場へ出て,みんな大はしゃぎ。式の緊張といよいよ始まるっている期待感がいっぱいなんだろう。

ブナは,4月1日から育成室、通称学童へ行っている。学童では,宿題の時間がある。1年生は宿題がないので,紙に計算問題と時計の問題を書いてあげた。初日に帰って来ると,答え合わせをしてほしいと言うので,見てみると、何問か間違っていた。「よくできたけど,惜しいのもあるね?。」と直してやると,本人はすごくショックを受けているようだった。ああ、人生ではじめてのテストだったんだ!

これから、勉強が始まる。テストも始まる。勉強は楽しいんだって、思えるようにしていかないといけないなあ。反省、反省。

昨日,写真家の柴田れいこさんから、「Sakura 日本人と結婚した外国人女性たち」(日本カメラ社)という写真集が送られてきた。4月4日読売新聞の文化欄「よみうり堂 本」でも紹介されていたようだ。
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/20100310_353673.html

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4年前の稲が黄金色に実った頃,柴田さんが泊まりがけで我が家へやってきた。翌朝,クバヤに着替えて,田んぼで撮影したのだった。東京での展覧会は終わってしまったよう。5月には、大阪で展覧会があるので、告知します。

ブナは、明日は6時起き。3キロ徒歩50分の通学が始まる。僕も大変,しばらくはお弁当作らなきゃ。
(佐久間新)
結婚パーティキャンプで、ファイヤーダンス
4月3日
お弁当を作って、イウィンさんとブナとともに8時30分に出発。奥多摩のキャンプ場で、野村誠さんと藪公美子さんの結婚記念キャンプパーティがあるのだ。9時30分に向日市の祓い所公園着。ちょっといわくありの場所らしい。マルガサリの西真奈美さんと合流の予定だが,病院へ行っているとかで少し遅れている模様。10時過ぎに、西さんと合流。京都南から名神へ入る。中央道へ入り。恵那峡で小休憩。八ヶ岳を越えて行く辺りで、山小屋にいる坪井ゆゆさんに念を送る。が、後で見た彼女のブログによると,下山中とのこと。車内ではしりとりや歌合戦。ブナの語彙数がかなり増えてきた。

中央道の大月インターで下りる。1300円。安い。出たところのローソンで牛乳10本を買い占める。野村誠さんに頼まれていた買い物。何に使うのだろう。くねくね国道で山をいくつか越えて行く。雪も残っている。2時間近く走り、17時30分頃ようやく奥多摩のキャンプ場に到着。野村幸弘さん、片岡祐介さん、尾引浩志さん、柏木陽さん、樅山智子さんとか知った顔も見える。コック長は美術家の島袋道浩さん。肝心の二人は山を散策中とのこと。すでにいくつもあるかまどからは煙が上がっている。ブリの一夜干し、塩ゆで豚,各種サラダ,尾引さんが釣ったニジマスの薫製、チーズの薫製などなど。ビール片手にいろいろつまんだ。島袋さんのブリは絶品,今出ている「暮らしの手帖」で、なぜか美術家の島袋さんがひものの作り方を講習しているらしい。

野村さんとやぶちゃんも戻ってきた。しばらくするとキャンプファイヤーの時間。みんなが河原に下りて行く。かまど火の番をするために、ひとりで残ることになった。星がきれいだ。谷底から鍵盤ハーモニカの音が向かいの崖に跳ね返って聞こえてくる。気分がうずうずしてくる。料理番が得意な広崎さんが交代に上がってきてくれたので,河原へ下りて行く。段々近づいて行くと、野村さんが、

「佐久間さんどこですか?まずは、佐久間さんの波からやりたいんですけど・・・。」みたいな声が聞こえてくる。ちょうどいいタイミングだったのだろうか?

火がゴオゴオと燃え,後ろの谷からは冷たい風が吹いてくる。その上に北斗七星が瞬いている。火の周りに赤くなったみんなの顔が並んでいる。ブナは石の上に腰をかけているようだ。野外で、火を挟んで、波を送るのははじめてだったが,周りの空気を感じながら,ゆっくりと波を送った。なかなかみんなに届きにくいかもしれないが、ゆっくりと何度も送った。右側から深い呼吸の音が聞こえてきた。作曲家の近藤浩平さんかもしれない?ほぼ同時に,左から鍵ハモの呼吸も聞こえてきた。火の周りをゆっくりと回った。やぶちゃんが仮面を渡してくれた。ヒモもなく、くわえることもできなかったので,左手と右手とで交互に押さえながら,火の周りを舞った。仮面のおかげで顔が熱から守られた。火の粉とも舞った。時折,杉の小枝で、火の粉を巻き上げた。時折,誰かが背中に乗った火の粉を払ってくれるようだった。仮面をしているので,周りがほとんど見えないのだ。

ダンサーの遠田誠さんと高須賀千江子さんが出てきて踊りだした。僕はちょっと休憩。白神ももこさんが出てきて,僕を招いている。おばあさんになって二人で踊った。どんどんばからしくなって行く。キャンプファイヤーなんだから仕方が無い。おなじアホならおどらなソンソン。

火が収まってきた。途中で気づいたが,左目のコンタクトレンズが無い。僕は目が出っ張っているので,仮面を付けると当たって落ちやすいのだ。夜中の河原,どうしようもない。火が収まったので,上のかまどへ戻った。ロッジに移って、集まった人たちのパフォーマンスが始まった。僕は、厨房が気になるたちなので、かまどに残ってご飯のお釜の番をした。水を調節しながら,この日、厨房で大活躍だった広崎さんとともに,ご飯を炊いた。カレーも温まり,夜食の準備が整った。ブナと音響の専門家の五島昭彦さんの息子のだいちゃんが、辛くない方のカレーをお代わりするほどたくさん食べた。

ロッジへ戻ると、やぶちゃんと桜美林大学で同期だった友人たちのアイリッシュバンドの演奏が始まっていた。ダンス音楽である。踊るしかない。吉野さつきさんとノリノリで踊った。その後は,池田邦太郎さんの音楽の話。元小学校で音楽の先生だったけれど,学校を辞めちゃって,音楽を追求しちゃった人。テーブルの上にある一番搾りの500缶で、あっという間に宇宙の音が聞こえる楽器を作ってしまったり。ストローをどんどんつなげたり,切ったりして、ユーモアにあふれるのに、管楽器の根源を考えるようなパフォーマンスをすごい勢いでやったり。すごい迫力である。その後は,あいのてさんのコンサートがあったり,島袋さんの輪ゴムくぐりがあったり、宮田篤さんのらくがき作曲があったり。中村未来子さんのチャイも出てきた。牛乳10パックはここに使われたのだ。すっかり、いい時間になったので,屋根裏部屋に上がって,あったかい布団に潜り込んだ。

4月4日
朝ご飯を食べて,片付けをして、チェックアウト。河原へ出て,みんなでコンタクトレンズを探してもらった。みんなが一心に石を見て,静かに注意深く動く様子はダンスであり,石の音や水の音は音楽だった。河原でコンタクトを探すにはかなりいいメンバーだと思ったが・・・。片岡さんが小さな青い丸いガラスを拾った,コンタクトが熱で変成したのかもしれない・・・。

キャンプ場のすぐ横のもえぎの湯へ。さっぱりして、みんなとさようなら。こんな結婚パーティキャンプは、なかなか無いだろうな。本当に楽しく,気持ちのいい人ばかりで、いい時間を過ごせた。野村さんとやぶちゃん、いや、やぶちゃんじゃなくなったのかな?久美子さん、ありがとう。

帰りは、八王子方面へ下りて,日の出インターから高速に。行き帰りの車中でブナにした話。人間が夢を見るのは,寝ている間に目がめだま親父のように飛び出して,あっちこっちへ行くから見るんだよという話。家の近くの妙見山トンネルは工事がうまく行かなかったので,生け贄の子どもが必要になり,村の会議でブナが選ばれたけど,父ちゃんがイノシシを捕まえて,毛を剃って,服を着せて、人間の子どもに見立てて生け贄に埋めたから、ブナが助かった。それで、今でもトンネルの真ん中の水たまりには赤い血が滲んでいるという話。このふたつは、半分信じているようである。

西さんの恋の話なども聞きながら,少し込み気味の高速をひたすら走り,22時過ぎに家にたどり着いた。
(佐久間新)

スイミー、大阪ピクニック冊子完成
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昨日は,午後から南船場にあるインドネシア領事館へ。神戸ベイシェラトンでのイベントの締めくくり。

領事館側は、総領事を含め、大変喜んでくれたとのこと。一番僕がうれしいのは,日本人にジャワ文化のすばらしさを分かってもらうのに,僕らが力を発揮できて,それをインドネシア人が喜んでくれるということ。これはインドネシアの芸能に携わる人間として大切なことだと思う。僕自身,インドネシア政府からも奨学金をもらったし,王宮の文化も学ばせてもらっているので、それに対するわずかながらのお返しである。

少し時間があったので,以前インドネシア語を教えていたことのあるヤスミさんがやっている大阪天満宮の近くの雑貨屋「スイミー」へ。ヤスミさんとは,インドネシア語だけでなく、いろんな縁が絡み合って結びついている。バリ,十津川,野村誠、ピクニック,仮面ライダーなどなど。約束していた本「魅せられた身体」小沼純一(青土社)を持って行った。それと、大阪ピクニックの冊子。できたてのホヤホヤなのだ。昨日,自宅へ届いたばかり。

スイミーはこちら
http://www1.ocn.ne.jp/~lot/11/32.html?*session*id*key*=*session*id*val*

ちょうど,銀細工を作る和田和代さんが来店中。作品が売られているのだ。ヤスミさんがピクニック冊子を見せると、グッと食いついてきた。「わたしここ知っている。去年まで,毎日通っていた。」どうやら、近くに住んでいて,まちを歩くことや街並にもただならぬこだわりがあるようだった。和田さんは,最近四国の石鎚山に登ったらしく,その話も聞かせてくれた。かなりよさそうな崖があるとのこと。崖だったら,I-Picnicの出番かな?いつか行ってインプロしてみたいなあ,とインプット。

スイミーで、今週末にある野村誠さんと藪久美子さんの結婚記念キャンプに持って行くプレゼントを物色。小さなかわいいものが買えた。一品ずつ手作りのものやユーモアのある雑貨がたくさんある。ハインツのケチャップ型のラジオ,どんどんつながる小さな小瓶,植島啓司さんが上海で買い付けてきた仏頭型のローソク,お尻に鉛筆を突き刺すとニャーオと鳴く鉛筆削りなどなど。

大阪ピクニック冊子を4部置いてきました。興味ある方はぜひどうぞ。早い者勝ちです。
また、冊子を欲しい方は、メールやメッセージやコメントで連絡をいただければ,無料で郵送します。先着10名様です。
(佐久間新)
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