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Gamelan Marga Sari -Blog-

*ガムラン マルガサリ*のメンバーによるブログです.
もうひとつの水都大阪
今日は8月最後の日。拍子抜けした夏が行き過ぎて、天は高くなり、もはや涼しい風が稲穂をカサカサならしています。
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8月20日
毎月第1第3木曜日は、奈良のたんぽぽの家でWS。この日は、中川真さんが「中川真式ワークショップ」をしたいと言うので、僕は参加者になった。上田假奈代さんが書いた「水と女たちと5色の糸よ」を朗読し、それを聞いて感じたままに演奏してみる、というのをまずやった。

たんぽぽWSに参加している小松泰子さんが朗読し、森下静香さんがボナン(ガムランの楽器)に入った。

さいしょは 風を連れてくる

あの雲のむこうの山の連なる
幾千の谷と
幾千の川を越えて
生まれてくる風を

そして 一千行の滑走路を越えて
さんざめく色とりどりの旗をゆらし
ことばをたずさえて
女たちがやってくる

小松さんの声が心地よく響いていく。それに合わせて森下さんのボナンがつぶやくように応答する。ただ鳴らしているんだけど、一音一音に表情がある。

(中略)

目をとじていなさい
おだやかにいなさい
呼吸の音をきいていなさい
いのちのじかんを
いのちのことばを
風がはこんできます

これでおしまい。
朗読する人を代えながら、何周かやってみた。たんぽぽWSに参加してるメンバーは、何の気負いもなく、即興演奏をした。真さんがすこし驚いていた。僕は、なんだかうれしくなった。たんぽぽの家でワークショップをはじめて3年。毎回、寝返りをしたり、ペットボトルで波を作ったり、外に出て木になってみたり、坂を転がってみたり、へんてこなことばかりしていた。が、それがじんわりとみんなの中に染み込んでいるんだなあ、と感じてじんわりとうれしくなった。

8月21日
神戸のサンチカでインドネシアの観光促進イベント。イウィンさんが踊ることに、僕はマネージャー。もう一人のバリ人舞踊家と一日中サンチカ。このイベントは23日まで続く。

8月22日
朝からサンチカヘ。午後からは、こりあんコミュニティ研究会が主催するイベントへ。

 <主催者のメッセージ>
桜ノ宮の「龍王宮(りゅうおうきゅう)」をご存知ですか? JR環状線桜ノ宮駅の大阪寄りホームの下、大川(旧淀川)の河川敷(毛馬桜の宮公園内)にあります。大阪に暮らす済州島(チェヂュド)出身者の女性たちの祈りの場として長く営まれてきました。そこが「不法占拠」を理由に近々立ち退きになります。
 大阪市在住の作家の元秀一(ウォンスイル)さんは小説『猪飼野物語』(草風館)の中で「龍王宮」を登場させ、大阪市出身の梁石日(ヤンソギル)さんは『魂の流れゆく果て』(光文社文庫)の中で、若い頃、オモニのお供で龍王宮へ行ったことを書かれています。
 大阪府と大阪市は夏から秋にかけて「水都大阪2009」という一連の企画をしています。しかし、そこには、故郷の済州島につながる水辺で大阪の文化をともに育んできた「龍王宮」のことはまったく抜け落ちています(ちなみに、今年6月に「大阪なるほど再発見!なにわなんでも大阪検定」が始まりました。橋爪紳也編『大阪の教科書?大阪検定公式テキスト?』を見ても、大阪をつくるのに大いに貢献した古代の朝鮮からの渡来人や近現代の朝鮮人についての言及はほとんどありません)。
 そこで私たちは2010年の「韓国併合」100周年を前に、【龍王宮プロジェクト?もうひとつの「水都大阪2009」】として、「龍王宮」のことを知って、みんなに伝えていきたいと思います。今後、調査・研究・記録などの活動も予定しています。

この中の【龍王宮祝祭?もうひとつの「水都大阪2009」】に出演した。
僕自身、異国の王宮の舞踊をやっている。龍王宮は、訳あって異国にすむ済州島の人が河原に作ったカミサマと交信する場。そこでどんな舞が続けられてきたのか・・・。
そんな空気を少しでも感じられないかと思いながら、木に登ったり、水しぶきを空高くまき上げたり、地面に転げ回ったりしながら踊った。最後は、観客も巻き込んでの大団円になった。
出演者:中川真、西真奈美、川上春香、原田満智子(以上ジャワガムラン)、小林江美(バリガムラン)、岩澤孝子(タイ舞踊)、小林加奈(タマ トーキングドラム)、伊藤悟(中国少数民族の笛)、ティティポル(タイの弦楽器)、マイケル・サカモト(舞踏)、張+朴実(韓国打楽器)

打ち上げは、天満のホルモン系焼き肉の「岩崎塾」。店に入ると机にカンテキがのっかっていて、煙がモウモウ立ちこめている。朝鮮半島出身の人、大阪で生まれた半島の血を引く人なんだけど半島の言葉をうまくしゃべれない人、しゃべれる人、奥さんが日本人のタイの人、ロサンゼルスで生まれた日本の血を引く人で日本語がしゃべれないんだけどなぜか舞踏をしている人、日本で生まれた日本人なのになぜかジャワやバリやタイや中国やセネガルの音楽やダンスをしている人、みんながモウモウとたちこめる煙の中で飲んで食べて歌って踊った。

このイベントは、もうひとつの「水都大阪2009」。僕は、いわゆる「水都大阪2009」にも、出演することになっている。
大川を、龍王宮からもう少し下っていくと川が二股に分かれる。そこが中之島。もう始まっていて連日たくさんのWSが行われている。9月4、5日の二日間に渡って、ガムランとワヤン(影絵芝居)のワークショップをする。案内人は、中川真、ロフィット・イブラヒム、佐久間新。

詳しくは下記のサイトで。
http://www.suito-osaka2009.jp/
水辺の文化座ウェブサイト上の予約フォーム。
http://www.bunkaza.suito-osaka2009.jp/artist/form104.html
(佐久間新)

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