Gamelan Marga Sari -Blog-

*ガムラン マルガサリ*のメンバーによるブログです.
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ビッグ・ブラック・ボックス
1月17日

朝、ゆっくりと骨盤の位置を立てるストレッチを入念に行う。だいぶと腰の具合が良くなるが、油断は禁物。

10時前にホール着。
これまでの3日間は、午前:保育園でワークショップ、午後:映像分析、夜:大人のワークショップ参加者と分析で得られたコレオグラフィーにチャレンジ、という流れだった。

今日と明日は、これまでに得られた50のテクニック、14のクエスチョン、17のアプローチを自由に使って、作品づくりを行う予定。

2?4名のグループに分かれて、30分ほど作戦会議と練習、そして発表、それからディスカッション、というセッションを何度かくり返した。

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この発表がとても面白かった。涙が出るほど大爆笑だった。たまたま、この日始めてやって来た参加者のIさんがいたので、感想を聞くと、長い沈黙の後、「別の世界に来たようだ。」という感想が出て、またみんなで爆笑した。

その発言を聞いて、ヒューさんが思い出したのが、ピジン・イングリッシュ。植民地など、確立した言語を持たない地域に英語が入り込んで出来た混成言語のことらしい。ある地域で、ピアノはビッグ・ブラック・ボックスと呼ばれ、口の中に手を入れるといろんな音を出すもの、と定義されているそうだ。真面目な顔をして、冗談ばっかりいっているヒューさんなので、ジョークかもしれないが・・・。とにかく、この日のみんなのパフォーマンスは、全くピアノを見たことない世界の人たちが、ビッグ・ブラック・ボックスにアプローチするような感じだった。

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このワークショップで、僕が一番驚いたのは、参加者のパフォーマンス力である。10才から79才までと年齢層が幅広く、ピアニスト、ギタリスト、バンドマン、吹奏楽演奏家、役者、ダンサー、先生、マッサージ師などなど、背景もさまざまだった。参加者の多くは、これまでにも、えずこホールで行われてきた野村さんとヒューさんのプロジェクトやいろんなワークショップに参加していたので、かなり考えが柔軟で、パフォーマンスに慣れていたのだろう。とにかく、この日のパフォーマンスは素晴らしかった。

昼食

お弁当と大根煮と湯豆腐。大根は、昨日保育園で抜いたもの、豆腐は蔵王に住む79才のKさんが持ってきてくれたもの。どっちもホクホクで本当においしかった。

昼からは、僕が受け持つダンスコーナー。
まず、テクニック 48)の振り子奏法を、みんなに聞いてもらうことにした。

ピアノ椅子に、足を浮かせて姿勢正しく座り、なるべくおしりが付く面積を小さくして、振り子のようにゆっくりと前後に揺れた。人形になったように腕は全く動かさない。指がピアノにあたる。音が出たり、出なかったり。みんながどう聞いているのか、心配しながら、身体をコントロールすることに集中して、揺れ続けた。

楽器もダンスもするヨシピロさんが感想を聞かせてくれた。
「泣きそうです。」

他のみんなも良かったといってくれた。始めは不安だったが、やっぱりこの奏法はいい音がする、と確信することが出来た。それから、波を送るワーク。僕がみんなに波を送って、みんながそれを感じる。みんなの波を、僕が感じて、すこし大きな波を作る。そして小さな波も。それをくり返す。ヨシピロさんなんか、波にさらわれて、床に叩きつけられている。ゆっくりと波をおさめる。

だいぶリラックスした空気が流れ始めた。気の流れを感じるワークを続けた。みんな思い思いに、たゆたうようにゆっくり動いた。身体の感度が高まる感じ。野村さんが、ピアノ近づき、ピアノに柔らかく触れた。音が空気に流れ込み、空気を震わせた。ゆっくりと時間が流れた。いつの間にか、ヒューさんもやってきて、静かに座っていた。

ヒューさんは、腕の産毛がそよぎ、目の奥に光が溢れた、と。野村さんは、前よりピアノがもっとうまく弾けそうな感じがする、と。後で感想を聞かせてくれた。
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夕方、ワークショップ終了後、ピアノを弾いてみたい気持ちになっていた。ワークショップで、参加者のみんなが楽しそうにやっていたので、かなり触発されたのだろう。振り子奏法を試みたり、子供たちのようにダンスしながら弾いてみたりした。ヒューさんもやってきた。ヒューさんと身体を重ねて弾いたり、腕を絡めて弾いたり。ギタリストのダイスケさんもギターで絡んでくる。野村さんもやってきた。3人でピアノの下に潜り込んだり、追っかけ合ったり。

えずこホールの永山館長が見ている。立派なグランドピアノを二台、自由に使わせてくれて、それを笑ってみている。さすがである。明日のコンサートへ向けて、気持ちが高まってきた。明日は、生まれて初めて、人前でピアノを弾くのだ。

すっかりお腹がすいたが、まずは温泉へ行くことに。養豚場と温泉とレストランがセットになったトントン温泉(?)へ。ゆっくりゆっくり何度も何度も温泉に入る。すっかりリフレッシュ。

えずこホールの玉渕さん、ギタリストのダイスケさんも一緒にホール近くのカレー屋さんへ。ほうれん草とタマゴのカレー、ナン、ヨーグルト風デザート、ラッシーのセット。1,100円也。

暖まったので、珍しくスッと寝られた。
(佐久間新)

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ピアノの可能性
1月16日

今日も早くに目覚める。腰はまだ痛い。昨日よりは少しマシか?不思議と踊っている時は痛みを感じない。踊るとあまり良くないのかもしれないが・・・。

深谷保育所着。
今日は、ヒューさんがリーダー、野村さんがアシスタント、僕は撮影。子供達に絵を描いてもらうところから始める。野村さんが100数える間に、自由に絵を描く。その絵を譜面台に置いて、子供が演奏する。
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あっさり弾く子もいれば、思いっきり考え込む子もいる。

次は、絵を見てダンスを考える。4枚選んで、ダンスをつなげる。タイトルを付ける。4枚の絵のダンスだから、「ヨンダンス」。「ヨンダンス」に合わせてピアノを弾く。さすがヒューさん、昨日と違って、とても早い展開。
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次は、子供と大人のワークショップをつなげる試み。
昨日まで
子供がピアノと遊ぶ→分析→コレオグラフィー化→大人のワークショップで展開
をしたので、大人の展開を元に子供達と遊んでみる。

テクニック 38)を題材にした。
Techniques
38) Play with both hands, each hands like a spider independent of the other. Others join with other techniques, but continue as a spider.
テクニック
38)右手、左手が、それぞれ別の蜘蛛であるかのように動く。もし、他の人が加わっても、蜘蛛であり続ける。

大人達は、子供の映像を見ずに、15日夜、このテクニックにチャレンジ。あるグループは、手だけでなく、全身を使って蜘蛛を表現した。

これを子供達と一緒にチャレンジ。壁や床を蜘蛛になった子供たちが這い回る。

次は、ピアノ演奏を、声と身体で真似る遊び。

終了。実にスピーディな展開だった。

最後に、3人でパフォーマンスをした。ピアノ、ビオラ、鍵盤ハーモニカ、ダンス。3日間に出てきた子供たちのテクニックも使いながら。僕は、いつもより音楽に接近してパフォーマンス出来たような気がした。
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園長先生から大根のプレゼント。深谷保育園の前にある雪の残った畑で大根を掘る。僕は、土から飛び出した大根の首を持って、ゆっくりと力を入れていった。小さな根が少しずつ切れていく感触を味わう。すべての根っこが切れて、土の中で自由になった瞬間が分かる。こういう感覚もダンスをする時の財産になる。
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えずこホールの日高さん、理賢さん、藤田さんと昼食。白石市内にある古民家を改造したレストラン。ヒューさんが肉を食べないので、魚と魚の卵が中心のメニュウ。とってもおいしかった。しかも1000円。
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午後からはホールで分析。
この分析中に、今回のプロジェクトの中で僕が最もハッとした瞬間があった。子供がピアノ椅子の上で何気なく一瞬前後に揺れるシーンがあった。これをヒントに、揺れながら演奏できないかと、ピアノ椅子に座ってあれこれやってみた。それで出来たのがテクニック 48)。

Techniques
48) Sit on the piano stool, feet not touching the ground and play the piano as if on a swing or see-saw or pendulum only pressing the key when you lean forward.
テクニック
48) ピアノ椅子に座って、足を浮かせて、振り子やシーソーやブランコのように、前後に揺れながら、演奏する。前に来た時は鍵盤に触るが、後に振られる時は、鍵盤から手を離す。これを続ける。

僕は身体の全神経を集中して振り子になった。指が鍵盤を押す。音が鳴る。鳴らない時もある。なるべく自然に揺れるように、振り子になるように身体をコントロールする。自分が鳴らしているのに、勝手に鳴っているような感じ。

身体をコントロールすることと、音が生まれることが自分の中で直結した瞬間だった。これだったら、人一倍うまく弾けそうな気がした。あまりにもいい音が生まれるので、野村さんとヒューさんが思わずピアノへ近寄り、演奏に加わった。しばらく、3人で音を楽しんだ。そして、僕は言った。

Now I can play the piano.

生まれて一度もピアノを習ったことが無く、ピアノに対しては壁のようなものを感じていたが、それが崩れた瞬間だった。

夜のワークショップ。
絵を描いて、それを譜面にして、ピアノ弾いたり、ダンスを作ったり。ワークショップの参加者たちは、本当に柔軟だ。なんでもやってしまう。絵を見て、弾いたり、踊ったり。普通だったらありえない。その後で、僕たちがやっている分析も体験してもらった。

譜面台にある絵を前にして、もじもじしながらピアノを弾いている子供の映像を見ながら、ワークショップ参加者みんなで文章を作った。この成果がアプローチの17)になった。これは日本語が先に出来て、ヒューさんが翻訳した。
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アプローチ 
17) ひやかす聴衆。手を握り、身をくねらす。自分の思考を手に込める。椅子に座って、指令を解読しようとする。ためらう足。決意して始めの音を探す。同意を求めて周りを見渡す。誰かが背後から近づいてくる。そして何かをささやく。はっきりしない音を出す。世界の見え方が変わる。楽譜のにおいをかぎながら、楽譜に尋ねる。世界に認められる一音を鳴らす。
Approaches
17) Jeering audience. Clench your fist and wiggle your body. Transfer your thought from your mouth to your hand. Sit on the chair and try to decipher the code of an order. Make your legs hesitate. Resolve to find the first note. Look around to seek agreement. Somebody comes close to you from behind and whispers to you. Produce obscure sounds, and the world looks different from what it was before. Ask and smell the score. Play a sound that is recognized by the world.


すごいコレオグラフィーが出来てしまった。そそられますよね。やってみたくなるいい文章。

終了。

缶ビールと豆乳を飲みながら、ヒューさんの部屋でおしゃべり。このプロジェクトの面白みが段々と広がっていく。野村さんとヒューさんは、古今東西の音楽を聴きまくって、いろんな手法で、さまざまな楽器や声を使って作曲している。一人でなくふたりで、あるいは集団で作曲したりもする。あるいは、音楽だけでなく、ダンスや芝居や美術も取り込んで。そして、それらのすべてを投入して、えずこホールとイギリスのコミュニティを往復する「ホエールトーン・オペラ」を何年もかけて創作した。そんなふたりが自分の出発地点でもあるピアノに改めて取り組んだ試み。やり尽くされたと思われているピアノの可能性を、今一度探る試み。

早起きしてジョギングしているヒューさんから、Sleeping timeという言葉出るまで、楽しい時間が過ぎた。
(佐久間新)


兄弟に遭遇?!
1月15日

7時前に目が覚める。スッと起きあがれない。ゆっくり横を向いて、なんとか座って、立ち上がる。やっぱり、腰を痛めたようだ。2000年の春、家の改修で大工仕事をしていた時に腰を痛めて以来、重いものを持ち上げたりすると、ちょっとヤバイ時があるのだ。

さて、今日のワークショップ、どうしようか?出発まで2時間余り、ホテルのロビーでコーヒーを飲みながら、もう一度ゆっくり考えた。

明日は、ヒューさんがきっといろんなゲームをしたりするだろうから、やっぱり、今日はその場の状況を見ながら、子供と泥臭く遊ぶしかないだろうなぁ。なんとかして子供が身体をいっぱい動かすように誘い出したいなぁ。そして、腰を痛めたのは、「おまえじゃなくて、子供達が踊るんだぞ。」っていう何かの知らせだぞ、今回は、ダンサーじゃなくって、博士だから、自分が踊るんじゃなくて、子供が踊るんだぞ、と自分に言い聞かせた。

ホテルの目の前に、ドラッグストアがあった。9時の開店を待って、湿布を買いに行く。部屋に戻って腰に貼る。あ?!!気持ちいい。

ヒューさんがジョギングから帰ってきて、えずこホールの車もやってきた。けど、野村さんはまだロビーに出てこない。部屋に電話すると、まだ寝ていた。いいなぁ。

深谷保育所着。さっそく始める。
「今日は身体を動かして、ダンスをするよ!」
と声をかけると。

「え?、ダンス、難しい。」
「覚えられない。」「間違ったらいやだ。」

と子供達から声が挙がる。う?ん、ショック。
「今日のは、難しくないし、覚えなくてもいいし、間違いとかが無いダンス。」
と声をかけ、子供達ひとり一人の顔を見るところから始めた。
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変な顔をしたり、にらめっこしたり。子供達が興味を持って近寄ってくる。僕が動くと子供達の輪が動く。段々接近すると、背中に乗ってくる子があらわれる。みんなの動きが連なっていく。しばらくすると、バラバラのグループが生まれる。ヒューさんも子供達と新しい輪を作っている。ピアノを弾き始める子供が出る。7,8人いっぺんに弾いてみたり。そのうち、あちらこちらでいろんな楽器がなり出す。そして、大混乱。僕も子供達とゴロゴロ転がってダンス。腰の痛みは忘れている。

耳が疲れたので、一旦ストップ。
耳を休める時間にする。ヒューさんの演奏を聴く時間。

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ヒューさんのビオラと一緒に、子供がピアノを弾くことにした。一人で弾いたり、何人かで弾いたり。先ほどの大音量とはうってかわって、みんなビオラの音を聞きながら、ヒューさんの顔を見ながら、繊細な音を出した。
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終了。

昼からは、映像分析と養護学校訪問の予定。時間がないので、スーパーでスシ弁当を買い、食べながら映像分析を始める。

昨日より、方法が確立してきた。メモを取りながら、ある程度の分量をまとめて見て、意見交換し、ヒューさんが英語でコレオグラフィを文章にしていく。3人とも興味を持つ場所はほとんど同じだ。この日は、新たに18のテクニック、7つのアプローチ、6つのクエスチョンをコレクションすることが出来た。

例えば、
Approaches
5) Each person choose one key/note and have a discussion about which one is the best.
とか
Question
3) How many people can peacefully play the piano at the same time?
など。これを日本語に訳したものも作っていく。

ワークショップ参加者のダイスケさんが勤める船岡養護学校へ行く。
生徒と先生が食堂にたくさん集まっている。3人のパフォーマンスが始まった。僕が踊りながら振り向くと、なんとそこに自分が立っていた。同じ服を着て、同じ顔をしている。こっちを指さして、僕と同じ顔をして笑っているではないか。なんだこりゃ。
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顔だけじゃなくて、身体の動く感じも似ている。ふたりでステップしながら歩み寄る。僕が右へ回ると向こうも回り、ターンするとやっぱり同時にターンした。

一旦、ブレーク。聞いてみると、

用務員さんで堀越さんという方だった。もちろん親戚ではない。堀越さんの方が先に僕に気付いて、あまりに似ていたので、その日の私服がたまたま僕のによく似ていたので、制服から着替えて駆けつけたということだった。それにしてもよく似ていた。顔だけじゃなくて全体の感じが似ているのだ。たぶん性格も。堀越さんもジャワ舞踊を始めたらいいだろうなぁ。

ホールへ戻って、分析の続き。

おにぎりを食べて、そのまま夜のワークショップ。

この日に採集したコレオグラフィにチャレンジ。参加者はコレオグラフィの文章を見て、ピアノを弾いてみたり、動いてみたり。複数のテクニックを組み合わせたり、自分なりに発展させたり。みんなやり方が分かってきた感じ。僕もメンバーや場所とだいぶ打ち解けてきた。いい感じ、いい感じ。

終了後は、「とり八」にて懇親会。
ますます参加者の皆さんと馴染んでくる。
生牡蠣がとてもおいしかった。

ふ?っ、長い一日だ。
(佐久間新)

3人の博士
1月14日

9時過ぎ、ホテルひさご出発。えずこホールに近い大河原にあるホテルから南へ。車の中で、前日の打ち合わせ通り、我々3人はフィールドワークを行っている博士として、保育園児に接することを再確認。ミュージシャンやダンサーとしてではなく、研究者及び観察者に徹しなければならない。やがて、右手に雪を抱いたゴツッとした山があらわれた。蔵王である。20分ほど走ると、蔵王に程近い白石市立深谷保育園に到着。

園長先生が迎えてくれた。打ち合わせもそこそこに、早速ホールへ移動。初日は、野村さんが主導、佐久間がアシスタント、ヒューさんが撮影である。

野村さんが輪になった子供達に、
「ピアノに触ってきて。」
と声をかけると、ひとりずつ立って、ピアノに近づいていった。
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スッと行く子もいれば、ゆっくり行く子もいる。真ん中付近の音を叩く子いれば、力強く一番低い音を叩く子もいる。そうすると、なぜか大爆笑!みんな一音ずつ叩いていく。しかも白鍵ばかり。だいぶすると黒鍵を叩く子があらわれた。

「じゃあ、ふたりずつやってみよう!」
仲良くする子もいれば、喧嘩する子も。音はさっきより複雑になっていく。そのうち入り乱れ始めて、大混乱。子供達がピアノで遊び始める。
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一旦仕切って、2列に並ばせる。
ピアノ、スネアドラム、木琴を順番に叩きながらリレーをした。みんな楽しそうに楽器を叩いている。そのうちに待っている子に、タンバリンや鈴も渡して、自由に叩いてもらう。段々と賑やかになってくる。狂喜乱舞してピアノを弾いている子供もいる。ピアノのまわりで鬼ごっこが始まる。

ここまでで終了。

先生達と打ち合わせ。
元々、耳の具合が悪かった子が、最近、耳の治療をして、今日、本当に楽しんで音を鳴らしていたのが印象的だったと、園長先生が感想を聞かせてくれた。
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えずこホールの水戸さんと日高さんの案内で、うーめんを食べに行く。油を使っていないそうめんで、暖かくして食べる。関西だと、そうめんの暖かいはにゅうめん。白石の名物なのだ。第一候補の店が閉まっていたので、第2候補の店へ。牡蠣の天ぷら入りうーめんを食べる。何がどうなのか、なかなか感想を言うのが難しい料理だが、おいしかった。

午後からは、そのままホールへ向かい、午前に撮った映像を分析することになっていた。この作業が今回のプロジェクトのミソである、とあとで分かった。3人の博士が真剣になって、子供達が遊んでいる様子を観察する。

「今のところストップ。もう1回。」
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と、気になったところを見返しながら、メモを取る。そして、意見交換。子供達のピアノへのアプローチの仕方に、テクニックを発見する。

例えば(番号はテクニック番号)、

3) 一音弾いて観客の反応を見る
7) 一本指で真上からゆっくり鍵盤に向かって下ろして、鍵盤に触りそうなところで、  熟考して、一音をやさしく弾く
15) ペダルを試行錯誤してから、3人になる。奏者1:高音、奏者2:中音、奏者3:低音
1:奏者1:高音クラスター
2:奏者3:低音のリズム
3:奏者1:高音の応答リズム
4:奏者2:中音のやさしいクラスター

などなど、次から次へと新しいテクニックが発見される。

また、ピアノへの取り組み方としてのアプローチや、音楽やダンスに関する疑問(クエスチョン)も収集することが出来た。真剣にやっているのだけれど、新しいテクニックを発見するとおもわず3人で大爆笑してしまうほど、楽しい分析だった。はじめてということもあり、気付くと5時間も経っていて、夜の大人達とのワークショップの時間が迫っていた。

おにぎりを頬張ってると、ヒューさんがピアノを弾き始めた。早めに来ていたワークショップ参加者もそこに加わった。思わず、僕の身体は動きはじめた。本当に気持ちがいい。音も身体も弾んでホールを駆け回る感じ。しばらく動き回っていると、腰に違和感を感じたので、ストップ。あれっ、ちょっとヤバイかな・・・。

夜の参加者がやって来る。野村さんとヒューさんは、何度もえずこホールでワークショップや作品づくりをしているので、みんなと再会を楽しんでいる。僕は初対面なので、ちょっとまだ慣れない感じ。
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午後に収集したテクニック1)?27)とアプローチ1)、2)を、みんなと試行錯誤しながら試みた。

まだ、僕も含めてみんな少し硬い感じ。10時頃までワークショップは続いた。

ホテルへ戻る。畳の部屋のなので、ストレッチがやりやすい。が、今日は腰に違和感があって、ストレッチもままならない。明日の保育園でのワークショップでは、リーダー役なので、あれこれシミュレーションしながら考える。なかなか寝付けなかった。

2007年に、やっぱり野村さんと一緒に行ったイングランドのパドック小学校でワークショップをした時のことを思い出した。僕はヒューの友人のボブに家に滞在した。娘のリアの2階建てベッドに寝転がって、翌日にワークショップのアイデアを考えながら、窓の外の教会の影を見るともなしに見続けた。
(佐久間新)

お父さん、いい加減にして下さい!
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キーボード コレオグラフィ コレクションの日記は一旦中断です。


昨日、朝日新聞から掲載紙が届いた。ちょっと前になるが12月12日京阪中之島線なにわ橋駅にあるアートスペースB1でのワークショップに関する記事だった。掲載されたのもちょっと前で1月7日朝刊の大阪版である。京都に住んでいるバリ舞踊の大西由希子さんが、「載ってたよ!」と教えてくれていたので、京阪神あたりをカバーしていたのかもしれない。

送られてきて始めて写真を見た。大きな写真が載っていた。僕が、頭にペットボトルを乗せて寝ころんで、しかも得意げに笑っている写真だ。

ブナに言うと、
「あっ!保育所の先生も言ってたで。」

・・・ ・・・。

「お父さん、いい加減にして下さい。」
とは言われていない。

ペットボトルを頭に乗せるのも、立派な理由があるのです。あるんですよ、ほんとに。で、乗せると楽しいんです。しかも、みんなで乗せるともっと楽しいんです。

よく見ると、みんな乗せています。
(佐久間新)


東へ東へ
1月12日
10時17分新大阪発の新幹線に乗って、東京、上野経由で常磐線の三河島駅へ。駅前で偶然というか予想通り野村誠さんに出会う。ワークショップ・コーディネーターの吉野さつきさんと作曲家のヒュー・ナンキヴェルさんも一緒だ。吉野さんとは、エイブルアートの時以来だろうか?ヒューさんとは初対面。これから1週間を共にすることになる。

この日は、荒川区生涯学習センターで、「ヒューさんと即興で音楽とダンスをつくる」があり、宮城へ行く前についでにどう?と、野村さんに参加するように誘われたのだ。
廃校?になった小学校の中にある会場で、コーディネート役でダンサーの新井英夫さんに紹介してもらった。野口体操から入って、今はコンテンポラリーダンスをしているそうだ。ユーモアがあって、柔軟で、一緒に踊ってとても楽しかった。

4時間、ヒューがいろんなアイデアを出して、みんなで音楽とダンスを楽しんだ。ヒューは生まれて初めてダンスのワークショップをするとのことだ。打ち上げは、日暮里の駅近くの韓国料理レストラン。このあたりは歩いていると本当に韓国食材店や料理屋がたくさんある。

この後、大学時代からの友人であるインドのバンスリー奏者の寺原太郎さんとプロデューサー(表現が難しいなぁ・・・)の百合子さん夫妻のお宅へ押しかけることにしていた。千葉から都心の参宮橋駅近くへ引っ越して2週間で片づいていないとのことだったが・・・。

だいぶ遅くなって、ふたりのマンションへ到着。引っ越し荷物は思ったよりは片づいていて、宴会の準備が整っていた。ワインを開けながら、盛り上がった。ふたりに出会ったのは20年前、3人とも倍の年齢になっていたが、全然変わっていない感じだった。

1月13日
ゆっくり起きて、ゆっくりストレッチをして、ゆっくり朝食を食べた。百合子さんは、もう出勤していた。太郎さんのなにわナンバーの軽ワゴンに乗って、表参道にある百合子さんが勤めているスウェーデンの工芸品を扱う店を見に行った。ギャラリーや教室もあり、素敵なスペースだった。う?ん!都会だ!!

歩いて渋谷駅に出て、池袋経由で大宮駅へ向かった。ここで、野村さんとヒューさんに再会。東北新幹線に乗って、蔵王白石へ向かう。東日本の日の入りは早い。東の空がみるみる赤くなり、連なる雪景色の丘が濃いブルーになっていった。

野村さんはどこでも寝るのが得意だ。エジプト人作家の小説を読み終わったヒューさんと雪景色を見ながら話をした。とても聞き取りやすい英語だったが、僕の頭の辞書はまだホコリをかぶっていた。だんだんと慣れてくるだろう。

すっかり日が暮れた頃、蔵王白石駅到着。えずこホールから、水戸さん、玉渕さん、日高さんが迎えに来てくれていた。駅前のターミナルへ出ると、雪が舞っていた。そのまま夕食を食べに行った。

はらこ飯(鮭+いくら)とお蕎麦のセット。運ばれてくるまでに、ミーティング。明日からのザッとした予定を立てた。はらこ飯は脂がのっていて、とてもおいしかった。もちろんお蕎麦も。

スーパーに寄って、これから1週間お世話になるホテルひさごにようやく到着。玄関で靴を脱ぎ、部屋は畳の和風スタイル・ホテル。各自荷物を置いてから、111号の野村さんの部屋に集まった。

ヒューさんと僕は、缶ビールと宮城の地酒「一の蔵」のにごり酒、野村さんは豆乳で乾杯。このにごり酒は、発酵してわずかに炭酸が発生していて、とてもおいしかった。もう一度、最初の3日間の予定を確認。1日ごとに担当を変えることにした。

水曜日の午前:保育園で収集1(野村主導、佐久間アシスタント、ヒュー撮影)
木曜日の午前:保育園で収集2(佐久間主導、ヒューアシスタント、野村撮影)
金曜日の午前:保育園で収集3(ヒュー主導、野村アシスタント、佐久間撮影)

この3日間、午後は映像を分析して、夜は大人のワークショップ参加者と収集したKeyboard Choreographyを実演。

土曜日は終日、収集したKeyboard Choreographyから、作曲および振付を行う。

日曜日 研究成果を発表。

さてさてどうなりますか?
(佐久間新)
ウロコ通信84 書きました
クリスマスに我が家へ小鳥がやってきました。小桜インコです。サンタが運んできたんです・・・。ブナが「パリノ」と名付けました。すっかり我が家の一員になっています。今も僕の肩に乗り、髪の襟足をつついています。

さて、公演情報です。

野村誠さんとロンドンからやって来た作曲家のヒュー・ナンキヴェルさんと3人でワークショップをします。東北へ行くのは、ほとんど初めてなので、とても楽しみです。
以下は、野村さんのブログからの引用です。
・・・ ・・・

1月18日 Keyboard Choreography Colleciton@えずこホール(宮城県仙南)

これは、ヒューとの新プロジェクトです。

実は、昼間には、14日?16日までの3日間、保育園に行って、園児が鍵盤をデタラメ演奏するセッションを映像に収めます。この映像の中から、音楽的に面白いところ、振付的に面白いところを抽出しながら、作曲と振付を同時にしていくプロジェクトです。最終的には、ダンス作品とピアノ曲集を作るのが目論み。今回は、その第1ステップです。遠方からの参加、見学も大歓迎です。



ワークショップ

1月14日(水)?18(日)

平日は19:00?21:00

土日は10:00?18:00

最終日は発表会(14:00開演、入場無料)

参加費(5日間通し)大人1,000円、学生500円

講師:ヒュー・ナンキヴェル、野村誠、佐久間新(ジャワ舞踊)

定員:音楽・ダンス各15名(先着順)

お申し込み・お問い合わせ:えずこホール(0224-52-3004、info@ezuko.com)



Keyboard Choreography Collectionのサイト

http://www.ezuko.com/info/business/keyboard/

・・・ ・・・

寒い日が続きます。皆様ご自愛下さい。
(佐久間新)

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