Gamelan Marga Sari -Blog-

*ガムラン マルガサリ*のメンバーによるブログです.
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動かないダンス!
神奈川県民ホールの吹き抜けの展覧会場にあるバルコニーでコンサートの出番を待っていた。階下の中央には、ガムラン楽器が正方形に置かれていた。ガムランの前では、「愛の賛歌」の作曲者である三輪眞弘さんが、コンサートの解説をしていた。小金沢健人さんの映像作品とコラボレーションをすることになっていたのだ。

三輪さんが、自分は4桁の2進法を用いて作曲したことや、小金沢さんの映像作品が実は単に2色の色鉛筆の線が延々と延びていくだけなんだ、ということを話していると、

ブォ? ブォ?

IMG_1271.jpg


と、遠くから汽笛が聞こえてきた。会場の聴衆には聞こえていないだろうか。港に停泊している豪華客船ASKA 2の汽笛だろう。昼間、赤レンガ倉庫で行われている横浜トリエンナーレを見に行った時に、この船をバックに記念撮影をした。赤レンガ倉庫の屋根の上にはトンビがとまってピーヒョロと鳴き。倉庫の中では、土方巽の肉体が反乱を起こしていた。

「愛の賛歌」は、儀式のような作品である。純粋を目指すコンサートホールにおいてより、日常が忍び込むこんな会場の方がふさわしいかもしれないと思った。とにかく、僕の気持ちは少しほぐれた。

バルコニーから階段を下り、階段が切り返す踊り場でスタンバイした。照明が身体を浮立たせる。グンデルが静かに響きがはじめた。音が身体に沈殿していく。会場を俯瞰しながら、じっと立った。動かずにじっと立った。

6,7分経つと、「2色の色鉛筆の線」が360度の壁を回りはじめた。思わず一緒に回りそうになるのをこらえた。回転が身体に染み込んでいく。視線を中空にとどめ、じっと立ち続けた。ルバブが秘やかに誘うように弦を擦りはじめた。

身体を真っ直ぐに留めていたピンを抜くと、身体がゆっくりと揺れはじめた。揺れが収まると、手がゆっくりと上がりはじめた。右手と左手が出会う正中線で、手はシンメトリーに動いた。やがて、サロンが高らかに鳴りはじめ、歌い手が愛の歌を歌いはじめた。僕は、会場に満ちた空気は揺らし、時間と空間をずらしながらダンスした。

グンデルの最後の音が鳴り、照明をオペレートしていた小金沢さんと気を送り合いながら、ゆっくりと動きを止めた。演奏時間は50分に迫っていた。「愛の賛歌」の最長演奏時間である。ダンスと照明は、ほとんど即興だった。

動かずにじっと立つことを、10分近く続けた。すごく難しかったが、いいチャレンジになった。長く沈黙を続けると、どんなに微妙な動きをしても、そこには差が生まれるので、すごく大きな表現になるのだ。

公演終了後、県立ホールから歩いてすぐの中華街東門横にある北京飯店で打ち上げになった。みんながビールで乾杯する横で、僕はウーロン茶で乾杯をした。楽器を積んだハイエースでスペース天へ戻らなければならなかったのだ。

雨の東名高速を走り、東名阪、新名神、名神、京都縦貫道経て、スペース天にたどり着いたのは6時過ぎだった。白みはじめた東の空に三日月が上がっていた。楽器を運んでいると、

「朝早いのう!」

と、声が聞こえた。振り向くと、背丈ほどの大きな棒を杖にした大柄な男だった。とても薄着のようだった。返事をする間もなく、男は裏山へ続く坂道を上がっていった。

あっ!そうか!

10年前のスペース天開所以来、天に泊まった人達から、夜更けに足跡や声が聞こえるという話をよく聞いた。僕自身も、午前3時頃、スペース天の周囲を、何者かが何かをゆっくりと引きずって歩く音を聞いたことがあった。この男の足音だったのだろう。しかし、一体何者なのだろうか?
(佐久間新)

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横浜でダンス!
10月の終わりにジャワへ行き。ソロの音楽祭に参加してきました。そのことも日記に書かないといけないし、その前の夏の「桃太郎」インドネシアツアーも完結していない。う?ん!時間が足りない。

ソロの音楽祭はすごかった。ありえない体験でした。6千人以上の観客がいて、巨大スクリーンがあって・・・。この話はまたいずれ・・・。

明日から横浜へ行ってきます。このコンサートの告知は忘れていたかもしれない!三輪眞弘さんプロデュースのコンサートがあるのです。三輪さんの作品「愛の賛歌」という40分近い大曲で踊ります。今回のバージョンでは、9月のおおがきビエンナーレに引き続き、イウィンさんとふたりで踊ります。

以下は、マルガサリのウェブサイトからの引用です。

・・・ ・・・

神奈川県民ホール「アート・コンプレックス2008」にて、
三輪眞弘作曲「愛の讃歌ー4ビット・ガムラン」を上演します。

今回は、映像作家・小金沢健人の映像展「あれとこれのあいだ」開催期間中、ギャラリー空間を舞台に、映像作品とさらにバージョンアップを遂げた「愛の讃歌」とがぶつかり合います。

アート・コンプレックス2008 第2夜
三輪眞弘プロデュース〈愛の讃歌ー4ビット・ガムラン〉
2008年11月24日(月・祝日)
19:30開演(19:00開場)
神奈川県民ホールギャラリー
全席自由
一般 2500円
学生 2000円

http://www.kanagawakenminhall.com/index.html

・・・ ・・・

なんですが、若干の招待券があります。興味ある方は、佐久間までメール下さい。先着順、早い者勝ちです。よろしくお願いします。
i-sakuma@mva.biglobe.ne.jp
(佐久間新)


立冬に栗東でダンス!
朝9時に名神栗東インターを下りて、新規オープンしたピカピカのサークルKの駐車場でAMラジオを聞きながらコーヒーを飲んでいると、今日は立冬とのことだった。あんまり寒くないけど・・・。

去年、京都のetwギャラリーであいのてさん(野村誠さん、片岡祐介さん、尾引浩志さん)とライブをした時に知り合ったMさんが勤める滋賀聾話学校でのコンサートに向かっていたのだ。

出演は、僕と碧水ホールのガムラングループ「ティルト・クンチョノ」。中学部の10人相手に2時間のプログラムだった。

聾話学校の生徒なので、耳が不自由だが、補聴器をつけると少しは聞こえるとのことだった。音楽を楽しむのは耳だけじゃないだろう。身体全身で音を味わう2時間にしたかった。

古典曲の演奏の他にも、ティルト・クンチョノ人たちには、身体でガムラン楽器の音を表現してもらった。最初は少し恥ずかしがっていたメンバーも段々とリラックスして身体が動くようになってきた。こうなると音も良くなるから不思議だ。

後半は、僕が動いて、それに合わせて生徒たちがガムランを叩いた。本人たちには、聞こえているのかどうか分からないが、僕が動くと彼らも動く。動くと音が鳴る。

生徒たちとコミュニケーションする時は、必ず顔を見ていなければならない。よそ見しながら、音(声)を使ってコミュニケーションすることは出来ない。そのかわり、顔を見てさえいれば、手話が出来なくてもいろいろコミュニケーションが出来る。

僕が動くと、みんなが動く。動くと音がなって、また僕が動く。音と動きのコミュニケーション。そぉっと動いたり、きゅっきゅっと早く動いたり。音と動きが絡み合う。途中でかなり茶目っ気のあるSクンが登場して、ふたりで動いた。ふたりの間の空気が見えるように感じられた。空気が震えたり、流れたりする感じだった。

目に見えない./見えにくいものを感じて、動く。
耳に聞こえない/聞こえにくいものを感じて、動く。

今日は立冬。栗東でダンス。いい一日だった。
(佐久間新)
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