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Gamelan Marga Sari -Blog-

*ガムラン マルガサリ*のメンバーによるブログです.
ウロコ通信82 書きました
秋祭りが終わったウロコ庵のあたりは、なんだか急激に寂しくなってきました。窓の外からは、虫の音が聞こえてきます。しかし、明日からは、熱帯のジャワへ1週間行ってきます。ソロで開かれるフェスティバルに参加するためです。11月1日に帰国します。

さて、公演情報です。

1件目は、インドネシアでのフェスティバル。

ソロ国際民族音楽祭(Solo International Ethnic Music Festival)

マルガサリのメンバーとして参加します。10月28日から31日まで、中部ジャワのソロにあるマンクヌガラン王宮の特設舞台で行われます。

概要
2008年10月28?31日に中部ジャワのソロ市で開催される、ソロ国際民族音楽祭(Solo International Ethnic Music Festival)にマルガサリが招聘され、日本からの中川真、佐久間新、家高洋と、ジョクジャカルタに留学中の西田有里、西岡美緒、大石麻未が合流し、さらにソロの音楽家、ダンサーを交えて2日間(27/28日)のワークショップを行ったのち、29/30両日に、マンクヌガラン王宮前広場に特設された会場にて演奏を行います。この音楽祭は今年が2回目で、昨年は約5万人の来場者があったという、新参ながらインドネシアでも屈指の民族音楽祭となっています。コンサート、ワークショップ、会議などが開かれ、会場の座席数は6000席という巨大さです。マルガサリはガムラン楽舞劇「桃太郎」の一部を上演する予定で、ワークショップでの新たな発見を加味して、オリジナルの作品を味わってもらいます。SIEM会議のテーマは、「エコロジー、環境、民族的アイデンティティ」というもので、グローバル化のなかで危機にさらされている諸現象について語り合われます。それぞれ単独のチームとして参加します
が、招聘されたチームの垣根を越える様々なコラボレーションも企画されています。ソロ市にとっては、このイベントは文化的と同時に、経済的にも重要なものとして位置づけられており、文化によって集客をはかり都市発展の起爆剤としていくという、創造都市戦略の一環でもあります。今回の第2回音楽祭には、マルガサリのほか、インドネシア国内各地、シンガポール、オーストラリア、台湾のグループが招聘されています。今年8月のマルガサリのジャカルタ、ジョクジャカルタ、スラバヤ公演に続く、ソロへの初お目見えは、どのような反響を呼び起こすことができるでしょうか!


2件目は

●『桃太郎の今後を語り合う会』開催!
「インドネシア公演の映像を見ながら、
   桃太郎について様々に語り合いましょう?!」
という会を開催します。
ソロの音楽祭の報告も聞ける予定。入場は無料です。

日時:11月1日(土) 19?21時
場所:船場アートカフェ(地下鉄 本町駅より徒歩5分)
http://art-cafe.ur-plaza.osaka-cu.ac.jp/access.h
食事:カンパ制(持ち込み・差し入れ歓迎)

食事の用意がありますので、参加希望の方は連絡いただけると嬉しいです。
以下のメールへ、お名前、人数等をお知らせ下さい。
margasari24@yahoo.co.jp

3件目は
京都の岡崎にある観峰美術館での展覧会のオープニングレセプションです。

展覧会 インドネシアの伝統文化
インドネシア各地のバティックやイカット40点と映像が展示されます。

場所:原田観峰記念館4F
    京都市左京区岡崎南御所町35
    (岡崎公園グラウンド東となり)
日時:11月3日(月・祝) 15:00?
チケット:レセプションは無料ですが、美術館の入場券が必要です。
     観峰美術館入館料 大人600円 子供400円
問い合わせ:観峰美術館 TEL 075-771-7130 FAX 075-771-8441
     
展覧会の会期は、2008年11月1日から2009年1月25日です。
下記のアドレスに詳細があります。
http://www.kampo-museum.co.jp/MUSEUM/INDONESIA%20/indo.html

佐久間新+佐久間ウィヤンタリで、ジョグジャの古典舞踊「スリカンディ・ビスモ」を録音音源で踊ります。また、展覧会会場には、僕たちが2000年に行ったジョグジャでの結婚式の映像が流れています。非常に気恥ずかしいですが、お楽しみに!

それでは、季節の変わり目、皆様ご自愛下さい。
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23年ぶり
ちょっと振り返って日記を書きます。

10月12日日曜日

2000年以来8年間、大阪府豊能郡豊能町牧に住んでいる。子供ができてからは、自治会と消防団にも入って、だんだんと地元にどっぷりつかり始めている。

集落は47件。我が家以外のほとんどは、この地に数百年、長い家は1000年以上住んでいるという。山に囲まれた小さな盆地に田んぼがあり、山裾にかけて棚田が広がっている。集落の東側から、かみんじょ、なかんじょ、むかい、しもんじょ、とよばれる地所になっている。かみんじょには、水源地があり、水出さんというお宅が自治会長をしている。

この日、秋の村祭りが行われた。23年ぶりに御輿が修復され、久々の村祭りだった。200年ほど前に購入した御輿の状態が悪くなったことや、社会が経済中心になってきたことなどがあって、村祭りは中断したのだ。今年ようやく、寄付や助成金で、御輿と獅子舞が見事に復活し、そのお披露目の秋祭りだった。

8時、村のはずれの丘の上にある神社に集合。はっぴに、短パン、白の地下足袋、ふとももにひんやりした空気が新鮮で、ぴりっと引き締まる。神社脇の倉庫から御輿を運び出す。黄金の御輿は500キロ近くあり、これだけでも大仕事である。ご神体の鏡や鳳凰や飾りを、アーデモナイコーデモナイとみなで相談しながら付けていく。

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築90年
ちょっと振り返って日記を書きます。

10月10日
インドネシア領事館が主催する日本とインドネシアの友好記念イベントに出演した。場所は、大阪の中之島にある中央公会堂。1918年に完成した有名な近代建築である。

朝7時、ブナの弁当を作る。唐揚げ、アスパラのベーコン巻き、卵焼き、キュウリとトマト。ご飯と2段重ねのお弁当箱。デザートのブドウは別のタッパー。ちょっと多すぎるかな。今日ブナは遠足で、神戸の王子公園へ行くのだ。

13時、スペース天にトラックがやってくる。運転手さんとふたりで、昨晩みんなで梱包した楽器をトラックに積み込む。フルセットではないので、20分ほどで完了。イウィンさんをピックアップしに、自宅へ戻る。4人分の舞踊の衣装を車に積み込み、さあ出発。

15時、現地で楽器の積み下ろし。ホールでは、リハーサルが始まっていた。舞台上には、すでにバリガムランが並んでいる。いろんなグループが出演するので、舞台上の配置を決めるのが大変だ。狭い舞台に、バリとジャワのガムランが両方並ぶと、踊りのスペースが窮屈になる。それぞれのスペースを巡って、ちょっとした駆け引き合戦。

16時過ぎ、リハーサル開始。演目は2曲。女性舞踊と男性舞踊である。女性舞踊を踊るのは、イウィンさんと川原和世さんと河島加奈子さん。ふたりとももう長く舞踊を習いに来られている。川原さんは、ジャワへも留学した。僕はリハを客席から眺めたが、3人の息はよく合っていた。

ガムランチームは、マルガサリ、HANA★JOSSのふたり、ふいご日和楽団の後藤さん、という混成チームだった。平日だったので、仕事があるメンバーが順番に駆けつけてきた。出演時間の18時30分までに、なんとか全員がそろった。

すべての演目が終わると20時近くになっていた。楽器の積み込みの後、隣の会場で行われていたパーティに合流した。京都の白川に住むデンマーク人だけど、お茶の先生でガムラン好きのビスゴーさんに、。「お面をしていても、踊りで、あなただと分かりましたね!」と、声をかけられた。ビスゴーさんが自宅で行っているお茶会で踊ったことがあるのだ。

先に出たトラックの運転手を追い掛けて、帰路につく。豊中の実家で眠っているブナをピックアップし、いつもは乗らない箕面トンネルを使ってスペース天へ。運転手さんと楽器の積み下ろし。「巨人、優勝しましたよ。」と力無い声で教えてくれた。天の冷蔵庫で冷えていたリポビタンを勧めた。運ちゃん、頑張って帰ってや!

家へ戻ると、踊ったふたりからメールが入った。それぞれの感想だった。

人前で踊るって、とても大変なことだよね。中之島公会堂のような歴史のある空間で、しかも生ガムランで踊れるのは、とても貴重な体験だよなぁ。そして、ジャワ舞踊を踊れる人が少しずつ増えてきたなぁ。

と、コンサートの余韻を楽しむ。食卓の上のリュックを開けて、弁当箱を開けると空っぽになっていた。頑張って食べたんだろうな。
(佐久間新)

8年ぶり
ちょっと振り返って日記を書きます。

9月23日火曜日
毎週火曜日は、阪急石橋駅近くにあるバレエスタジオの1階でジャワ舞踊のレッスンをしている。今日は、見学の方が来られることになっていた。「こんばんは。」と、元気な声で若い方が入ってきた。

「Sさんて、ずっと前に僕に手紙をくれたことありますよね?」
「はい!」

そうだやっぱりだ。見学希望のメールの始めに、「はじめましてSです。」と書いてあったが、名前に見覚えがあったのだ。そして、顔を見た時にも、ザワッと記憶が波立った。

手紙の文面はよく覚えていた。2000年にジャワでの結婚後、帰国してまもなくの頃、産経新聞に結構大きく取り上げられた。その記事を見て、高校3年生のSさんが新聞社に僕宛の手紙を書いたのだ。

今、引き出しの奥にあるSさんの手紙を読み返すと、言葉遣いに気をつけながら、何度も書き直しながら書いた跡がある。その手紙が縁で、その時に1回会ったのだ。実を言うと、手紙の記憶は鮮明だが、会った時のことはあんまり覚えていない。

その後、Sさんは大学に入ってインドネシア語を専攻し、バンドゥンへも留学された。そして、今は就職してOLをしている。

「どうして、今、ジャワ舞踊を始めようと思ったんですか?」と聞いてみると。先月、京都造形大学であったバリ舞踊のコンサートを見に行ったからだという。80才を越えるイブ・チュニックが踊ったのだ。

「イブ・チュニックの年まで踊れるんだったら、今の私でもまだ間に合うかも知れないと思ったんです。」

おもわず笑ってしまった。Sさんは、まだ20代半ばである。でも、僕自身もそうだった。

僕が留学したのは、26才の時である。まわりの人間も、そして自分自身も、踊りを始めるには、年を取りすぎていると思っていた。もちろん、若いうちに始められればいいが・・・、でも最近では、年をとってから始めても意外といいことが結構あると思っている。

とにかくSさんは、一念発起してジャワ舞踊を始めることにしたそうだ。8年ぶりに再会したSさんと会うのは、2回目だけれど、なんだか懐かしい友人に会ったような感じがした。
(佐久間新)
ビエンナーレ クロージングコンサート
おおがきビエンナーレが、9月28日に終了した。ガムランは、10日間武徳殿に据えられ、いろいろなイベントが行われた。

僕は、オープニングコンサートで、三輪眞弘さんの「愛の賛歌」と大学院生松本さんの作品のためのダンス、大垣祝祭ガムランコンサートで、ジャワの古典舞踊、クローングコンサートで、再び松本作品とワークショップの成果発表のダンス、を踊った。

また、ダンスのワークショップを4回行った。少人数の定員で1回3時間だったので、参加者とも仲良くなって、じっくりと取り組めた。1回目には、たんぽぽの家の伊藤愛子さんにも講師として参加してもらった。その他の回には、イウィンさんにもアシスタントとして参加してもらった。今回は、ジャワ舞踊の動きのなかで発見した気づきを手がかりに、「からだのアンテナを張り巡らせよう!」というテーマで行った。

例えば、2回目の時には、

ゴンやクンプルといった吊り下げ型のドラを揺らして、一緒に揺れる。鳴らして、響きを感じて、一緒に揺れる。響きの振動を額、頬、鼻、唇など体の部分で感じる。

武徳殿の古い木の床の硬い部分と柔らかい部分を、振動、打撃音、手・足の感覚などで探る。ミシミシと鳴るところを探す。ミシミシ音をコントロールする。

入り口から入ってくる冷たい外気を皮膚で感じる。気流の動きを感じて、一緒に動く。

といったことをやってみた。参加者の皆さんは、揺れ続けるゴンとともにいつまでも揺れ続けたり、立て付けをチェックする家主よりも懸命に床をチェックしたり、昆虫の触角のように手をセンサーにしてゆっくりと動いた。

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